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マンモトームの結果、adh またはfea

[管理番号:4404]
性別:女性
年齢:42歳
はじめまして。
○○県在住の○○と申します。
妻の石灰化の検査対応に
ついて、どうしても理解、納得しかねておりご相談させていただきます。
① ドックで石灰化が大きくなっていたため要再検
② かかりつけの乳腺クリニック受診)再度マンモグラフィ,エコー,
MRI
⇒ごくごく小さい石灰化だが,大きくなっていることなどから,総合病院での生検を薦められる。
③ 総合病院においてマンモトーム生検
⇒5検体のうち1検体について,ADH または FEAの疑いあり
⇒主治医からは,厳重経過観察か手術の選択肢があり,手術の場合,切除の範囲が広く,乳房の変形もあるので。。。
 と判断は委ねられてい
る状態。
当面,厳重経過観察で②の乳腺外科に相談することとしましたが,不安・不明な事項として
a もともと小さくてマンモトームでもうまく当たらないかもしれないと言われていたのに,切除の範囲が大きく,乳房も変形するというのはなぜか?
b 今回,経過観察とした判断は適当か?
不躾な質問で申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
石灰化に対するST-MMTによる結果が、ADH:atypical ductal hyperplasia
やFEA:flat epithelial atypiaとの事ですね。
これは、ST-MMTを沢山行っていると、極めてしばしばあるケースであり、以前まとめたものを「トップページ」の中の「ADH」タブの「ADHについて」や「鑑別困難とADH」を参照してください。
○ポイントとしては
 1.ADHは「ごく狭いだけ」で、実態は「低異型度の非浸潤癌」である。
 2.(ST-MMTなど)サンプリング検査でのADHとの診断は「病変全体をみていない」ので、実際に病変全体をみてみる(これが、外科的生検=手術です)と、半数以上で「癌の診断となる」ということ
 3.以上のことを理解せずに「前癌病変」であり、「癌では無い」みたいな理解しかない乳腺外科医が多い
「a もともと小さくてマンモトームでもうまく当たらないかもしれないと言われていたのに,切除の範囲が大きく,乳房も変形するというのはなぜか?」
⇒これは石灰化病変だからです。
 「石灰化」ひとつひとつは小さいから、的に当てるのは大変だが、(摘出するとなると)「石灰化の範囲全て」となるので「広範囲となる」のです。
 ♯夜空に浮かぶ星座を思い浮かべてください。(星のひとつひとつは点ですが、星座となると広範囲ですよね?)
「b 今回,経過観察とした判断は適当か?」
⇒冒頭に挙げた理由により、
 当院では同ケースで「経過観察」とすることはありません。(ご本人の強い希望で経過観察とする例外を除く)