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マンモトームでADHの診断

[管理番号:845]
性別:女性
年齢:41歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
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管理番号:769「腫瘤と集簇性石灰化 要治療判定について」

 
 
田澤先生
先日の定期検診1次結果で、要治療、腫瘤と集簇性石灰化という結果にて、先生に相談しましたところ、「ほぼ癌と確信」との先生の見解にて、ショックのあまり大泣きしました。
ちなみに、検診を受けたのは、総合病院で、マンモは2Dです。
4日に精密にて、マンモ2回目とエコーを受けたところ、腫瘤は認められず、「要治療」の判定も事務的ミスとのことで、乳腺科の医師より謝罪を受けたのですが、石灰化が集まっていのは確かで、良性か悪性か判断できず、わからないというのも不安が残るので、自分の意思で、6日にマンモトームを受けました。
11日に、その結果を聞きに行ったところ、非常に判断が難しいと説明を受け、グレーゾーン、要するに確定診断ができないとのことでした。
10か所の石灰化部分を採取し、11時の箇所の石灰化がADHと診断され、それが悪性なのか、良性なのか判断は難しく、半年間の経過観察、その後、マンモとエコーを受けることをお勧めしますと言われました。
半年間にそれが癌化するか否かはわからず、現時点で治療するにも、その範囲(切除する範囲)がわからないため治療もできず、かつ、これ以上の検査も今のところできない(乳房もマンモトームで炎症があるため)ので、経過を観察するしかないと言われました。
今の時点で、もしかしたらADHが癌の一角で、すでに癌があるかもしれないし、ないかもしれない、それが、浸潤なのか、非浸潤なのかもわからない、ただいえることは、正常細胞とがん細胞の間であり、前癌病変の可能性、非浸潤乳管癌の一部の可能性があるということ、という説明を受けました。
精密検査と診断をしてくれた先生は、乳腺科外科医で、マンモグラフィーの認定医でもあるようですが、心配ならセカンドオピニオンを聞いても良いのではと助言を受けました。
偶然、田澤先生のサイトを再訪したら、ADHについての記事があり、外科生検を推奨とあり、外科生検した方の約半数が癌だった、という結果を拝見し、今の時点で外科生検に踏み込むべきかどうか考えています。
外科生検で確定診断は可能なのでしょうか。また、どのぐらいの外傷になるのでしょうか。
実際に、検査画像が先生の手元にない状態で、このような質問をするのは大変恐縮なのですが、上記の状況で、先生の見解を伺えたら助かります。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 私が「マンモトーム生検でADHの診断であるのに」経過観察を勧めることは絶対にありません。(勿論、十分説明した上で、それでも経過観察を希望される場合には了承しますが…)
 「外科的生検をお勧めします」
 ステレオガイド下マンモトーム生検した「石灰化の部分」をターゲットとして「乳腺を部分切除」すべきです。
○担当医の説明は「不正確」であり、「半年後に経過観察」を勧めているところからも「ADHに対する理解が不十分」です。

ADHとは

 (トップページのADH参照)
 癌との違いは異型乳管の範囲(ADHは2mm以内)の違いだけです。
 実はlow grade DCIS(低悪性度の非浸潤性乳管癌)とは、それ以外の性質は全て同一です。(癌細胞だということ)
 ★ADHは決して「グレーゾーンではなく」小範囲の癌なのです。
 マンモトーム生検で癌の一部を切り取って「2mm以下だった」だけの話であり、『病変全体で評価すれは、そもそも2mm以上ある=癌』である可能性も十分にあるのです。
 ○本来、ADHの診断は「外科的生検」をして『病巣全体の評価をした上で、2mm以下の癌であれば、癌とはせずにADHという診断にしましょう』という概念です。
 (マンモトームなど)「病変の一部をとって、癌が(たまたま)2mm以下にしか取れてないからADH」というのは根本的に誤りなのです。
 
 
「ADHについての記事があり、外科生検を推奨とあり、外科生検した方の約半数が癌だった、という結果を拝見」
⇒質問者は「勘違い」しています。
 約半数ではありません。『77%』です。
 トップページの「ADH」の中の「鑑別困難とADH」を見てください。
 『外科的生検13症例中10症例(77%)で癌であった』と記載しています。
 
「外科生検で確定診断は可能なのでしょうか」
⇒可能です。
 というか、「外科的生検以外に確定診断の方法はありません」
 石灰化の部分を狙って「大きめに切除」するのです。
 
「どのぐらいの外傷になるのでしょうか」
⇒これは相談となります。
 ①純粋に「診断目的」として最小限とする場合…3cm程度
 ②(癌の可能性が77%あることを考慮し)「癌であってもいいように」やや大きめに切除…5cm程度
 ♯基本的に癌であっても追加手術をしなくても済むようにという切り方
 

私の感想

 担当医も質問者も勘違いしています。
「マンモトームでのADHの診断を前癌病変とかグレーゾーン」と考えるのは誤りです。
○「極めて小さい範囲の癌がみつかった」と考えるべきです。
 あくまでも「病変全体の中には」(マンモトームで採取した2mm以下の癌)が他にも拡がっていると考えるべきなのです。
 だから「外科的生検をすれば77%という極めて高率に癌がみつかる」のです。
 
 
 

質問者様の別の質問

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管理番号:868「周囲の否定的な意見から、受診を悩んでいます。」