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乳がんなのでしょうか?

[管理番号:5084]
性別:女性
年齢:28歳
こんにちは。
初めて質問させていただきます。
今年の5月上旬まで授乳しており、6月末に乳腺外科にて初めて乳がん検診を受けました。
触診、エコーでは異常なし。
マンモで両胸に石灰化あり。
右は散在しているが、左は放
射状にあるのが気になると言われ造影剤MRIをしました。
結果は左にしこりが3つ(1つは良性だろう、2つは良悪不明)、右に1つ(悪性の可能性)があると言われました。
マンモでの石灰化と別ものなのかよくわかりません。
しこりの大きさも聞き忘れました。
次は造影剤エコーをして、そこでしこりの場所が分かれば針生検をすることになりました。
今の病院にはステレオガイド下のマンモトーム生検(ST-MMT)の設備はありません。
そこで先生に質問です。
次の検査は造影剤エコーでいいのでしょうか?
造影剤を使えばエコーでもしこりが見えますか?しこりが見えなかったら、次はST-MMTを受けるのでしょうか?
造影剤エコーを受ける前にST-MMTのある病院へ転院したほうがいいのでしょうか?
もし転院するとしたら、大学病院と乳腺専門のクリニックとどちらがよいのでしょうか?
また、マンモでの石灰化だけを指摘されたのに、MRIで新たにしこりが見つかりそれが悪性ということはあるのでしょうか?
私は乳がんなのでしょうか?
若いと進行が早いというイメージがあり心配です。
先日のエコーではしこりが見逃されていたということでしょうか?
また、ST-MMTでは、マンモでは見えなかったしこり(年齢のせい?)や、放射状に広がった石灰化をすべて生検できるのでしょうか?
そもそも断乳から2か月しかたってないことが影響しているのでしょうか?
授乳中はよく乳腺が詰まったりしこりができたりしていたのですが、MRIの結果で言われた場所を触ってみると確かにしこりがあるようです。
大変長文になってしまい、また質問ばかりですみません。
どうぞよろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「左は放射状にあるのが気になると言われ造影剤MRIをしました。」
⇒全く無駄な検査です。
 石灰化の精査でMRIを用いることは「MRI的免罪符」を与えるだけで「百害あって一利なし」です。(その時点で、私はその施設を信用しません)
 ST-MMTが無い施設のようなので「苦肉の策」のつもりなのでしょうが、全く誤った考え方です。
「次の検査は造影剤エコーでいいのでしょうか?」「造影剤を使えばエコーでもしこりが見えますか?」
⇒それは解りませんが…
 石灰化を検査するという本質からは全く外れています。
「しこりが見えなかったら、次はST-MMTを受けるのでしょうか?」
⇒きっと「MRIで見えたシコリは造影エコーで確認できないから、経過観察」とするつもりなのでしょう。
「造影剤エコーを受ける前にST-MMTのある病院へ転院したほうがいいのでしょうか?」
⇒そうすべきです。
「もし転院するとしたら、大学病院と乳腺専門のクリニックとどちらがよいのでしょうか?」
⇒乳腺専門のクリニックです。
「また、マンモでの石灰化だけを指摘されたのに、MRIで新たにしこりが見つかりそれが悪性ということはあるのでしょうか?」
⇒MRIは無意味です。
「私は乳がんなのでしょうか?」
⇒石灰化の状況がわからないので不明です。

「若いと進行が早いというイメージがあり心配」

⇒そのイメージは誤りです。
「先日のエコーではしこりが見逃されていたということでしょうか?」
⇒「エコーで見えない」という時点で「MRIや造影剤エコーなど全く無駄な検査」だということです。
 
 ○石灰化が気になり要精査となったのだから「潔く、シンプルに」其の石灰化を精査=ST-MMTすればいいのです。
 物事を複雑にすることは「問題解決からどんどん離れていくこと」なのです。
「また、ST-MMTでは、マンモでは見えなかったしこり(年齢のせい?)や、放射状に広がった石灰化をすべて生検できるのでしょうか?」
⇒そもそもST-MMTは「石灰化を全て採取する検査」ではありません。(その必要もありません)
 どうしても「全て取りたい」のであれば、「外科的生検」しかありません。
「そもそも断乳から2か月しかたってないことが影響しているのでしょうか?」
⇒ここが重要なところです。(私もここに注目しました)
 私はST-MMTを沢山行っているので何度も経験していますが…
 授乳後で、石灰化が「区域性(これを放射状と表現しているのだと想像していますが)」に急に出現することがあります。(当然、その乳管系が詰まってその母乳のカルシウムがその区域に起こるからです)
 ○石灰化の「一つ一つの形は良性っぽい」のに、きれいに「区域性に配列」しているケース(断乳後)
  ST-MMTしてみると、やはり「授乳に伴う分泌型石灰化だった」ケースが殆どでした。
  ♯またST-MMTしないで経過を見る選択をすると、1年後にはきれいに無くなっている事もしばしば経験します
 ○ST-MMTの無い施設では、その辺りの経験が全くないので、判断ができないのだと思いますがST-MMTを実際に行っている施設であれば「これは授乳の影響?」と判断できる可能性もありそうです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、ご回答ありがとうございます。
最初に病院に行ってから、精神的にもつらい日々を過ごしていましたので、先生からご回答をいただいて、少し落ち着くことができました。
造影エコーの日が、病院から電話があり急に早まったので、先日受けてきました。
その日に針生検までするのかと思いましたが、それは後日となりました。
先日MRIで見つかったしこりの分布が間違っており、正しくは、左2つ(良悪不明)、右
2つ(MRIにて悪性疑いとたぶん良性)でした。
まず、エコーでMRIの画像を参考にしながら注意深く見ていき、わかりやすいしこりでは
ないが、だいたいこの辺りなのだろうなという検討をつけ、そのあと、造影剤を入れてどのような反応をするか、それぞれ調べました。
結果は、左2つ(良悪不明のまま)、右については、MRIと反対の結果となりました。
(MRIで悪性と思っていたものが良性で、良性と思っていたものが悪性の反応)
また、エコーで見てもはっきり悪性といえるものではなくわかりにくいものだから慎重
に検査しないといけないとも言われました。
この時点で、さらに混乱してきて、わけが分からなくなってきました。
そして次回、エコーでのマンモトーム生検をすることになりましたが、ST-MMTのある他
の病院に行こうか考えていると伝えたところ、次の病院を受診してみてST-MMTがいつ受
けられるかなど聞いてから、こちらで生検するか決めていいと言われました。
明日、ST-MMTのある病院(乳腺専門クリニック)の予約がとれたので、紹介状を持って、診察に行く予定です。
明日すぐにはST-MMTはできないこと、また結果が出るまで2週間かかると言われました。
1つめの病院での、マンモトーム生検は明後日の予定で、結果は1週間ほどでわかるそうですが、もうこの病院へは行かずに、多少時間はかかっても、乳腺専門クリニックで生検をすべきでしょうか?
前回のご回答にありました、石灰化は全て採取しなくてもよいとはどういうことでしょうか?
先生のおっしゃったように、石灰化をすぐST-MMTで調べて、異常なしとなった場合、
今回MRIで見つかった4つのしこりは調べない(気づかない)ことになると思いますが、つ
まり悪性ではないということなのでしょうか?
次の病院へ行って、ST-MMTで異常なしとなっても、4つのしこりについては1度がんの
疑いをかけられたのだから、やはりエコーなどでマンモトーム生検をすべきなのでしょうか?
また、外科的生検についても詳しく教えていただけたら助かります。
ST-MMTやマンモトーム生検をして、良性となっても、最終的には外科的生検をして良性
となるまで安心できないということなのでしょうか?
今回のように、はっきりとしたしこりではなくエコーで見逃すようなモヤーっとした影のようなものががんということもあるのでしょうか?
良性のものであっても、造影MRIや造影エコーで悪性の反応を示すものはあるのでしょう
か?
また、造影MRIや造影エコーは無駄な検査とおっしゃっていただきましたが、その結果も
気にしなくてよいということでしょうか?
最近、指摘されたしこりが固くなってきたような気がするのですが、しこりの固さが変わったりするのでしょうか?
私の母も10年前に乳がんを患っていますので、自分も乳がんなのではと心配です。
また、私は痩せ気味ですので、もしがんだったら骨などにも転移していないかなど考えて不安です。
ですが、授乳の影響もあるのではという先生の心強いお言葉がありましたので、そうであることを願って、次の検査を受けようと思います。
今回も長文となってしまいましたが、どうぞよろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
その「回りくどい診断方法」は、(過去に)○研に通院していた患者さんに打ち明けられる内容に近い印象です。
物事はシンプルに考えるべきであり、MRIを診断目的で用いることが元凶にあります。
「多少時間はかかっても、乳腺専門クリニックで生検をすべきでしょうか?」
⇒その通りです。
 ST−MMTすればいいのです。
「前回のご回答にありました、石灰化は全て採取しなくてもよいとはどういうことでしょうか?」
⇒まさか、全て取らなくては診断にならないと思っていたのですか??
 まとまって存在する石灰化は「同じ原因」なので、その内の1つでも十分なのです。
「今回MRIで見つかった4つのしこりは調べない(気づかない)ことになると思いますが、つまり悪性ではないということなのでしょうか?」
⇒MRIではなく
 超音波で「気になるシコリ」がないのであれば不要です。
「次の病院へ行って、ST-MMTで異常なしとなっても、4つのしこりについては1度がんの疑いをかけられたのだから、やはりエコーなどでマンモトーム生検をすべきなのでしょうか?」
⇒(MRIとは無関係に)エコーで怪しいのであれば(石灰化とは別に)精査すべきです。
「ST-MMTやマンモトーム生検をして、良性となっても、最終的には外科的生検をして良性となるまで安心できないということなのでしょうか?」
⇒完全な勘違いをしています。
 それではST−MMTの意味が全くありません。
 石灰化は複数あるうちの1つでも診断できるのです。
 ★前回の回答は(石灰化は全部採取する必要はありませんが)「もしも、どうしても気になるから石灰化を全部取りたいと思うのであれば、外科的生検しかない」という意味です。(勘違いされないように願います)
「今回のように、はっきりとしたしこりではなくエコーで見逃すようなモヤーっとした影のようなものががんということもあるのでしょうか?」
⇒もしも本当に所見があるのであれば、「エコーで見える」のです。
 その医師が「エコーで見逃す所見」(が、どの程度なのか私には想像できないので)についてコメントはできません。
「良性のものであっても、造影MRIや造影エコーで悪性の反応を示すものはあるのでしょうか?」
⇒あります。
「また、造影MRIや造影エコーは無駄な検査とおっしゃっていただきましたが、その結果も気にしなくてよいということでしょうか?」
⇒その通りです。
 そんな検査を診断目的で用いるのではなく、「きちんとしたエコーを自分で磨き」必要ならば組織検査をすることです。
「私は痩せ気味ですので、もしがんだったら骨などにも転移していないかなど考えて不安」
⇒全く無関係
 転移を想像する事自体、全くナンセンスです。(転移があるような癌は、一目で診
断できます。)