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しこりは所見なし1.2センチ腫瘤

[管理番号:179]
性別:女性
年齢:41歳
乳癌検診で石灰化(これは心配なしとの診断)と非対称性陰影で再検査となり、精密検査でマンモグラフィとエコー検査をうけたところ、12×8×10㎜の腫瘤を認めます。
診断は良悪性の判断ができないしこりがあります、とのこと。判定は悪性の可能性を否定できない、というランク。
次回針生検とMRI検査を受ける予定です。
いきなりこの検査の流れということは癌の可能性が高いのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 検診発見の「悪性の可能性を否定できない、12x8x10mmの腫瘤」ですね。
 それでは回答します。

回答

「次回針生検とMRI検査を受ける予定です。いきなりこの検査の流れということは癌の可能性が高いのでしょうか?」
⇒癌の可能性が「高い」という訳では無いと思います。「悪性の可能性を否定できない」という文字通りの意味でしょう。
 
◎「針生検をする」と言われると、「乳癌の可能性が高い」と思われますか?
⇒(実際のところ)これは施設(医師)によって大変考え方が大きく別れるところです。

  1. 例えば、私(のように)「経過観察をするよりも、診断はきちんとつけるべきだ」と積極的に針生検をする医師であれば、
     ⇒(癌の可能性が高いとは思わなくても)間違いなく良性と断定できない限りは「針生検を勧めます」
     
  2. (癌の可能性が高くなければ)「針生検はせずに経過を見てもいいのではないか」と針生検に消極な医師であれば、 
     ⇒(そんな、医師が針生検しましょう。と言う場合は)癌の可能性が高い時です。

つまり、考え方の違いなのです。
 
◎「針生検をすること」はいいことだと思います。(癌を凄く疑っているわけではなくても)
 ⇒その結果「良性」であれば、これほどの安心はないのです。
 
★私は患者さんに「安心」を与える事も「医療の大事な役目」だと思っています。
 「良性だと思うけど… 一応様子を見ましょう」よりも「針生検の結果、良性でした。心配ありませんよ」の方がいいとは思いませんか?
 

余談ですが…

 診断の段階で「MRI」を撮影する意味が私には解りません。
 MRIはあくまでも画像診断であり、「診断の足しにはなりません」
●MRIはあくまでも「もし癌だった場合に、その広がり診断として行われるべきもの」だと私は捉えています。
 確定診断はあくまでも「針生検で十分」なのです。