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乳がん疑い 外科生検

[管理番号:5113]
性別:女性
年齢:40歳
田澤先生、はじめまして。
先月の乳がん検診で乳がんの疑いになり色々検索をする中、
こちらの乳がんプラザに辿り着きました。
他のブログやサイトでは不安になるばかりで
落ち込みも激しかったのですが乳がんプラザだけは読めば読むほど心が救われる気持ちです。
私も田澤先生に教えていただきたい事があり、よろしくお願いいたします。
まず長くなるのですが経緯を書きます。
6月中旬、エコーとマンモグラフィの結果、浸潤性乳がんで針生検(麻酔をして4〜
5か所に打ました)
針生検の結果が出る前に、浸潤性がんだと告知され涙。
エコーで腫瘍の大きさ16.7
mm×8.6mm。
 ステージは今の時点で1、
もしくは広がりがあれば2A。
6月下旬、PET-CT検査結果
左乳房A領域に1cm大の境界不明瞭な結節を認め、淡い集積あり(SUVmax=2.48) 。
乳がん疑い。
明らかな皮膚や胸壁への進展なし。
腋窩・鎖骨下などに明らかなリンパ節転移なし。
肺・肝臓・副腎・骨などに転移疑う異
常集積なし。
脳や咽頭、喉頭、心臓や縦隔、肝臓や脾臓、消化管、腎臓や尿路、膀胱に生理的な集積が見られます。
6月下旬 針生検の結果は3段階に分かれて届きました。
まず、6月○○日 left mammary gland,core needle biopsy : Invasive ductal
carcrinoma
検体は5片あります。
5片何れにも、クロマチンが増量し軽度腫大した核を有する異型細胞が、大小の胞巣

形成しながら浸潤性に増生しています。
Invasive ductal carcinoma , solid-tubular carcinoma >=scirrnous carcinoma
の像
です。
5片のうち2片はnon-invasive ductal
carcinoma が主体でるかもしれません。
Histological grade 2 (3+2+1)
●上記の結果から先生からは浸潤性乳管癌、充実腺管癌でした。
詳しい治療法はこの後
に出る結果で決めていきましょう。
そこでTNやHer2+などがわかるのでと言われました。
次に6月○○日 (訂正報告)として Left mammary gland , core needle biopsy
:
Duct proliferative lesion
免疫組織化学染色で、腫瘍胞巣は周囲をp63陽性の筋上皮細胞に覆われており、
cytokeratin 5/6 ,cytokeratin 14 にびまん性に
陽性を示しました。
少なくとも、invasive ductal carcinoma は否定的で、寧ろ、
sclerosing adenosis や fibroadenoma などの良性病変を
疑う必要があります。
画像所見とdiscrepancyがアルyうでしたら、tumorectomy による検索もご考慮下さい。
腫瘍胞巣間にamyloid蛋白の可能性が否定出来ないeosinに好染する不定形物質の沈着が認められたので、特染で確認します。
最終診断は今しばらくおまちください。
最後に6月○○日 (最終報告)として Left mammary gland , core needle
biopsy :
Duct proliferative lesion
乳管上皮の増生からなる胞巣間にみられた eosin に好染する不定形物質は、congo
red
染色で橙赤色を呈し、
amyloid 蛋白の沈着として矛盾しません。
過マンガン酸処理に抵抗性か感受性か評価が
難しく、AA型か非AA型か特定できませんでした。
乳管上皮の増殖性病変との関連は不明です。
●この時点で先生からは、癌なのか何なのか不明だから外科生剣で日帰り手術で取り出して検査してみましょう。
とだけ言われました。
7月〇日 MRI 検査結果が出ました。
左乳房A領域に乳がん疑い cT1NO 乳頭直下まで乳管内進展疑い。
両側乳房ダイナミックMRI
乳腺密度レベル4
背景乳腺増強効果レベル4
左乳房のAB境界領域に18x11mm大の腫瘍を認める。
楕円形で辺縁は不整。
T1、T2強調画像では等信号を示す。
拡散強調画像では高信号を示し、ADC map では拡散制限を認める。
ADC値は9.29
ダイナミックMRIでは早期相から後期相でやや不均一な増強効果を示す。
TIC解析では第一乳癌で硬癌が考えやすいように思われる。
BI-RADSカテゴリー4C
腫瘍と乳頭との距離は約21mm。
腫瘤の足側に31×19mm大の範囲でnon-mass enhancement が広がっている。
乳管内
進展が疑われる。
乳腺実質の増強効果もあって
判断が難しいが、全体では31×18mm大の範囲で広がっているように見える。
腫瘍先進部と乳頭との距離は約16mm。
右乳房に乳がんを疑う所見は指摘できない。
両側の腋窩には明らかな腫大リンパ節を指摘できない。
●こちらのMRIの結果が出て、先生からは針生検では取れていないところに癌がある可能性が高いので、入院して全身麻酔で手術しましょう。
 部分切除で、乳房は少し小さくなります。
乳首は残せます。
 癌が見つかれば放射線治療となります。
と言われました。
日帰り手術で済むと思っていたら、5日間の入院手術となり、しかも癌が広がっている
可能性もゼロではないとの言葉に不安で押しつぶされそうです。
癌が広がっている場合は、一度手術を中断して、全摘にするかどうか再度相談します。
とのことでした。
手術日は8月〇日予定です。
田澤先生でしたら、上記の所見をご覧になって、どのようなご判断になりますでしょうか。
やはり入院手術して、摘出するのが最善なのでしょうか。
担当の先生にマンモトームで
はダメか聞きましたら、マンモトームではペン先の一部しか取れないので
もし、癌の部分を外してしまったらだめだから摘出で。
と言われました。
この腫瘍は一体何なのでしょうか。。。
最初のエコーでは16.7mm×8.6mmで
したのに、最近撮ったMRIでは
18mm×11mmと短期間で大きくなっていて、しかも広がっていっているようで、
不安で不安で仕方ありません。
田澤先生のご意見と主治医の意見が違っていた場合、田澤先生に診察、セカンドオピニ
オン、手術等をお願い可能でしょうか?もし可能でしたら、私の所見は急ぐ必要はありますか?
頭が混乱していて、まとまりのない文章ですみません。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
メール内容を読みました。
物事はシンプルに考えましょう。
○まず
可能性として、超音波の時点で主治医は「癌を確信している」わけですが、(癌と画
像が良く似た良性病変である「sclerosing adenosis」の可能性はあります。
 ただし、いったんは癌を強く疑っている以上診断は確定しなくてはなりません。
○次に
MRIで見えるのは付随所見に過ぎません。
腫瘍の本質はエコーで見える腫瘍です。(MRIの所見は手術となった場合の切除範
囲の参考程度にすべきです)
「はっきりとした腫瘤」である以上、マンモトーム生検で診断は確定します。(16mm
の腫瘤正病変をバネ式針生検で外すとは、通常考えにくいですが)
「田澤先生でしたら、上記の所見をご覧になって、どのようなご判断」
⇒PETを撮影している理由が解りませんが(全く不要です)
 どの検査にも超音波で見える「18mmのシコリ」がきちんと写っています。
 (MRIで乳管内進展を疑う所見があるにしろ)「本体は18mmのシコリ」なのです。
 ★18mmのシコリを針(マンモトームも含む)で診断できないようでは診療になりません。
「マンモトームではペン先の一部しか取れない」
⇒そもそも、この時点で誤った認識と言えます。
 マンモトームなら(その気になれば)腫瘍の1/3位は削って診断できます。
「癌の部分を外してしまったらだめだから摘出」
⇒「18mmのシコリを外すかも?」と考える時点で…
「この腫瘍は一体何なのでしょうか。」
⇒画像上は癌の可能性は最後まで考えなくてはなりません。
 (最終的にsclerosing adenosisのような病変かもしれませんが…)
「最初のエコーでは16.7mm×8.6mm」「最近撮ったMRIでは18mm×11mmと短期間で大きくなって」
⇒これは測定誤差(画像機器による誤差)です。
「田澤先生のご意見と主治医の意見が違っていた場合、田澤先生に診察、セカンドオピニオン、手術等をお願い可能でしょうか?」
⇒可能です。
 やはり、「18mmの腫瘤」であれば、きちんとマンモトームで診断すべきでしょう。
 ご希望の場合には「秘書メール」を

秘書室へメールは、
各ページの右上にある 「秘書室へメール」からご相談ください。
もしくは、こちらのリンクをクリックしてください。

 
 
「もし可能でしたら、私の所見は急ぐ必要はありますか?」
⇒急を要するわけでは無いですが…
 癌を疑っている以上、1カ月以内の診断がいいと思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

乳腺症型線維腺腫 今後の検診について教えてください
性別:女性
年齢:40歳
こんにちは。
夏に田澤先生にマンモトームをしていただき、100%乳腺症線維腺腫です。
と確定診断していただきました。
その節は本当にありがとうございました。
田澤先生のマンモトームは全く痛くなく、
その後内出血もしなかったので、前の主治医の針生検では内出血が酷かったので、お医者さんの腕によってこうも違うのかと驚きました。
関西からでしたが、田澤先生にQ&Aでご回答いただき、実際に診ていただけた事で、どれだけ救われたことか、、心から感謝しています。
診断の結果はこちらのQ&Aで田澤先生がご回答を下さった通りになりました。
大袈裟ではなく人生を救っていただきました。
結果が出てから月日がたち、ようやく落ち着き、いくつか教えていただきたいのですが、私のような乳腺症型線維腺腫は、あまりネットにも情報がないのですが、今後はどのような経過になりますか?
何年かすれば小さくなっていくのでしょうか?
検診でも田澤先生に診ていただく事は可能
なのでしょうか?検診は一年に一度でしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
100%の確定診断がいかに重要なことか。
患者さんが「いかにそれを望んでいるのか」
質問者のメールから、それが伝わります。
「私のような乳腺症型線維腺腫は、あまりネットにも情報がない」
⇒線維腺腫を分類することに意義があるのか?という議論がありますが。
 (組織診断の無かった)細胞診の時代には「乳がんと鑑別が(画像上も、細胞診上も)難しいタイプ」として「乳腺症型線維腺腫」は認識されていました。
 ただ、現在のように「組織診(特にマンモトームのような大量の組織で判断できるもの)」による診断が一般化してくると、「鑑別は容易」なので問題にされることは無くなりました。
 エコー像で「周辺がクリアーではない(上皮成分が乳腺症のように多彩な増殖を示すので)」ので画像診断では「組織診で確定すべき」ものと考えてください。
「今後はどのような経過になりますか?何年かすれば小さくなっていくのでしょうか?」
⇒その通りです。
 「線維腺腫」は(乳腺症型にかかわらず)「エストロゲンの影響を受けている」ので、閉経後には縮小してきます。
 ♯縮小する過程(陳旧性線維腺腫といいます)で、歪になり、再度「癌?」と鑑別が必要となることはありますが、それはあくまでも画像上「そのように見える」というだけで、癌には決してなりません。
 ご安心を。
「検診でも田澤先生に診ていただく事は可能なのでしょうか?検診は一年に一度でしょうか?」
⇒線維腺腫自体は癌には決してならない(100%確定診断とは、そういうことです)ですが、一般的な検診として「1年に1回」がいいでしょう。
 市川に電話予約が可能です。
・「メディカルプラザ市川駅