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粘液がん?

[管理番号:1459]
性別:女性
年齢:42歳
こんにちは。
昨日、マンモ、エコー、MRIの画像や乳房内部の固さから粘液がん(11mm程度、リンパ転移はなさそう)の可能性が高いと言われました。即日、針生検をしていただき、後日、骨シンチとCTもやる予定で、30日に結果がでます。
そこで、先生にお聞きしたいことがあります。色々調べてみると、粘液がんは症例が少ないので、治療に関してあまりデータがないとのことですが、大丈夫でしょうか?
そもそも粘液がんの可能性があるところに、生検(ばね式?)で針を指してもがん細胞が漏れて拡がってしまうことはないでしょうか?
また、粘液がんは手術してもがん細胞が残りやすいとの意見も聞きました。
お忙しいところ恐れ入りますがよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
メール拝見しました。
随所に「ネットからの、誤った情報」が散見されます。
ネットにも困ったものです。(情報源はネットだけではないかもしれませんが…)
あまりにも「誤った情報」が多すぎて、「無用に心配」する人が多い事を「この
QandAの場でも、そして外来診療の場でも」強く感じ、とても残念に思います。
粘液癌は「大人しい癌」であり、「手術しても癌細胞が残り易い」などということは
全くありません。「誰が、そんな事をいっているのでしょうか?困ったものです」
それと11mmの粘液癌で「骨シンチ」など無用です。転移している可能性は全くありません。

回答

「粘液がんは症例が少ないので、治療に関してあまりデータがないとのことですが、
大丈夫でしょうか?」
⇒粘液癌は「特殊型」に分類されますが、「症例が少ない」などと言う事は全くあり
ません。
 普通に治療すればいいのです。
 おそらく「ルミナールタイプ」でしょう。
 
「そもそも粘液がんの可能性があるところに、生検(ばね式?)で針を指してもがん細
胞が漏れて拡がってしまうことはないでしょうか?」
⇒確定診断のためには「組織診断は必須」です。
 針生検の経路を確実に「切除範囲に含める」と言う意識は当然必要です。
 それ以上のことを心配する必要は全くありません。
 
「粘液がんは手術してもがん細胞が残りやすいとの意見も聞きました」
⇒そんなことを誰が言っているのでしょうか?
 全く問題ありません。
 
○粘液癌は決して珍しいタイプではありません。
 殆どが大人しいので心配無用です。
 余計な情報は「シャットアウト」しましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

昨日、組織検査の結果が出ました。
結果は良性でしょう、とのことでした。
前回までの診断では9割方癌だと言われていたので覚悟はしていたのですが、嬉しい結果のはずなのに、まだ心配です。
担当医は非常に良い先生で信頼していないわけではないのですが、素直にこの結果を受け入れて良いのでしょうか。
画像で癌の所見があっても、組織検査の結果良性ということはあるのでしょうか。
また、癌を疑う材料としてCA15-3が39であったことも心配として残ります。
担当医は単独で良性と判断するのは不安があったようで、○○先生にも病理診断をお願いして、同じ判断だったようです。
他の病院でも検査してみたほうが良いのでしょうか。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
私がこのメールをみての印象は「針生検の精度に問題がある」のではないかと思います。つまり「サンプリングエラー」です。
よく(有名病院の名を挙げて)「○○病院の診断では良性でした」と言って(有名病院の診断だから信頼できると思っている)患者さんがいますが、私は「全く信用していません」

回答

「素直にこの結果を受け入れて良いのでしょうか」
⇒危険です。
 その医師の「針生検の精度が不明」なので、勿論断定はできませんが…
 「採取ミス」である可能性があります。
 その場合、不利益を被るのは「その医師ではなく、質問者自身」なのです。
 
「画像で癌の所見があっても、組織検査の結果良性ということはあるのでしょうか」
⇒そういうことも「稀には」ありますが…
 この場合には「CTだの骨シンチだのを」予め予定する位の所見ですよね。
 どの程度その医師が「針生検の精度に自信があるのか」は不明ですが…
 本当に怪しいのであれば「摘出生検も辞さない」方がいいです。
 万が一があったら「大変な事態」となってしまいます。
 
「癌を疑う材料としてCA15-3が39であったことも心配」
⇒誤りです。
 腫瘍マーカーは「初期治療の段階」では全く無意味です。
 診断の参考には「決して」なりません。
 腫瘍マーカーは「人それぞれに基準値があり、つまりもともと高めの方がいる」のです。
 その意義は「その人の基準値」から逸脱した際に「再発を疑う」ためのものです。
 
「○○先生にも病理診断をお願いして、同じ判断だった」
⇒そう言う問題ではありません。
 「取れたものの診断」に問題が有るわけでは無く、「どこを取った(取れた?)か」に問題があるのです。
 
「他の病院でも検査してみたほうが良いのでしょうか」
⇒当然、そうしてください。
 「自分で超音波」をして「針生検の精度も高い」医師に是非、診断してもらってください。