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粘液癌

[管理番号:4943]
性別:女性
年齢:43歳
左乳房C領域(1時の方向、乳腺の一番外側の端の方)にしこりを感じ受診。
太針生検、MRI、CTを受けました。
しこり9mm。
部分切除の予定です。
診断名:粘液癌
所見:粘液内に浮遊してあるいは間質内に、異型上皮が胞巣状、篩状構造を示して増殖しています。
Mucinous carcinomaが考えられます。
DCIS成分もみられます。
組織学的グレード:1
免疫染色:HER2 score 2+, ER(+)90%, PgR(+)70%, MIB-1のLIは多いところで約4%
HER2 FISH法の検査結果待ちの状態ですので、
現時点で医師から聞いている治療計画は、乳房温存術+放射線治療+ホルモン療法。
手術時、センチネルリンパ節生検も行う。
FISH法の結果が陽性と出れば、抗がん剤とハーセプチンも追加予定。
まず最初の質問は針生検のルートのことです。
手術ではマージンを1.5cmとると説明を受けました。
自宅で座った状態でしこり周辺をよく見ると、針生検の傷はしこりを中心に6時方向、2cm強下にあります。
生検時、仰向けではなく、右肩を下にして横たわり組織を採ってもらいました。
マージン1.5cmだとルートを完全に切除できないので心配です。
過去のQ&Aにもある通り、ルートを完全にとることが重要と認識しています。
質問① 医師に(別件での電話の際に)これについて尋ねると、術後に放射線をあてるのであまり
心配しなくて良いとは思うが、次回の診察でよく相談しましょうとのことでした。
田澤先生なら
『マージン1.5cmで放射線治療→あまり心配しなくて良い』と思われますか?
質問② 私のケースで、田澤先生ならセンチネルリンパ節生検も行いますか?
質問③ もし、HER2 FISH法の結果が陽性と出た場合、『ステージ1ではあるが性格が良くない癌』ということになるのですか?
質問④ 上記の組織検査結果から、純型か混合型かの判断がつくのですか?そうであれば、私はどちらの型ですか。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「グレード1」「MIB-1=4%」これは文句なしの「非常に大人しい典型的な粘液癌」となります。
HER2 2+ですが、ほぼ間違いなくFISH陰性となるでしょう。
♯万が一FISH陽性となった場合、(抗HER2療法の適応が出てきますが)これだけ大人しい癌に「抗HER2療法が有効」だとは到底思えません。
「FISH法の結果が陽性と出れば、抗がん剤とハーセプチンも追加予定」
⇒どうでしょうか…
 到底、意味があるとは思えませんが…
 少なくとも「浸潤径がpT1bの範囲内」であれば、実質「適応外」とも言えそうです。
(少なくとも私なら、勧めません)
「『マージン1.5cmで放射線治療→あまり心配しなくて良い』と思われますか?」
⇒「粘液癌のルートを取る事」と「マージン」は無関係です。
 本当に心配ならば、その部分の皮膚を切除しながら「そのルートも切除」すればいいのです。
 つまり、「1.5cmのマージン+(皮膚を含めた)ルートの切除」です。
 ♯照射すれば、殆どは問題無いとは思いますが、執刀医には「ルートの意識が必要」ということです。
「質問② 私のケースで、田澤先生ならセンチネルリンパ節生検も行いますか?」
⇒行います。
 浸潤癌であれば原則全例で行うべきです。(超高齢者もしくは拒否する方を除いて)
「質問③ もし、HER2 FISH法の結果が陽性と出た場合、『ステージ1ではあるが性格が良くない癌』ということになるのですか?」
⇒これは違います。
 大人しい(グレード1でMIB-1=4%)ことは動かぬ事実です。
「質問④ 上記の組織検査結果から、純型か混合型かの判断がつくのですか?そうであれば、私はどちらの型ですか。」
⇒病変全体でないと解りません。