乳がんプラザ|乳がんの手術は江戸川病院・東京


[管理番号:4123]
性別:女性
年齢:40歳

田澤先生

先生の明快で論理的なご回答、たいへん勉強になります。
いつもありがとうございます。

初期乳がんの診断を受けて今月手術予定です。
ご相談したいのは、マンモートム生検後の病側乳房の状態の悪さとその影響についてです。

私はもともと両胸に乳腺炎の傾向があり、20年ほど時々分泌物が出る症状がありました。
秋に胸にしこりを見つけて診察をうけ、嚢胞に入った状態の乳がんが見つかりました。。
嚢胞は直径2cmほどで、半分が液体、半分が悪性細胞という状態で、液体部分からも悪性細胞の存在が確認されましたした。

その後大きな病院に転院して各種検査を行いました。
所見はグレード
1、ki-67: 20%、HER2:陰性、ホルモンは2種類とも高い陽性、ステージは0か1か不明、リンパ転移は確認できず、とのことです。

MRIでがん細胞が広く乳管内を伝わって広がっていることが分ったので部分切除ではなく全摘手術を行うことになりました。

病側の乳房の状態ですが、経緯としては、針生検後にしこりが腫れた様に少し大きくなり、触ると当初よりも2倍近く膨らんだ様に感じられました。
針生検の約10日後に転院先でマンモートム検査を行った日も、まだ患部が膨らんだ様に感じられる状態でしたが、エコーで確認した限りは、嚢胞は直径2.3-2.3mmほどの大きさで、本人が手で触って感じたほどの大きさの変化は、嚢胞自体にはありませんでした。
医師からは、嚢胞内の液体が増えた他に、周囲が一時的に固くなっているかもしれないと言われました。

マンモートム検査後に、患部が固く腫れあがる感じはより顕著になり、
強く胸を摘ままなければ探し出せなかったしこりは、胸を上から軽くつかんだだけですぐ触れる様になりました。
自身で触った感触では、直径で5~6cmほどのお椀型の部分が固くなっている様に感じられます。
ただ、以前の嚢胞の感触ほど固くはありません。

マンモートム以降、乳頭分泌物の量がかつてないほどに増え、厚くあてたガーゼを通り越して、
黄色く固まった分泌物で下着まで汚れていることもあります。
マンモートム検査から1月以上が経過しましたが状態が改善しません。
その間に乳頭はただれて腫れ、時々鋭い痛みも感じます。
但し、マンモ検査後にMRIや再度エコー検査を行っていますが、嚢胞自体はそれほど大きさに変化はない様です。
が、触ると、間違いなく何かしらの大きく固い部分があります。

主治医に相談しましたが、原因は分からない、分泌にはがんが何かしら関わっていると思われる、手術で全て取るのでその後は問題はなくなりる、という回答でした。
、触診はなく、症状の原因特定に興味を持たれていない様子でした。

今月手術の予定ですが、マンモートムからは7週間、針生検からは8週間ほど経っています。
医師からの病状の説明によると、乳管の一部が膨らんでできた嚢胞からの分泌物が乳頭にまで達している、(その為に乳頭乳輪も含めた摘出が望ましい)とのことでした。
ということは、現状、毎日悪性細胞を含む大量の分泌物が患部から乳頭に流れている可能性があるということではないかと思います。
それにより、静脈やリンパ管への浸潤リスクが上がっているということはないでしょうか?
 一般的に腺様嚢胞癌は浸潤、転移の傾向が早いと聞き、私の症状に当てはまるのか分りませんが、不安に感じています。
手術が近いので今更という感もございますが、この状態は何なのか、がん細部が周囲に広がるなど進行のリスクに影響はないのか、ご見解を頂きたく、宜しくお願いします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

状況は解りました。

○私が一番危惧しているのは「局所」に対する認識の甘さです。
 嚢胞内腫瘍(癌)を(診断がつかないからと言って)平気で太い針(バネ式どころか、マンモトーム!)で「打ち抜く」ことの危うさです。

 本来「嚢胞内腫瘍」では「細胞診で(確定診断はつき難いかもしれませんが、クラスⅢb以上)あたりをつけて」摘出生検すべきです。
 ♯質問者の場合には「全摘」するから、問題はありませんが、「もしも部分切除を選択しようとした場合」大変な足枷(リスク)となることは間違いありません。

「直径で5~6cmほどのお椀型の部分が固くなっている」「乳頭分泌物の量がかつてないほどに増え、厚くあてたガーゼを通り越して、黄色く固まった分泌物で下着まで汚れている」
⇒この状況は「嚢胞内腫瘍を平気で太い針で打ち抜く」ことが原因となっています。

 「嚢胞内容が(嚢胞外へ)流出」したり、(組織反応で)瘢痕形成して硬くなったりしているわけですが、本来は「綺麗な状態で、傷つけずに」摘出することが理想的なのです。

「それにより、静脈やリンパ管への浸潤リスクが上がっているということはないでしょうか?」
⇒「転移とか浸潤」とは無関係です。 その点はご安心ください。

 ただ、「乳腺内に拡がるリスク」は当然あります。
 それに関しては「全摘」することで問題ありません。

「一般的に腺様嚢胞癌は浸潤、転移の傾向が早いと聞き」
⇒誰がこんな「馬鹿げたこと」を書いているのですか?(言葉が悪くてスミマセン)

 腺様嚢胞癌は「乳癌の中では例外的な位、大人しい」ものです。
 馬鹿馬鹿しいネットの情報は今すぐ忘れることです。

「がん細部が周囲に広がるなど進行のリスクに影響はないのか」
⇒「嚢胞壁(つまり、乳管壁)を破ることにより内容物が乳腺内に散らばる」ことは(短期的には)「乳房全摘」することで、何の問題もありません(乳腺を全部取ればいいのです)
 
 ただし、その状態(乳腺内に散らばったかもしれない状態)を続けたまま、手術せずにそのままにしていると、確かに「乳腺外に拡がるリスク」となるかもしれません。
 ♯「今月手術」のようなので、それらは気にする必要は全くありません。
 ご安心を。





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