［管理番号:5124］
性別:女性
年齢:47歳
はじめまして。
7月（上旬）日に担当医から電話で90パーセントの確率で乳がんだと知らされました。
（上旬）日に受診し、粘液がんとのこと。
その後も検査が続いて（上旬）日に検査結果で、転移はなくステージ1と告げられました。
左横下に1.8センチのシコリです。
実は最後の希望を持って不妊治療しておりました。
奇跡的に細胞分裂してくれたので受精卵を凍結し7月（上旬）日に子宮に戻す予定でした。
そんな中だったので、担当医も病理に急いで結果を出すようお願いしてくれて御尽力に感謝です。
転移がなかった事にほっとしました。
妊娠したい希望があるので、一部か、全摘か悩み、一部だと放射線治療がともなうと。
痒くなったり赤黒くなるときいて肌が弱いので、それも不安に。
全身に浴びるのか、乳房だけなのかも聞き忘れてしまいました。
また全摘の場合は再建手術のタイミングはいつがいいのか、同時か、妊娠出産後か…となかなか決めれなくて不安と恐怖で毎日過ごしています。
命が最優先なのは承知しておりますが、悩みすぎですかね…。
色々調べてるうちに、こちらを拝読致しました。
他院のセカンドオピニオンもまだしてない状況ですが、アドバイス頂けたら有難いです。
先生なら、妊娠希望してる私のようなステージ1なら、どの様な手術方法で、また全摘出なら再建手術はどのタイミングでご提案されますか？
皮下乳腺全摘術という術法がございますが、それは同時再建を必ずするのか、後でも出来るのか知りたいです。
現在お世話になってる担当医には、一部か全摘出か、どちらか決めてないので、まだ質問もできておらず、全摘出でも皮下乳腺全摘術がその病院で出来るのかもまだ聞いてないです。
頭が真っ白で質問出来るゆとりがありませんでした。
先生、宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「先生なら、妊娠希望してる私のようなステージ1なら、どの様な手術方法」
⇒全摘です。
全摘手術⇒妊娠出産授乳⇒ホルモン療法（おそらく大人しい粘液癌であれば、ホルモン療法が効くタイプです）
「また全摘出なら再建手術はどのタイミングでご提案されますか？」
⇒これは「妊娠出産を優先」すべき
つまり再建は（出産後に）2次再建とすべきでしょう。
「皮下乳腺全摘術という術法がございますが、それは同時再建を必ずするのか、後でも出来るのか知りたいです。」
⇒通常は同時再建が前提となりますが、後でも可能です。（ただし、余った皮膚に乳頭だけあるのは見た目が気になるとは思いますが）
質問者様から 【質問２】
粘液がん 術後、妊娠希望する場合で以前質問した管理番号5124です
性別:女性
年齢:47歳
質問に応えて下さり感謝です。
今月末までに手術方法を決めないとならず、その前に思い浮かんだ質問を担当医にも聞いてまいりましたが
先生にも再質問させて下さい。
何度もすみません。
①手術方法に迷っていましたが、田澤先生が全摘と判断して下さった理由をお聞きしたいです。
②担当医に確認すると一部摘出の際は放射線治療後、すぐに受精卵は戻せるとおっしゃるのですが、すぐ戻して大丈夫なのでしょうか？色々検索し調べると半年はあけた方がいいと言ってる方もいたのですが医師によって判断が違うのでしょうか？
③一部摘出の場合の放射線治療の範囲は左胸にガンがあるので左側の鎖骨からおへその辺りまでとのこと。
子宮に影響はないのでしょうか？
④また全摘の場合は皮下乳腺全摘術が可能であるとのことでした。
見た目が思ったものと違う為、結局はその後全部取るといった希望が多いとのこと。
乳頭残すと再建しずらいのでしょうか？先生は全摘の場合の術法は全て取る事をお勧めしますか？
毎日悩み眠りも浅いと伝えたら、担当医が、そんなに悩むのであれば、
一部摘出にしましょうと言われました。
私が悩み過ぎてるからいけないのですが…
どちらにしても全摘の場合、乳房を失くしてしまう喪失感に耐えなければなりませんが、多分ショックで術後見れないです…。
見慣れてくるも
のなんですかね？個人差あると思いますが…
想像しただけでも怖くなります。
⑤本当は田澤先生にお世話になり、手術をお願いしたいですが、来月第2週目に今の病院で手術予定です。
ドレーンを入れるといってました。
全摘だと引き連れがあるからリハビリがありちょっと大変だとも言われました。
先生はドレーン入れないんですよね？入れる入れないに何か大差があるのでしょうか？主人が良い先生や病院だと混んでるだろうし、手術が遅れてしまうなら今の病院で手術した方が早いのではないかとの意見でした。
お願いできなかったとしても、こちらのメールでアドバイスして下さるだけでも救いですし心強いし感謝です。
再質問ですが、どうぞ宜しくお願い致します。
色々聞いて納得した上で全摘にのぞもうと思います。
田澤先生から 【回答２】
こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えましょう。
今回は３つの局面に遭遇しているのです。
①癌の治療
②妊娠出産
③整容性
どれを優先するのか？
私が考えるには①＞②＞③だと思ったので 前回の回答『全摘手術⇒妊娠出産授乳⇒ホルモン療法』としたのです。
「①手術方法に迷っていましたが、田澤先生が全摘と判断して下さった理由をお聞きしたいです。」
⇒上記理由です。
部分切除だと放射線照射が術後に必要となります。 すると不妊治療は最低でも３カ月以上遅れると思います。
全摘ならば、術翌週からでも開始できるからです。
それでいて、全摘の方が「純粋な治療的観点で言えば安全」なのです。
♯ここに同時再建をすると、術後の治療が煩雑となり、不妊治療に影響がでるのです。最も（不妊治療に対する）リスクを下げるのは「全摘（後日再建）」なのです。
「すぐ戻して大丈夫なのでしょうか？色々検索し調べると半年はあけた方がいいと言ってる方もいたのですが医師によって判断が違うのでしょうか？」
⇒どこまでリスクに対して余裕（マージン）をとるか？によります。
誰も本当のところは知らないのです。
「子宮に影響はないのでしょうか？」
⇒無いとは思いますが…
リスクをできるだけ避けた方がいいでしょう。
「乳頭残すと再建しずらいのでしょうか？先生は全摘の場合の術法は全て取る事をお勧めしますか？」
⇒乳頭の位置などで形成外科医でも、あまり勧めない医師がいます。
私は「純粋な治療的観点」から「全摘するのなら、乳頭を残すリスクは避けるべき」と思います。
「どちらにしても全摘の場合、乳房を失くしてしまう喪失感に耐えなければなりませんが、多分ショックで術後見れないです」
⇒勿論、その気持ちは解ります。
ただし厳しい様ですが、「何に、優先順位をおくのか？」もう一度考えるべきでしょう。
「先生はドレーン入れないんですよね？」
⇒入れません。（入れる必要がないからです）
「入れる入れないに何か大差があるのでしょうか？」
⇒ドレーンを入れることで、
１．入院期間が長くなる
２．腕が動かしずらい
♯ドレーンが抜けるまでは「動かす際に（ドレーンがあたって）痛い」ことや、ドレーンの量を減らすために「リハビリ制限される」ことにより、後々の「腕の動きに差が出る」ことは間違いありません。
○そもそも「ドレーンを入れなくてはいけない」状況に問題があるのです。
ドレーンを入れざるを得ない手術＝（ある程度の）出血やリンパ漏れがある手術
質問者様から 【質問３】
粘液がん 術後、妊娠希望する場合
性別:女性
年齢:47歳
再々質問です。
先生、丁寧なご返答全てに感謝です。
先生のご説明に全て納得できました。
心にスッと入ってきました。
とてもシンプルに考えられました。
ありがとうございます（涙）
担当医にはドレーン入れて1週間の入院と言われました。
再建しない場合です。
ドレーン入れない方法で何よりも信頼出来る田澤先生に、手術をお願いしたいのです。
その後の回復にも影響あるのなら、尚更です。
①お願いする場合、どの様な手続きふめば、宜しいですか？
②手術は、どれくらい待ちますか？
明日担当医の予約できたので、紹介状と私のデーター全てお借りする予定でいます。
再々質問ですが、先生、どうぞ宜しくお願いします。
田澤先生から 【回答３】
こんにちは。田澤です。
頭が整理されて良かったです。
「あれも、これも」ではなく「最優先にすべきこと」「許容できること」が大事なのです。
「①お願いする場合、どの様な手続きふめば、宜しいですか？」
⇒秘書メールしてください。
「②手術は、どれくらい待ちますか？」
⇒当面（取りあえず９月いっぱい）は「枠拡大（週１０件）」となっているので、以前ほどはお待たせしていません。
現状で１カ月半以内となっています。
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