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MRIとエコーのしこりの大きさの違いについて

[管理番号:2690]
性別:女性
年齢:41歳
いつもこちらのサイトをみています。
以前、質問もさせていただいて、
そのときの田澤先生の回答の
おかげで心が軽くなりとても感謝しています。
今日も質問させてください。
2月に乳がん告知をうけて、
セカンドオピニオンで今の病院へ決め(3月)
来月、皮下乳腺全摘手術をおこなう予定です。
・ルミナ-ルA
・ステージ2Aといわれています。
CTで肺に小さい影が2つうつりましたが、
今は気にする段階ではないといわれました。
〔怪しいものではなさそうとのことです。〕
以前、肺の件で田澤先生に質問をしました。
わたしは3、4年前より、しこりの存在に気づいていましたが、
痛みもあったので乳がんとは思わず軽くとらえていたので
もっと早く病院へいけばよかったと、今は、とても後悔しています。
今日お聞きしたいのは、
2月に最初の病院でエコーでしこりの大きさは4.5センチだといわれました。
今の病院で、CTとMRIでの結果で、〔エコーは先生にされていません〕
しこりは、2センチ~3センチくらいの間で温存も可能といわれましたが、
2センチくらいのしこりと少し離れたところに小さいしこりらしきものがあるので、ここが癌なのか調べるという話になり、
エコーでみているときに、しこりが少し大きくなったと言われました。
先週の話です。
4センチくらいになっていると。
最初の病院では、エコーのときに、4センチといわましたが、
今の病院では小さいしこり部分もいれて
前の病院では、4センチと言われたのでは?とのことでした。
MRIをとってから、約2週間くらいの間で
しこりが大きくなるということは、
癌のスピードのようなものが早いということになりますか?
エコーとMRIでは、しこりの大きさに違いがあるものですか?
また、
手術は皮下乳腺全摘より全摘のほうがいいでしょうか?
家に帰ってから とても怖くなってきました。
せっかく忘れていた肺のことまで、きになってきました。
PET検査もおこなっていないのですが、そこも気になってきました。
通常はうけるものですか?
それと、手術後の病理検査でルミナールAがトリプルネガティブなどに変わることはありますか?
ステージが変わることはよくあることですか?
また、今 エコーやCTでみるかぎりは、
リンパ転移はなさそうといわれています。
腫れなどはありませんが、
脇や二の腕や肩甲骨などに違和感はあります。
このような場合は、リンパ転移している可能性はありますか?
リンパ転移があった場合は、ルミナールBになりますか?
たくさん質問してしまいましたが
どうぞよろしくお願いいたします!
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「最初の病院では、エコーのときに、4センチといわましたが、今の病院では小さいしこり部分もいれて前の病院では、4センチと言われたのでは?とのことでした。」
⇒その解釈が妥当です。
 
「MRIをとってから、約2週間くらいの間でしこりが大きくなるということは、癌のスピードのようなものが早いということになりますか?」
⇒そんなことはありえません。
 ご安心を。
 
「エコーとMRIでは、しこりの大きさに違いがあるものですか?」
⇒どちらも画像診断ですから、「どちらが正しい」とはいえません。(この場合の
「正しい」とは顕微鏡で見ての大きさです)
 
 一般的には「エコーでは不明な拡がり」がMRIで描出できる事の方が多いです。
 
「また、手術は皮下乳腺全摘より全摘のほうがいいでしょうか?」
⇒「安全性」と「整容性」のどちらをとるかです。
 ○乳頭からの距離が十分であれば、「皮下乳腺全摘の適応はある」と思います。
 
「PET検査もおこなっていないのですが、そこも気になってきました。通常はうけるものですか?」
⇒全く不要です。
 是非、トップページの「今週のコラム 6回目 無駄どころか有害なのです」を参照してください。
 
「それと、手術後の病理検査でルミナールAがトリプルネガティブなどに変わることはありますか?」
⇒それは殆どありません。
 1%以下でしょう。
 
「ステージが変わることはよくあることですか?」
⇒顕微鏡で見た際の「浸潤径」や「リンパ節転移」など、画像診断とは異なる可能性はあります。 ただ「良くある」わけではありません。大部分は「術前ステージと同一」となります。
 
「腫れなどはありませんが、脇や二の腕や肩甲骨などに違和感はあります。このような場合は、リンパ転移している可能性はありますか?」
⇒全く無関係です。
 
「リンパ転移があった場合は、ルミナールBになりますか?」
⇒これも全く無関係です。
 ルミナールAとBは「Ki67の値(細胞分裂期にある細胞の割合(%)」で分類します。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、こんにちは。
先日も回答をありがとうございました!
いつも真摯にお答えいただき本当に感謝しています。
もうすぐ手術です。
とても緊張しています。
またいくつか質問させてください。
先日の質問でお聞きした、もとからあるしこりとは別に
少し離れたところにあるしこりについてですが、
最初は手術を温存にできるかもということで、
悪性がどうか調べるために針生検となったのですが、
エコーでみたところ、しこりがあいまいでとれそうもないとのことでした。
そのときに、前回質問したもともとあった2センチのしこりが大きくなったと指摘されました。
小さいしこりは、別のタイプの乳がんなのか、多発性乳がん?なのか気になってきました。
手術は皮下乳腺全摘なので、そこまで心配しなくても大丈夫でしょうか?
手術で摘出したときに、小さいしこりがなんだったのか分かりますか?
温存はもう望んでいません。
また、全摘のほうがより安全でしょうか?
大きくなったと指摘されたしこりですが
とってしまえば安全と考えでいいのですか?
しこりが大きくなったということは、
転移などの可能性も大きくなったということになりますか?
その辺の受け止め方が分かりません。
とってしまえば安全と思えば、手術も堂々と望めそうです。
それと、手術のときに、センチネルリンパ節生検もおこなうのですが
センチネルリンパ節生検というのはネットで、事前に注射をうつ(とても
痛い)というのをみたのですが、どんなやり方をするのでしょうか?
手術前日にまた説明があるかもしれませんが、ビビリなもので
知りたいなと思います。
最後に、今のところリンパ節転移はなさそうといわれていますが
その場合でも、手術で転移がみつかり腋窩郭清する
可能性はどれくらいありますか?
こちらも覚悟しておいたほうがいいものですか?
今回もたくさん聞いてしまいましたが
どうぞよろしくお願いいたします!
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「手術は皮下乳腺全摘なので、そこまで心配しなくても大丈夫でしょうか?」
⇒その通りです。
 乳腺は全摘出するのですから(乳頭部は残す訳ですが、そこにさえ無ければいいのです)
 
「手術で摘出したときに、小さいしこりがなんだったのか分かりますか?
温存はもう望んでいません。」
⇒病理医がどこまで細かく検索するかにかかっています。            
 
「また、全摘のほうがより安全でしょうか?」
⇒乳頭部から「十分な距離」があれば「皮下乳腺全摘でもいい」でしょう。
 ただ「究極の安全性」という観点からは「(本来の)乳房全摘」の方が上です。
「大きくなったと指摘されたしこりですが
とってしまえば安全と考えでいいのですか?」
⇒その通りです。
 
「しこりが大きくなったということは、転移などの可能性も大きくなったということになりますか?その辺の受け止め方が分かりません。」
⇒短期間で「実際に大きくなった訳ではない」と思います。
 
「センチネルリンパ節生検というのはネットで、事前に注射をうつ(とても痛い)というのをみたのですが、どんなやり方をするのでしょうか?」
⇒RI法を行う際には、事前に注射しますが、「色素法」であれば「注射も術中に行う」ので痛くありません。
 
「最後に、今のところリンパ節転移はなさそうといわれていますがその場合でも、
手術で転移がみつかり腋窩郭清する可能性はどれくらいありますか?」
⇒10%以下でしょう。
 
「こちらも覚悟しておいたほうがいいものですか?」
⇒「覚悟は不要」ですが、「術前の同意(追加郭清を行う基準)が必要」です。