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石灰化マンモトームの良性悪性について

[管理番号:2121]
性別:女性
年齢:46歳
田澤先生、初めてメールを差し上げます。
よろしくお願いいたします。
2014年4月、健康診断で右乳腺に石灰化が見つかりました。
針生検+MRでも良性悪性の判断がつかず、マンモトームの出来る病院を紹介していただきました。
ところがその病院の先生の見解で、マンモトームではなくバコラを勧められ、
当時石灰化に対する知識もほとんどない状態で病院に行ってしまったこともあり
先生の言う事を受け入れるしかなくバコラをしたのですが、結局判断がつかず
不安に押しつぶされそうな中、経過観察で月日が過ぎていきました。
また残念ながらこの頃既に担当の先生に若干の不信感も生じておりました。
そんな中、2015年8月に石灰化が増えてきたのでマンモトームを受けました。
検体は3本で、検体の一部?にAIDEP、FEA、MLT、多数の分泌型石灰化を認める、
推定組織型にDuactal hyperplasia,Law Grade DCIS、さらに判定区分に「鑑別困難」と
記載がありました。
その診断を受けた際に先生に言われたことは悪性の確定診断は出ていない。
悪性の可能性は高いもののあくまで良性という可能性も否定はできない。
ただ今後生検が続き何度も切開するのはイヤだという事であれば、
局部麻酔で今現在の石灰化を切除するという方法もある、とのことでした。
その時の私は、悪性と診断がでなくても切除するのか!ととても動揺して怖くなり、
次の診察日まで考える時間を頂きました。
家で冷静になって家族に相談し、小さな娘がいることも、そしていつ悪性になるのかと
不安な毎日を過ごすことに耐えられないと意を決して切除してもらうことに決め、
12月に診察に行ったのですが、その日のエコーとマンモグラフィの結果、新たな石灰化が見つかり
今度は局部麻酔をして取りきることが難しいため切除は厳しいと言われました。
麻酔液で石灰化の箇所がにじんでしまう?ため、範囲が広がったことで取りきれなかった場合、
取りもれた箇所がガンと確定したら再度手術で、二度手術をすることになります、と。
ガンの場合は全身麻酔だが、確定しない場合は局部麻酔となるとのことでした。
新たにできた石灰化をマンモトームしたら、今度は(ガンだと)出ると思うと先生にサラっと言われ、頭が真っ白になりました。
2ヵ月前に切除を躊躇していなければこんなことにならなかったのか、結局石灰化が広がってガンになるのを待つために経過観察してきてしまったのではないかと思ってしまい自分を責めてしまいます。
そう思うのには、私自身が自分の症状についてきちんと理解していないと不安を感じているからでもであります。
先生から説明を受ける際、よく分からないことが多くて、何度も質問して何となく分かったような気持ちになって帰るのですが、家できちんと考えるとやっぱり分からないのです。
なので、田澤先生のHPを見つけて、本当に一筋の光が差し込んだ気持ちです。
また自分の置かれている状態について余りに無知過ぎたことに気づかされました。
現在の病院では、1/18(月)にMR、2/4(木)にマンモトームの予約が入っているのですが、やはりこちらの検査は絶対必要なものだと思ってよろしいですよね?
ただ先生に不信感が募ってしまっている中、現在の病院で検査を受けることにとても迷いがあります。
田澤先生に両検査をお願いすることが出来ればそんなに嬉しいことはありませんが、いかんせん日にちが迫っているためそれは難しいでしょうか?
大変長い文章になってしまい申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
石灰化の増加傾向「2014/4 ⇒ 2015/8 ⇒ 2015/12」と2015/8の「ST-MMT結果」からすると『乳癌の可能性が高い』と思います。
ただ、幸いなことに、(もしも癌が確定したとしても)間違いなく早期なので、(後を振り返って後悔などせずに)きちんと前を向いて「確定診断をつける」ことこそ重要です。

回答

『2015年8月に石灰化が増えてきたのでマンモトームを受けました。検体は3本で、検体の一部?にAIDEP、FEA、MLT、多数の分泌型石灰化を認める、推定組織型にDuactal
hyperplasia,Law Grade DCIS、さらに判定区分に「鑑別困難」と記載』
⇒外科的生検の適応でした。
 
「新たにできた石灰化をマンモトームしたら、今度は(ガンだと)出ると思うと先生にサラっと言われ、頭が真っ白になりました。」
⇒(今までよりも)より強く断定的な言い方をしているのは、
 ○8月から僅か4カ月で「増加」している事と、(おそらく)『新たにできた石灰化が(壊死型石灰化などを思わせる)あやしい形態』なのかもしれません。
 
「結局石灰化が広がってガンになるのを待つために経過観察してきてしまったのではないか」
⇒これは誤解です。
 「石灰化が拡がってガンになる」事はありません。
 あくまでも「ガン」ができて「そこに石灰化が発生」し、更に「ガンが乳管内進展」する中で「石灰化も増加する」というプロセスです。
 ♯石灰化はあくまでも、「ただのカルシウム」なのです。
 
『現在の病院では、1/18(月)にMR、2/4(木)にマンモトームの予約が入っているのですが、やはりこちらの検査は絶対必要なものだと思ってよろしいですよね?』
⇒MRIは(診断には不要」な検査です。
 まずは「ステレオガイド下マンモトーム生検」です。
 病変の拡がりについて(最終的にMRIでも確認するとしても)大事なのは「マンモグラフィー上の石灰化の拡がり」です。
 
「ただ先生に不信感が募ってしまっている中、現在の病院で検査を受けることにとても迷いがあります。田澤先生に両検査をお願いすることが出来ればそんなに嬉しいことはありませんが、いかんせん日にちが迫っているためそれは難しいでしょうか?」
⇒治療及び初期治療が重要な事はいうまでもありません。
 今までの経緯からすると「適切な診療」とは言い難いと思います。
 幸い、「ステレオガイド下マンモトーム生検」は近い日程での予約が可能です。
(MRIは撮影するとしても確定診断後です)
 もしも希望される場合には 秘書へご連絡ください。