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毎年マンモ、エコーしていたのに36mm乳癌?

[管理番号:1547]
性別:女性
年齢:58歳
田澤先生
自分がこんな状態になり、初めてこちらの存在を知りました。本当に多くの方々が助けられ、また私も質問でき感謝いたします。
30年程、毎年人間ドックは必ず受けています。昨年の11月(下旬)日の結果は、左右嚢胞一年後に検診。となっております。手元の資料を遡りますと2005年より『乳管拡張』2006年より『嚢胞』『乳腺症』以降嚢胞の記載があります。
さて、今年9月(下旬)日左胸にきりきりと痛みを感じ手をやるとゴロリとしこりがあるのを発見し近所の乳腺外来を受診しました。
・マンモ異常なし
・エコーで36×24×14の腫瘤、血流有
という段階でドックを受けている病院(ブランド病院です)へ紹介状を書いてくれました。
昨日紹介状を持って受診でき、再度マンモ、エコーののち、エコー下で針生検をしました。三か所からとりました。
やはりマンモには乳腺がそこそこ密集している異常とはいえない所見のみ。
エコーの所見から9割がた癌でしょう。検診と検診のはざまに腫瘍がぐっと大きくなる時が当たってしまったのでしょう。とのこと。
この一か月いろいろ考えました。突然大きくなったのだろうか、自分がうかつで気付かなかったのか、食事、運動等気を付けてきたのに…
11月(上旬)日に結果が聞けます。9割がたという表現を確定にするための生検(嚢胞ではなく充実性なので針生検で良い、という事でした)
手術がいつになるのかは未だ全くわかりませんが、これは、緊急に手術をしてもらうケースではないのでしょうか?
82から89歳までの親が三人います。
あと十年は生きていないと、等、考えても仕方のないことばかり考えてしまいます。
どうしたらよいでしょうか、アドバイスを頂ければそんな有難いことはありません。
ちなみに7年前妹も乳癌(小葉癌)で手術をしました。
私たち姉妹の代から遺伝子が暴れだしたのでしょうか。
それまで癌の人はいませんでした。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「毎年マンモを受けていたのに」と言う事はよくあることです。
皆さん「マンモグラフィーの方が優れている」という意識があるようですが、(今回もそうですが)「マンモでは検出できない」癌は多いのです。
ただ、「超音波を毎年行っていた」とすると話は違ってきます。
「超音波では、かなり小さな病変(3mm以上あれば)でも検出」できます。
○唯一の(そして最大の)問題点は「超音波は、術者によって検出力が全く異なる」
ということです。
 ♯トップページの「FAQ」の「マンモとエコーの違い」を参照してください。
○「いきなり36mm」というのは、「乳腺症や嚢胞」とされていた可能性はあります。

回答

「再度マンモ、エコーののち、エコー下で針生検をしました」
⇒迅速な対応で良かったです。
 「先にMRI(しかも3週間後)」とか「まずは細胞診」みたいな「超スローペース」
な診療になりがちな「ブランド病院」としては、幸運な診療と言えます。
 
「これは、緊急に手術をしてもらうケースではないのでしょうか?」
⇒そんなことはありません。
 乳癌は「そんなに急速には」進行しません。
 ○乳癌で本当に「急を要する事態」は「術前抗がん剤中の進行」のケースだけです。
 
「どうしたらよいでしょうか、アドバイスを頂ければそんな有難いことはありません」
⇒最初に行う(そして最大の)選択は 『「手術先行」か「術前抗がん剤」か』です。
 大事なことは「小さくして温存したいか?」です。
 ○もしも、「その意志があれば」迷うことなく「術前抗がん剤」を選択してください。
  ただ「温存術にこだわらず、命を最優先」するのであれば、「最も安全な治療を望む」のであれば、迷わず「手術先行」としてください。
 ○私が予測するに、「ブランド病院の担当医」は(質問者の意思とは無関係に)「術前抗がん剤を勧める」でしょう。
 その理由として①薬剤の効果が解る。とか②見えない癌細胞を最初に叩く。とか
③(温存するかとは無関係に)腫瘍やリンパ節は小さくしてから手術した方がいい
みたいな事をいいそうです。
  しかし上記それぞれの根拠は全く薄弱であり、それぞれ、①術前術後に使用でき
る(適応のある)抗癌剤は保険診療上、制限があり全く無意味、②(見てきたかのよ
うな)根拠が無い③手術の範囲は全く同じなのです。
 
 ★最も重要なことは『術前抗がん剤はリスクの有る治療』だという認識です。
 ・抗がん剤は必ず効く筈というのは誤りです。 もしも効果が無かった場合には
「癌を体に放置したまま数カ月過ごす⇒新たな転移を引き起こす」という事態となります。
 ・術前抗がん剤が「効かなかった場合」には、最悪「手術不能な状態」となりえます。
 ・「効かない!大きくなった!」となっても 手術は直ぐにはできません。(抗癌剤の後、副作用が治まるまで、最低3週間は空ける必要があるのです)
 ・術前抗がん剤中は必ず「3週間に1回」のエコー検査をしてもらってください。
「数カ月後、増大していた!」などという事態は極力避けなくてはいけません。
 
 
 ○抗がん剤の「本来の目的」は「再発率を極力減らす」ことです。
 抗がん剤は「術前に行っても、術後に行っても効果は一緒」であることが解っています。
  「命を最優先するなら」手術先行して、その後きっちり「再発予防として」全身療法を(安心して)きちんと行うべきなのです。
もう一つ大事なことは
「局所療法」と「全身療法」とに分けて考えることです。
「局所療法」手術と放射線です。
手術も放射線も乳腺だけをターゲットとしています。
乳房温存術の場合には、必ず術後放射線照射を行います。
乳房切除術の場合には(原則)術後放射線照射は行いません
 ♯リンパ節転移陽性の場合には術後照射を行います。 リンパ節転移1-3個(推奨度B) リンパ節転移4個以上(推奨度A)
「全身療法」サブタイプによって、「ホルモン療法」「抗がん剤」「分子標的薬
(ハーセプチン)」の「どれか」もしくは「全て」を行います。
◎サブタイプとは?
組織検査(針生検や手術標本)などで以下の3点を調べます。
エストロゲンレセプターの発現(ER)
プロゲステロンレセプターの発現(PgR)
HER2蛋白の過剰発現の有無(HER2)
⇒これらの組み合わせで
●luminal type:(ER陽性、PgR陽性、HER2陰性) ホルモン療法が有効(更に増殖指数Ki67の値が低いAと高いBに分けます)
♯luminalA(Ki67低値)ではホルモン療法単独を、luminalB(Ki67高値)には(ホルモン療法に加え)化学療法も行う事が多い
● HER2 type:(HER2陽性のもの) ハーセプチンという分子標的薬と通常の抗癌剤の組み合わせを行う
●トリプルネガティブ:(ER陰性、PgR陰性、HER2陰性)通常の抗癌剤を行う
●トリプルポジティブ:(ER陽性、PgR陽性、HER2陽性)ホルモン療法と分子標的薬と抗癌剤の全てを行う
※正式名称はluminal B(HER2タイプ)と言います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
大変なお忙しさにも関わらず、先日はすぐにご回答いた
だき、ありがとうございました。大切な質問枠なので、
検査結果が出てからお礼申し上げることになっております。
さて、10月(下旬)日の検査の結果が11月(上旬)日、昨日説明され
ました。
・中間期乳がん(浸潤癌)
・ER-
・PgR±
・HER2 陽性(3+)
・ti-67 55.0%
ということでした。また、10月(下旬)日にエコーで測った腫瘍径は40mm強でしょうということでした。
医師からは、
①手術第一の希望の場合11月(下旬)日を何とかおさえた
②術前抗がん剤治療で温存手術
①の場合全摘か、部分切除
②の場合も温存に拘わらず、辛い抗がん剤治療にあた
り、抗がん剤で腫瘍が小さくなることを実感していれば治療に向けてのモチベーションを持ち続けられる、かもしれない。抗がん剤の効果を確かめてから、全摘しても良い。
という四つの選択肢が示されました。
来週、MRI、心エコー、骨シンチ、CTと検査します。
主治医は、「昨年11月(下旬)日のエコー画像を何度も見直しましたが、嚢胞も何も、今の腫瘍の場所には何も見つけられません。
大変残念ではありますが、前を向いて頑張っていきましょう。」
と、おっしゃっています。
私もそうするより仕方ないと頭では分かっていますが恐ろしくて腫瘍を今すぐにでも掻き出したい思いに手が震えます。
人気のブランド病院ですから、7年前妹が乳がん手術をした時も2ヶ月待ちでした。主治医の対応はありがたいものですが、急いでくださるのは深刻さの裏返しかと、恐怖はあふれてきます。
もちろん(下旬)日に手術を受けるつもりです。
質問です。
しこりは今年春に自己触診した時には分かりませんでした。9月に痛みから気付き、今もつれるような、しくしくするような痛みがあります。皮膚表面がへこんだり、乳首の形状が変わったりはしていません。しこり自体よく動きカチカチではなく、消しゴムのような感触です。
ごろごろしている感触です。なぜ、こんなに成長が早いのでしょうか。
先生の意見をお聞かせください。このしこりが今月中に動かなくなったらもっと酷いことになると辛い思いです。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「ブランド病院での診療」を選択する気持ちは私には理解ができません。
価値観は人それぞれだから、それはそれでいいでしょう。
ただ「11月(下旬)日の日程は幸い」だと思います。

回答

「なぜ、こんなに成長が早いのでしょうか」
⇒乳癌には「そんなに成長の早いもの」はありません。
 エコー検査には「技術による差」があります。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生
いつも早い回答を本当にありがとうございます。とても適切には言い表せません。
11月(上旬)日に正式に乳癌をこくちされて以降(上旬)日、(上旬)日と検査を受け(上旬)日には執刀医の診察もありました。
その時には、「リンパには行ってないと主増すよ。」と言われましたが、(上旬)日には放射線科医長による詳しいエコーがあり「リンパに転移を確認しました。」絶句していると、
「リンパに転移を確認しました。それと、大きい腫瘍の上にポン、ポン、ポンとあります。」
と言われました。呆然としていると検査室のドアの外にだされましたが、廊下のいすから暫く立ち上がれませんでした。
ただ、田澤先生のQ&Aでだいぶ勉強できたと思いますので、「全摘で、」と強く医師に言ってきてよかったと
思い至り、やっと病院を出てきました。
主治医もこの日の放射線科の医師も腫瘍径はそんなに大きくなってきてはいませんよ、と言うだけで、はっきり
と言ってくれません。私もとても恐ろしくて、それ以上聞けません。
ただ、手術は(中旬)日の金曜に繰り上がりました。
来週も(臨時)と書かれた検査票を持たされ、(上旬)日にMRI(中旬)日に心エコー(中旬)日に骨シンチ(中旬)日の入院する日にセンチネル、と書いてあります。
こんなことって、悪夢が醒めないようです。このまま遠隔転移とか、骨転移とかになるのでしょうか、先生はこんな症例を経験されたことはありますか。リンパに飛んでいるのにセンチネルって、何をするのでしょうか、検査のたびに奈落に突き落とされるようで、家に着くと泣いてばかりいます。こんなでは、すぐ死ぬのでしょうか。
訳がわかなない文章になっているかもしれません。リンパ廓清は何を注意すればよいでしょうか。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
『「受け(上旬)日には執刀医の診察もありました。その時には、「リンパには行ってないと主増すよ。」と言われましたが、(上旬)日には放射線科医長による詳しいエコーがあり
「リンパに転移を確認しました。」』
⇒執刀医が全ての検査をするべきです。
 放射線科医長のエコーなど不要です。(無駄な検査が多いようです)
 
「このまま遠隔転移とか、骨転移とかになるのでしょうか」
⇒遠隔転移も骨転移もありません。
 骨シンチなど無駄な検査です。
 
「(中旬)日の入院する日にセンチネル、と書いてあります」
⇒わざわざ「センチネルリンパ節生検を別の日にする」のですね。
 ブランド病院の診療は私には理解不能です。
 きっと「金銭的な利益」もありそうです。
 
「リンパに飛んでいるのにセンチネルって、何をするのでしょうか」
⇒「放射線科医長の超音波は不要な検査」でした。
 本来は「執刀医が責任を持って」行うべきです。
 「エコーでリンパ節転移の可能性がある」位で「最初から郭清」するのは間違いです。
 ○当然、「術中センチネルリンパ節生検」を行い、「迅速病理診断で確認」すべきなのです。 「画像で疑わしい」⇒「最初から郭清」⇒「結局転移無し」(無駄な郭
清=術後の浮腫などの無駄なリスクを負う可能性があります)
 
「先生はこんな症例を経験されたことはありますか」
⇒私には「何を言っているのか」意味が解りません。
 質問者は「何も特別」ではありません。
 単に、「無駄な診療をされて、不安にさせられている」だけです。
 ○正しい診療がされることを願っています。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

田澤先生
いつも迅速なご回答を、本当にありがとうございます。
こちらで、自分なりに勉強させて頂けたことで、なんとか頑張っていこうと前向きになってきました。
11月(中旬)日に左乳房全摘リンパ廓清手術を受けることができ、12月(上旬)日より抗がん剤AC療法が始まりました。
主治医より、AC4クール後、タキソールとハーセプチン、と続くとのことでした。
今回、伺いたいのはペルツズマブについてです。
Q&Aでも以前お尋ねの方々がいらっしゃいますが、この薬は自由診療であれば、ハーセプチンが始まるタイミングで、全てを自由診療にする覚悟をすればつかえるのでしょうか?
病理検査の最終結果がまだ出てはいないのですが、『リンパ節転移が現時点で6個、ダブルチェックは未だなので確定ではない』とのことで再発リスクは低くはないと思います。
また、GP2やE75といったワクチンは米国では結果を出しつつあるようですが、こういったものを輸入して使用するといったことは、素人の無謀な考えなのでしょうか?
治る確率が高いのであれば、それを強化できるものなら…
と考えます。再発したときに使える薬がへっても構わないと思います。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「ハーセプチンが始まるタイミングで、全てを自由診療にする覚悟をすればつかえるのでしょうか?」
⇒保険診療だけの問題ではありません。
 「自由診療で化学療法を行う」医療機関は限られてしまうと思います。
 
「GP2やE75といったワクチンは米国では結果を出しつつあるようですが、こういったものを輸入して使用するといったことは、素人の無謀な考えなのでしょうか?」
⇒私は全く賛成できません。
○抗HER2療法は「十分強力な治療」です。
 きちんと完遂することが重要に思います。
 
 
 

 

質問者様から 【質問5】

田澤先生
まずは、心より御礼を申し上げます。
田澤先生の的確な
アドバイス、Q&Aのおかげで、困難な状況にあるとはい
え、ここまで最短で来られたのではないだろうか。
と思えるようになりました。
ようやく最終病理診断が説明が受けられました。
腫瘍径 1.40×2.40×0.80(3.80×2.40×1.50含in site ca)
    papillotubular carcinoma
核グレード3 異型スコア3分裂スコア2(6/10hpf)
ホルモン受容体ER、PGRともに0
HER2score3 強陽性100% 中等度陽性0% 弱陽性0%
断端ー
娘結節ー
comedo+
石灰化++
リンパ節転移(8/17)SNB(3/3)Ⅰ(3/11)Ⅱ
(2/3)
小胞巣状に浸潤、flat comedo type の病変を伴う
ki-67は針生検の時だけという事でした。
となっていました。
11月(中旬)日の手術の後、12月(上旬)日と(下旬)日に、それぞれACを受け、抗HAR2療法が始まる予定ですが、かかって
いる病院でパージェタができるか交渉中です。
質問です
①術前検査でCT、MRIで認められていた娘結節が何故マイナスになってしまっているのでしょうか。
主治医にきくと「マイナスなのでありません」という答えです。
嚢胞か何かであったのでしょうか。
主病巣もかつては嚢胞として見落とされていたのだろうか、と素人考えをしてしまいます。
MRI所見では、圧排性腫瘤とそこから伸びる小腫瘤と書いてあります。
②リンパ節転移についてです。
リンパ節はレベルⅡまで廓清したのだと思いますが、レベルⅡが(2/3)
というのはレベルⅢまでリンパ節転移している確率が高いのでしょうか?再発リスクが、そうとう高くなるのではととても心配です。
adjuvantはupdate中で使えないようですが、田澤先生の
ご経験から大体の再発リスクを教えて頂けませんでしょ
うか?
2015年も過ぎていきます。
本当にお世話になりました。
感謝にたえません。
来る年の先生の何よりもご健康をお祈りいたしますとともに
こちらへいらっしゃる皆様のお幸せを願っております。
どうぞ来年もよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
Adjuvant onlineに関しては、一度閉鎖されていたのですが、割と早い時期にNewAdjuvant.comという形で復活していました。
私からは、特に告知していませんでしたが、(実際のQandAの場では、しばしば数字で示していましたので)このQandAを詳細に見ている方なら既に気づいていたと思います。
「①術前検査でCT、MRIで認められていた娘結節が何故マイナスになってしまっているのでしょうか。主治医にきくと「マイナスなのでありません」という答えです。」
⇒これは「画像診断での取り過ぎ」か「病理での見落とし」のどちらかでしかありません。
 特に「乳腺全切除」している場合には(温存の時とは違い)病理医も「乳腺内の詳細な拡がりなどには無関心になりやすい」事は背景にあります。
 担当医にとっても、病理医にとっても「あまり拘る必要が無い」部分となるのです。
「②リンパ節転移についてです。リンパ節はレベルⅡまで廓清したのだと思いますが、レベルⅡが(2/3)というのはレベルⅢまでリンパ節転移している確率が高いのでしょうか?再発リスクが、そうとう高くなるのではととても心配です。」
⇒そのように考える気持ちは解りますが…
 リンパ節は全身に連続しているので「どこまで取ればいい」という基準はありません。
 臨床的に「レベルⅢに転移が疑われない」場合には「レベルⅢ」は郭清しないことが多いのです。
 ○リンパ節郭清は予後に影響しないというのは事実であり、「適切な術後療法」を行えば(抗HER2療法+放射線照射)局所再発の心配はありません。
 
「adjuvantはupdate中で使えないようですが、田澤先生のご経験から大体の再発リスクを教えて頂けませんでしょうか?」
⇒以前そのような情報を出しましたが、割と早い時期に「NewAdjuvant.com」という形で復活していました。
 すでに「相当数、QandAの場」で数字を示しています。
 この特徴は「抗HER2療法の効果」をデータに取り入れている事です。
 ただ、「抗HER2療法の術後補助療法としての歴史」は非常に浅く、3年のデータし
かありません。
○質問者の場合

3年再発リスク 3年死亡リスク
抗HER2療法なし 47% 23%
抗HER2療法すると 23% 15%

 
 

 

質問者様から 【質問6】

田澤先生
乳がんプラザのページは、私のように乳癌告知、手術、治療中と少しずつ歩を進める身にとりまして、本当にありがたく数日ごとに訪問させて頂き勉強しております。
さて、この度はウイークリータキソールに依る肝障害について教えてください。
ACの後2月(下旬)日よりタキソールとパージェタ・ハーセプチンの投与を受けております。
3月(中旬)日に二度目の3剤投与をうけました。
その時に肝機能検査の数字が悪くなっているので、休薬等あるかもしれないと告げられました。
  12/24 1/14 2/25     3/17
LDH 149 160 210      226
AST 18 19 21      53
ALP 17 21 22      74
初回     二回目
          3剤投与   3剤投与(タキソール4回目)
ALBは、4.0と4.1、T-BILは0.3が続いています。
先生のQ&Aで抗がん剤による治療は、きっちり完遂することが目標と学びました。
今の私の状況は、完遂に黄色のシグナルがついてしまったのかと、大変ショックをうけております。
それで質問をさせてください。
①肝臓の薬(ウルソデオキシコール酸などあると調べました)を飲むといった対処は、いつ考えればよいのでしょうか?早い方がよいのでしょうか?
②自分でできる努力、食事でシジミをとか、運動は、などはありますか?
*一番お聞きしたいのは、田澤先生であったらどのような対処をされますでしょうか?ということです。
痛みや倦怠感は我慢できますが、肝臓等、自分ではどうすることもできません。
病と向き合うと自分でコントロールできないことが本当に多いです。
患者さんの病に全力で向き合っていらっしゃる田澤先生の姿勢を『乳がんプラザ』で感じることができ、本当に感謝しております。
 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。
術後補助療法として「pertuzumab」を用いている様ですが、「完全な適応外」です。
正しい診療が行われる事を願っています。
 
「その時に肝機能検査の数字が悪くなっているので、休薬等あるかもしれないと告げられました。」
⇒あまり「大した数値」ではありません。
 
「①肝臓の薬(ウルソデオキシコール酸などあると調べました)を飲むといった対処は、いつ考えればよいのでしょうか?早い方がよいのでしょうか?」
⇒殆ど無意味です。
 そのような事があるので「適応外診療は推奨されない」のです。
 ○肝機能障害が気になるのであれば、「通常の抗HER2療法」に戻すべきです。
 
「②自分でできる努力、食事でシジミをとか、運動は、などはありますか?」
⇒ありません。
 
「*一番お聞きしたいのは、田澤先生であったらどのような対処をされますでしょうか?ということです。」
⇒私はそもそも「適応外診療」はしません。
 ○仮定として…
 もしも、本当に「休薬が必要な値」となれば「中止」し「本来の抗HER2療法」とするでしょう。