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胸と脇の境目のくぼみ

[管理番号:267]
性別:女性
年齢:30歳
右胸側に腕を下した状態で脇と胸の境目に少しくぼみがあります。
自分で触診しましたが、シコリらしきものはありません。
また、腕を上げてくぼみを確認しましたが、くぼみはありませんでした。(ひきつりもありません)
左胸はそのようなことが起こっていないので、右胸は乳がんではないかと心配です。
通常、くぼみはシコリがあってくぼむものなのでしょうか。
それともシコリがなくてもくぼむものなのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

 おはようございます。田澤です。
 「腕を下した状態で脇と胸の境目に少しくぼみ」ですね。
 それでは回答します。

回答

「腕を上げてくぼみを確認しましたが、くぼみはありませんでした。(ひきつりもありません)」
⇒大丈夫と思います。
 もし、「乳癌が原因での」くぼみであれば、(むしろ腕を挙げた状態の方が)くぼみが目立つ筈です。
 おそらく、(たまたま乳腺の動きで、腕を下げた際に)くぼみができるのではないかと推測します。
 
「左胸はそのようなことが起こっていないので、右胸は乳がんではないかと心配」
⇒人間の体は、結構左右差があります。心配ありません。
 
 
※良くある訴えに「(左に比べて)右の肋骨が張りだしているような気がするのですが、肋骨異常(転移)ですか?」というのがあります。
 ただの「正常な左右差」なのです。
 
「通常、くぼみはシコリがあってくぼむものなのでしょうか。それともシコリがなくてもくぼむものなのでしょうか。」
⇒シコリ(通常、癌)があってくぼむものです。
「シコリが無くてくぼむ」場合は、(先ほど記載しましたが)単に「乳腺もしくは大胸筋などの位置関係で」たまたま、くぼむと思います。
 

皮膚のくぼみ

 Dimpling sign (ディンプリングサイン)といいます。
 癌は(乳腺内にできて)やがて「乳腺外(脂肪組織)へ浸潤」を始めます。
 (乳腺外の脂肪層の中には乳腺を皮膚に吊り下げている)「クーパー靭帯という線維組織」が存在します。
 
★「脂肪層に浸潤した乳癌」がこの「クーパー靭帯を巻き込んで、引き込んだ」際に、(クーパー靭帯により)皮膚が引っ張られるために起こるのです。
 
◎つまり「本物のdimpling sing」であれば、「浸潤癌であり、それなりに触知するはず」なのです。(非浸潤癌など早期乳癌ではおこりません)
 触れる腫瘍が無ければ、心配ありません。