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嚢胞のはずが

[管理番号:3951]
性別:女性
年齢:33歳
田澤先生。
お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。
9月(上旬)日右胸、乳輪の上にプクっと膨らむしこりを発見しました。
(上旬)日月曜に乳腺外科にてエコー、触診のみ。
マンモは生理前で妊娠の可能
性も否定できずしませんでした。
エコーでは嚢胞と言われ、液体を抜き細胞診しました。
(中旬)日の結果ではクラス2で経過観察。
でしたが、(中旬)日に下着に茶色シミがつき、次の日には乳輪に茶色点があり、(下旬)日また病院に行きましたが、乳首をつまんでも血は出ず、エコーも問題なしと言われました。
しこりはまだある?と先生に聞かれ、ありますと答えました。
それから血は出ず、乳腺症みたいな症状が両胸に出始め、右胸の脇の下には可動性があるしこりを発見し、マンモもしてなかったので、気になり、同じ病院内の違う乳腺専門医に診てもらいました。
マンモした時にまた右胸の乳首からうっすら血が出て、先生にも伝えましたが、マンモもエコー問題なしと、嚢胞で終わり安心してましたが、11月(上旬)日に右胸のしこりが大きくなり固くなったので、受診したところ、嚢胞の大きさは変わらないが、モヤモヤがうっすら見えるのでまた細胞診しました。
血液でした。
9月のエコーでは、空洞?やったのに、二か月で癌になるでしょうか?
嚢胞内腫瘍癌の可能性は高いですか?
エコーでは大きさは変わらないのに、なぜ見た目触った感じ大きく固く感じるんですか?
モヤモヤが癌細胞でしょうか?とにかく不安です。
今すぐにでも先生に診てもらいたいです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
『今週のコラム 51回目 嚢胞内腫瘍 これは嚢胞ではありません』を読んでいただいていますか?
「下着に茶色シミがつき」「マンモした時にまた右胸の乳首からうっすら血が出て」
との記載からは「乳管内病変(乳頭腫など)」を想像します。
ただ「乳首をつまんでも血は出ず」という記載からは「分泌が非常に少量であり、単孔性なのか確認が困難」な状態のようです。
「嚢胞の大きさは変わらないが、モヤモヤがうっすら見えるのでまた細胞診→血液でした。」
⇒これは要注意です。
 「血性嚢胞」というのは(通常の嚢胞とは異なり)注意が必要です。(状況によっては摘出するべきでしょう ♯触れる程、皮膚表面に近ければ容易に摘出できます)
「9月のエコーでは、空洞?やったのに、二か月で癌になるでしょうか?嚢胞内腫瘍癌の可能性は高いですか?」
⇒嚢胞内腫瘍の可能性は高いと思います。
 内容液が血液であれば、(その様に考え)「摘出」することも考慮しなくてはなりません。
 ♯癌かどうかは別問題です。(年齢的に癌の可能性はそれ程高くありません)
「エコーでは大きさは変わらないのに、なぜ見た目触った感じ大きく固く感じるんです」
⇒腫瘍成分が増大して「硬くなっている」可能性があります。
「モヤモヤが癌細胞でしょうか?」
⇒癌細胞かどうかは別として、「腫瘍(乳頭腫だとしても)」であれば(特に血性なら)摘出も考慮してください。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生お忙しい中お返事ありがとうございました。
返事が早くてびっくりしました。
田澤先生が主治医なら聞きたいことも不安なことも真剣に聞いてくれるんだろうなと改めて思いました。
嚢胞内腫瘍の可能性が
高いことがわかりました。
先生は私の文章で、嚢胞内腫瘍の可能性や、
乳管内乳頭腫?の可能性を教えてくれましたが、主治医はエコー画像見ながらも首を傾げるばかりで、はっきりなにも言いません。
心配なら細胞診またしとく?とか、しこりが触った感じ大きくなったのは、触りすぎじゃない?とかしか言いません。
不信感しかありません。
あと気になったのが、細胞診の際モヤモヤ部分に針を刺しながら、細胞取る際血液が出てきたので、先生がびっくりしながら、どこかにぶつけた?と言われました。
確かにしこりが大きく硬くなってからその何日か後に、自転車でこけて右胸を打ち痛みがありました。
その2日後に受診しました。
そのモヤモヤは血液が固まった可能性はありますか?細胞診してからしこりが前の大きさに戻ったような気もしますが、エコー画像では嚢胞の大きさは変わっませんし、ぶつける前にはしこりが大きくなってたので関係ないかなとは思います。
細胞診の結果が怖くて仕方ありません。

ろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「今週のコラム 51回目「嚢胞内腫瘍 これは嚢胞ではありません」」にも記載したように…
(以下、抜粋)
♯嚢胞内乳頭腫も乳管内乳頭腫も同じものであり、乳管内乳頭腫が乳管を閉塞して「嚢胞状に拡張」して「嚢胞内腫瘍の形態を取った際に」嚢胞内乳頭腫と呼ぶだけの話です。
♯勿論、乳管壁にできる腫瘍は「乳頭腫だけではない」、乳癌もその一つです。
「細胞診の際モヤモヤ部分に針を刺しながら、細胞取る際血液が出てきたので、先生がびっくりしながら、どこかにぶつけた?」
⇒担当医は「血性嚢胞の意味」について良く解っていないようです。
 外傷で嚢胞内に出血を起こすなど、まともに考える事自体「常軌を逸している」ものであり、(嚢胞ではなく)「嚢胞壁に易出血性の腫瘍(乳頭腫など)が存在」している可能性を第1に考えるべきです。
 質問者の「ぶつける前にはしこりが大きくなってたので関係ないかなとは思います」というのが正しいと思います。
「そのモヤモヤは血液が固まった可能性はありますか?」
⇒確かにその可能性はあります。
 ただし、「嚢胞内に出血」すること自体「嚢胞内腫瘍」の可能性を強く疑うべきものです。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生また宜しくお願い致します。
あれから細胞診の結果を聞きに行ったところ、クラス2で良性でした。
血液や、嚢胞の形がボヤけてた理由や可能性の話を聞いても、はっきりわからないそうです。
嚢胞内腫瘍ですか?とも質問しましたが、エコーではそのような所見はないとの事で、今は大丈夫だから、また三か月後経過観察という結果です。
報告書には、出血性の背景にヘモジデリン貧食細胞が多数みられます。
ductalcellsは少数しか認められません。
と書いてます。
田澤先生なら文章だけですが、やはり摘出判断をしますか?
細胞診の報告書を信じて経過観察でいいんでしょうか?原因がわからないのに、経過観察すると言う判断は間違ってないんでしょうか?違う乳腺外科に行くべきか迷っています。
あれから(血液を抜いてから)しこりもよくわからなくなってるので、余計に迷います。
田澤先生。
お忙しい中申し訳ありませんが、先生の意見を聞かせてください。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「田澤先生なら文章だけですが、やはり摘出判断をしますか?細胞診の報告書を信じて経過観察でいいんでしょうか?」
⇒どこまで「万全を期すか?」です。
 「血性嚢胞」の中身の細胞診だけを鵜呑みにして経過観察というのは、私には非常な違和感があります。
 ただし、「3カ月」と言う期間は決して長くはありません。
 3カ月後に(現在萎んでいる)血性嚢胞が「再度増大」したら、今度は(中身の液体の細胞診ではなく)「摘出する」という強い意思でのぞんでください。(3カ月後、萎んだままエコーが正常ならば経過観察でもいいかもしれません)