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乳がんについて

[管理番号:5045]
性別:女性
年齢:47歳

右乳がん アポクリン
トリプルネガティブ
ステージⅠです
浸潤径 7㎜
腫瘍周囲血管浸襲 -
腫瘍周囲リンパ管浸襲 -
核異型度 1
エストロゲン -
プロゲステロン -
HER2 +2 FISH法 陰性

術後の治療法を教えてください

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

pT1b(7mm), pN0
超早期癌、再発低リスクです。

ただ、治療は(リスクとは無関係に)サブタイプと連動します。
通常なら化学療法(アンスラサイクリン+タキサン)ですが…
○焦点は「浸潤径7mm」ですね。
 NCCNでは「化学療法を考慮する(必須ではない)」となっています。
 
 私が主治医なら
 60歳以上なら、「勧めない」
 それ以下なら「患者さんの意思に任せる」ようにします。(仮に化学療法するとしても アンスラ+タキサンではなくTC4回ですね)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

乳がんについて
 
5045
 
田澤先生お返事ありがとうございました
 
○焦点は「浸潤径7mm」ですね。
とありますが詳しく教えてください。
年齢の事も教えてください。
60歳未満だと再発率が上がるということですか?
 
主治医からはアポクリン癌のデータは無く乳管癌のデータで
5年後生存率??95.1
10年後生存率??91.7
抗がん剤をすると??1.3??1.8上のせと言われました
田澤先生はどう思いますか?
アポクリン癌だとどう思いますか?
やるやらないはこの数値を見て考えてくださいと
言われました
かなり迷っています
抗がん剤?怖い病になってしまいました
ズバリ先生の意見をお願い致します。
 

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
 
「○焦点は「浸潤径7mm」ですね。とありますが詳しく教えてください。」
⇒まず、皆さんが(「小さいから早期」という本来備わっている感覚をないがしろにして)「余計なネットの情報に毒されている」ことを悲しく思います。
 トリプルネガティブとかは無関係
 あくまでも「7mmの早期癌は予後良好」、質問者の(本来もっている)「感覚を大事に」してください。
 ★そもそも(無治療でも)予後良好なのだから、「抗癌剤をすべきか?」当然だとは思いませんか??
 
「60歳未満だと再発率が上がるということですか??」
⇒術後療法を考える際(特に化学療法をすべきか?)には年齢は重要な要素です。
 私には「若年者だから抗癌剤すべき」などという考えは全くありませんが…
 ○年齢が高いと「期待される平均余命」や「身体機能としての認容性」などが若い方達とは異なることは考慮されるべきものです。
 
「アポクリン癌だとどう思いますか?」
⇒核グレード1である「典型的な大人しいアポクリン癌」です。
 たしかに(担当医のいうように)「乳管癌と同一に治療法を考えるべき」となっています。
 ただ、アポクリン癌がトリプルネガティブとなり易い事は周知の事実であり、(トリプルネガティブとはいえ)敢えて(7mmという浸潤径に加えて)「抗癌剤を積極的には勧めない」根拠の1つとは十分になります。