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田澤先生お願い致します。

[管理番号:2033]
性別:女性
年齢:40歳
大変お忙しいところ恐れ入ります。
来月、手術予定の者です、先生のご回答を拝見させて頂きまして、自分の状態をより理解出来たと同時に大変勉強になりました。
ありがとうございます。
感謝です。
40歳です。
20代の頃から乳腺症があり、年に1度定期検診を受けていました。
乳腺専門クリニックにて、7年間同じ先生に診て頂いています。
5ヶ月前、触診でしこりが見つかり、エコーとマンモグラフィーをした結果、念のために細胞診をしました。
結果は、水が溜まったのう胞でした、
その後、
4か月後の検診を勧められましたので、先月受診したところ、左胸の皮膚の色が青くなっていました。
(前回、細胞診をした部分と同じ箇所です)
エコーをした結果、以前はのう胞内に見えなかった しこりが2つ見つかり、形もいびつでしたので、そのしこりの細胞診をしました。
細胞摂取時に、前回は水が出ただけでしたが、今回は血も混ざっていました。
細胞診の結果は、乳菅内乳頭腫と のう胞内乳がんの識別困難とのこと。
主治医の先生からは、乳管内乳頭腫だと思うけれど、どちらにしても 部分切除をして細胞を病理検査した方が良いと言われました。
その後は、造影剤MRIを受け、その結果は、のう胞内乳がんの疑いと記載がありました。
先生の見解としましても、癌の疑いが高いとのこと。
画像では、のう胞内から外には広がっていないので
来月中旬にのう胞周囲をくるりと切除する手術と1箇所のみセンチネルリンパ節生検をします。
左胸上部内側を6cm×6cm×4cmで楕円形に切除します。
男性のこぶしの大きさくらいだそうです。
しこりはのう包内に2センチ程度の物が2つと画像上では、ポチポチとした小さい物もありました。
CT検査では、他臓器への転移を見つからず、リンパも大丈夫のようです。
2aとのことです。
前置きが長くなり申し訳ありません。
切除部位と範囲を考えると、温存した胸の変形が大きい。
Fカップですが、内側上部で脂肪が少ない部分なので、綺麗に整えるのは難しい。
病理検査で癌が確定しましたら
その後に5週間の放射線治療は決まっていますが、先日看護婦さんから詳しい説明を受けた際に、病理検査で癌と確定して、取り残しがあれば再手術の可能性があること、癌の種類によっては抗ガン剤やホルモン剤を使う可能性もあるなどを聞き、温存ではなく全摘をした方が賢明なのかと迷っております。
全摘をした場合のリスクとして、幸運にも良性だったという可能性がゼロではないらしいので、その場合、気持ちが落ち込むのでは?という点と、現時点では乳房再建は考えていませんが、そうしたくなった場合に良性で全摘ですと、保険が利用出来ず高額になるという2点だと自分では考えいます。
他にリスクはあるでしょうか?
このようなケースで先生がご担当された患者様で全摘を希望される方はいらっしゃるでしょうか?
自分本意な質問で本当に申し訳ないです。
どうかご回答頂けますと幸いです。
宜しくお願い致します。
今現在も胸の表面が硬く 青くなっています。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「嚢胞内腫瘍」ですね。
しかも「5カ月前は内部に見えなかった腫瘍が2cmが2つ」というのは俄かには信じられないスピードに思えます。
通常(確定診断がついていない)「嚢胞内腫瘍」は「乳管内乳頭腫」である可能性を考えて「センチネルリンパ節生検はすべきでない」と思っていますが、
「5カ月間で0⇒2cm」というのでは「乳癌と考えざるえない」気がします。
しかし、私であれば、手術してみたら「良性だった」という可能性がゼロでは無い限り「腋窩に手はつけない=センチネルリンパ節生検はしない」と思います。
 
「全摘をした場合のリスクとして、幸運にも良性だったという可能性がゼロではないらしいので、その場合、気持ちが落ち込むのでは?という点と、現時点では乳房再建は考えていませんが、そうしたくなった場合に良性で全摘ですと、保険が利用出来ず高額になるという2点だと自分では考えいます。他にリスクはあるでしょうか?」
⇒その通りです。
 
 
「嚢胞内腫瘍」であれば、たとえ浸潤癌だとしても「マージンはきれいに付けやすい」し、「良性の可能性を考える」と全摘を勧めることはできません(患者さんからの意志であれば問題ありません)
 
「このようなケースで先生がご担当された患者様で全摘を希望される方はいらっしゃるでしょうか?」
⇒いらっしゃいます。
 価値観は人それぞれなので、「ご本人とご家族の同意」があればそのようにしています。
 ただし、「癌の確定診断の無い状態」での「全摘」は「患者さんからの強い希望」が無い限り、私から提案することは決してありません。
 勿論「センチネルリンパ節生検」は「癌の確定診断無し」では行いません。