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0期乳がんと手術について

[管理番号:5221]
性別:女性
年齢:48歳
初めまして。
48歳(子供あり)です。
乳房の外下側にしこりがあり、15年ほど前より半年ごとの検査を行ってきました。
当初は線維腺腫と診断され、経過観察でした。
(乳腺専門医に5年ほど見てもらい、症状に変化なしとのことでその後地元のクリニックへ紹介)
昨年の秋のマンモグラフィーおよびエコー検査では問題がなかったのですが、
その3か月くらい後に、乳房・肩・腕・肩甲骨・首などに違和感や痛みがあり、病院に行ったところ、
エコー検査で不明瞭なものがわかり、マンモトーム生検を行いました。
結果はグレー。
大きな病院の紹介を受け、
再度マンモトーム生検をしましたが、再度グレー。
造影剤MRIを行い、ガンと思われるとのこと。
そこで、病院を変更し、再々度マンモトーム生検をしたところ、
通常の検査ではグレーで、追加の免疫染色にて0期ガンであるとの診断を受けました。
しこりは2cm程度。
ER:+ PgR:+
質問です。
①追加の免疫染色でわかったということ=
初期である とのことなのでしょうか?
 手術後に、ガンでなかったや、0期でなく進んでいる可能性はあるのでしょうか?
②部分摘出手術でよいだろうとことですが、放射線療法は必須なのですよね?
 ホルモン治療は必須なのでしょうか?
 あくまで手術後の結果しだいだと思うのですが、
 ・鬱になったことがある。
 ・もともと吐きやすい。
(乗り物酔い、頭痛から吐き気あり)
 ・仕事は続ける。
 などから、ホルモン治療については避けたい思いもあります。
 避けることは可能なのでしょうか?→再発率はかなり異なるのでしょうか?
③全摘手術とした場合、ホルモン治療についての必要性はあるのでしょうか?
④入院日数の目安は?
 ・部分摘出手術の場合
 ・全摘手術の場合
 ・全摘・同時再建(人工物)した場合
⑤相変わらず乳房・肩・肩甲骨、鎖骨などにチクチクしたような痛みがありますが
 大丈夫でしょうか?年齢的なホルモンによるものでしょうか?
お忙しい中、申し訳ありません。
ご教示いただけますようお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「乳房・肩・腕・肩 甲骨・首などに違和感や痛み」
⇒これは「典型的な」女性ホルモンによる刺激症状です。
 年齢的にいっても、症状でいっても100%間違いありません。(そんな病気はな
いので御心配なく)
 是非『「生理と関係なく、胸や脇が痛い」方は、QandA「左胸と背中の痛み」をまずはご一読ください。』をご一読ください。
 質問者の症状と「瓜二つ」だと思いませんか??
「そこで、病院を変更し、再々度マンモトーム生検をしたところ、通常の検査ではグレーで、追加の免疫染色にて0期ガンであるとの診断」
⇒転院して本当に良かったですね。
 マンモトームで診断がつかずに「MRIを診断目的で行う」ような病院では、「永遠に」診断には至らなかった筈です。
「①追加の免疫染色でわかったということ=初期である とのことなのでしょうか?」
⇒それは1000%間違いありません。
 その「MRI病院」も「さすがに、進行した乳癌を診断できない筈はない」と思いますよね?
「 手術後に、ガンでなかったや、0期でなく進んでいる可能性はあるのでしょうか?」
⇒どちらもありません。
「②部分摘出手術でよいだろうとことですが、放射線療法は必須なのですよね?」
⇒原則としては…
 ただし、「極めて低悪性度で狭い範囲」ならば、「省略の検討(相談)は可能」と思います。
「ホルモン治療は必須なのでしょうか?」
⇒不要です。
 非浸潤癌は、あくまでも「局所の癌(乳管内に留まっている)」であり、ホルモン療法を行った場合に「効果と副作用のバランスが著しく悪い」のです。
「避けることは可能なのでしょうか?」
⇒上記コメント通り不要です。
「③全摘手術とした場合、ホルモン治療についての必要性はあるのでしょうか?」
⇒全摘では根治です。
 ♯そもそも部分切除でもホルモン療法は不要です。
「④入院日数の目安は? 」
⇒当院での日数は(参考にならないかもしれませんが…)
 ・部分摘出手術の場合⇒2泊3日(前日入院翌日退院)
 ・全摘手術の場合⇒3泊4日(前日入院、翌々日退院 ただし質問者の場合にはセンチネルリンパ節生検を省略すべきなので、それであれば2泊3日となります)
 ・全摘・同時再建(人工物)した場合⇒6泊7日
「⑤相変わらず乳房・肩・肩甲骨、鎖骨などにチクチクしたような痛みがありますが
 大丈夫でしょうか?年齢的なホルモンによるものでしょうか?」

⇒1000%間違いありません。
 そんな病気は、(そもそも)存在しません。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

0期乳がんと手術について
性別:女性
年齢:48歳
先日はご回答ありがとうございました。
再度ご教示ください。
追加の免疫染色でわかったということ=初期であることは確実なのですね。
安心しました。
前回のご回答に
「質問者の場合にはセンチネルリンパ節生検を省略すべき」とありました。
しかしながら、0期・非浸潤がんでも、
MRI等により広がりを見て、
全摘やセンチネルリンパ節生検があり得るのですよね?
センチネルリンパ節生検をするorしないは
どこで判断されるのですか?
当初、非浸潤がんと言われても、
実際は浸潤である可能性もあるのですよね?
部分摘出手術でも全摘でも
念のためにセンチネルリンパ節生検をすることついてどう思われますか?
デメリットってあるのですか?
お忙しい中申し訳ありません。
ご回答をよろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「「質問者の場合にはセンチネルリンパ節生検を省略すべき」「センチネルリンパ節生検をするorしないはどこで判断されるのですか?」
⇒質問者の場合には「追加免染で診断される程度の低悪性度」です。
 このケースで「腋窩リンパ節転移が存在している可能性はほぼゼロ」となります。(過去には私も、同様のケースでセンチネルリンパ節生検をしていましたが、1例も陽性となったことがありません)
 私の症例経験は膨大なので(自分の中で)確立したものだと考えています。
  ♯もちろん、(実際の手術前には)「患者さんの希望を優先」していますので、(質問者と同様のケースでも)センチネルリンパ節生検は今でも時々していますが、やはり「転移は無い」状況は継続しています。
「当初、非浸潤がんと言われても、実際は浸潤である可能性もあるのですよね?」
⇒それは確率の問題です。
 実際には「浸潤の可能性」はかなり低く、(更に)浸潤していたとしても「リンパ節転移の可能性」は殆どゼロなのです。
「部分摘出手術でも全摘でも念のためにセンチネルリンパ節生検をすることついてどう思われますか?デメリットってあるのですか?」
⇒上術したように…
 同様のケースで(ご本人が心配されて)センチネルリンパ節生検をすることは珍しくありません。
 「きちんとした」精度で行えば「センチネルリンパ節生検によるデメリットは殆どない」と思います。
 ☆それでも術後の違和感や暫くの疼痛は避けられないので、「確率が極めて低い」場合には本当に必要なのか?(それは、患者さんの性格が決めることです)