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乳がんの温存手術13年後の石灰化について

[管理番号:6311]
性別:女性
年齢:48歳
(先月)3月に毎年同じ病院でやっているマンモグラフィとエコーの定期健診をしました。
そこで初めて2004年に乳がんで部分切除した方の胸に石灰化があると指摘されました。
先生の説明だと、3つ有る内の一つは(白)色が濃いので問題ないとの事で、あとの二つは色が薄いので
(真っ白ではなかったです)、普通なら検査をするんだけど・・・、と言われました(3つともサイズはわかりませんが、小さめだったと思います)。
その後の先生と私の会話なのですが。
・・・先生「今までも石灰化あったんでしょ?」・・・私「いや、初めて言われました。」・・・先生「手術してからもう何年経った?」・・・私「13~14年経ちました」・・・先生「じゃあ、大丈夫」と言われ、検査はせずに診察が終了しました。
その場では石灰化の事もよくわからず、半信半疑のまま先生の「大丈夫」という言葉を信じて帰ってきてしまいましたが、家で石灰化のことをネットで調べ、冷静に後から考えてみると、
「普通なら検査をするのに、一度乳がんになってリスクの高い私はなぜ検査をしないのか?」というモヤモヤと、「経過観察する」とも、「次にいつ頃来なさい」とも言われなかった事に不信感と不安で毎日考えてしまいます。
その時に、とても詳しくてわかりやすい説明と、調べていて私の知りたかったことが書いてあるこちらのサイトを知り、ご相談をさせて頂きました。
(約13年前)2004年にステージpT1b、10×10ミリ、リンパ節に転移なし、部分切除の手術をし、その後放射線治療、ホルモン療法で注射ソラデックス2年、薬ノルバデックス5年の計画でしたが、2008年に結婚し、出産を希望する事をその先生に相談したところ、すぐにやめていいとの事で、薬の方は約4年間だけ飲んで終わらせました。
また、今までも先生にちょっとした不信感がたびたびあるのと、その病院ではおそらくマンモトーム生検をやっていないという理由もあり、病院を変えて検査した方がよいのかとも考えております。
この状況を先生はどの様に思われるか教えて頂きたいです。
また、やはり早い時期にマンモトーム生検を受けた方が良いのでしょうか?
その場合、こちらの病院でお願いできますでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「この状況を先生はどの様に思われるか」
⇒「温存乳房内(術後14年)の石灰化」を考えるポイントは
 1.乳房内再発に伴う石灰化はほぼ否定される(今回の医師の「じゃあ、大丈夫」というコメントはここからきています)
 2.温存術後の石灰化で一番多いのは「異栄養性石灰化(術後の修復過程で起こる癌とは無関係な石灰化)」である。
 3.今回の「3つの石灰化」は、癌を疑う「集簇性(複数の石灰化が高密度に集まる)石灰化」とは厳密には言えない(実際の画像を見てはいませんが)
 ★上記より、(完全に癌を否定することはできませんが)「癌を強く疑う状況では無い」ことはご理解いただけましたか?
「やはり早い時期にマンモトーム生検を受けた方が良いのでしょうか?」
⇒緊急性は全くありません。
「その場合、こちらの病院でお願いできますでしょうか?」
⇒私が診療する場合
 まず、上記「異栄養性石灰化と判断していいか?」を判断します。
 ①異栄養性石灰化と断定⇒経過観察不要
 ②異栄養性石灰化とほぼ断定(断定しきれない)⇒1年後経過観察
 ③異栄養性石灰化なのか、癌に伴う石灰化(その場合には今後増加してくる)なのか判断できない⇒経過観察(6M後マンモ)もしくは(ご本人希望なら)ST-MMT
 ④積極的に「癌に伴う石灰化」を疑う場合(今回は違うようですが)⇒ST-MMTを推奨
★もしご希望なら秘書メールしてみてください。
 質問者がどうしても心配ならば、上記①~②だとしても(安心のために)ST-MMTをすることも可能です。(その場合には日程的に優先度は落ちますが)

秘書室へメールは、
各ページの右上にある 「秘書室へメール」からご相談ください。
もしくは、こちらのリンクをクリックしてください。

 
 
 
 

 

質問者様から 【質問2 再質問です】

性別:女性
年齢:48歳
管理番号6311 再質問になります。
田澤先生、とても丁寧にわかりやすくお答え頂き、ありがとうございました。
まだ不安は全て解消された訳ではないですが、以前よりもだいぶ冷静になれて一旦気持ちが落ち着きました。
先生の説明を読みまして、私としましてはやはり1年あけるのは不安なので、6ヶ月経過観察をしてマンモ検査を受けたいと考えています。
そこで質問なのですが、①9月に検査を受けたい場合、秘書室メールへは遅くてもどれくら前までに問い合わせをすれば大丈夫そうでしょうか?②前回検査した病院の資料(マンモグラフィの画像)がなくても診断するにあたり、大丈夫かどうか。
③マンモグラフィ検査をして頂いて、田澤先生に診断して頂き、ST-MMTを希望する場合にはその場でやってもらえるのかどうか。
(家から少し遠い為、希望した場合、やって頂けるととても助かります)④別の質問になるのですが、前回の質問でホルモン療法で薬の服用を5年の計画を出産の為、4年で終了させてしまったのですが、出産後に再開させた方が良かったのかどうか。
あれから約10年弱 経った今、再開すべきかどうか。
この状況で田澤先生はどの様にお考えかお聞きしたいです。
(その場合、単純に残りの1年分の薬を飲めばいいだけなのか?ちなみに今後出産予定はないです。)お忙しいところ、大変申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。
(すみません、田澤先生に是非診て頂きたいのですが、家から片道2時間はかかり、少し遠いので家族とも相談中ですので、決定してから秘書メールをと思っています。
最後に確認なのですが、検査をお願いする場合、田澤先生に見て頂きたいのですが、それは大丈夫でしょうか。)
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「石灰化の経過観察」とは…
前回と比較しないと無意味です。(増加しているのか?が大事だからです。)
「①9月に検査を受けたい場合、秘書室メールへは遅くてもどれくら前までに問い合わせをすれば大丈夫そうでしょうか?」
⇒受診自体は(秘書メールすれば)1カ月以内には取れるとは思いますが、「診察同日にST-MMT」となると、ST-MMTは厳密な枠となっているので「3カ月」は必要です。
「②前回検査した病院の資料(マンモグラフィの画像)がなくても診断するにあたり、大丈夫かどうか。」
⇒(前医でのマンモと比較できなければ)「経過観察」にはなりません。
 ただ、「その時点で、ST-MMTに値する石灰化なのか?」ピンポイントの判断で良ければ、可能です。(ただ、石灰化の判断は「比較できれば比較できるほど良い」ことは認識してください)
「③マンモグラフィ検査をして頂いて、田澤先生に診断して頂き、ST-MMTを希望する場合にはその場でやってもらえるのかどうか。」
⇒その様にする方も、実際に大勢います。(その場合には、予め「午前受診」⇒(その日の)「夕方のST-MMT」の両方の予約をしておきます)
「出産後に再開させた方が良かったのかどうか。」
⇒今更、悩むことではありません。(結果、オーライとも言えます)
「あれから約10年弱 経った今、再開すべきかどうか。」「田澤先生はどの様にお考えか」
⇒それは絶対に「不要」
「最後に確認なのですが、検査をお願いする場合、田澤先生に見て頂きたいのですが、それは大丈夫でしょうか。」
⇒勿論です。
 当院では「手術もST-MMTも100%私しかしていない」のです。)