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マンモトーム検査時の細胞のかたさ

[管理番号:2855]
性別:女性
年齢:57歳
はじめまして、よろしくお願いします。
3/(下旬)市のガン健診でマンモ撮影、右外側、砂を散りばめた画像。
すぐにガン予防センターで検査を受けるよう
3/(下旬)再度、マンモとエコー、麻酔なし針で細胞採取。
硬くて針が入らないと医師。
結果は判別不能。
エコーでは3センチくらいの大きさ、骨、リンパには転移なし。
精密検査必要、ガンでなくても、手術で取らないといけないといけないと。
4/(上旬)紹介状持参で◯大病院へ、マンモ、エコーでは大きさは3センチ弱くらい。
リンパはには無し。
4/(中旬)マンモトーム、針7本、硬く細胞採取出来てないかもしれない、再検査もあり。
方向を変えて採取してくださいましたが、硬くて取れない様子で不安になりました。
①硬いのは何故か?
②どういう状態か?
③がんではないのでは?
④がんが筋肉にへばりついてるなら、筋肉も切除になるのか?
月末にはMRI、月初は上腹部超音波、麻酔科術前外来の予約が入ってます。
転職したばかりで時間もかかり不安です。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
確かに「腫瘍に硬さ」はあります。
乳癌で硬いのは(その名の通り)「硬癌」です。
♯硬癌は「硬い線維(fiber)を腫瘍内に豊富に巻き込んでいる」ため、かなり硬くなります。
 硬さによっては「細胞診(麻酔無しで採取というのがこれです)では採取困難」なことはあります。(ただし、きちんとした技術があれば必ず採取できます)
「砂を散りばめた画像」
⇒これは「石灰化のこと」ですよね?
 画像で「乳癌を疑う」が「実は乳癌ではなかった」例としては「糖尿病性乳腺症」とか「肉芽腫性乳腺炎」「fibrosis」などがあります。
 ただし、これらは「石灰化を伴わない」
 ○「砂をちりばめた画像」なるものが「典型的な壊死型石灰化」ならば、「癌以外には考えられない」のです。
 
「硬く細胞採取出来てないかもしれない、再検査もあり。方向を変えて採取してくださいましたが、硬くて取れない様子」
⇒申し訳ありませんが…
 これは「術者の問題」ではないかと思います。(大学病院であれば、熟練している事はないでしょう)
 マンモトームで採取できないことは「およそ、考えられない」
 
「①硬いのは何故か?」
⇒fiberを豊富に巻き込んでいるからだと思います。
 
 
「②どういう状態か?」
⇒硬い組織だから「診断に苦労している」状態なのだと想像します。
 
「③がんではないのでは?」
⇒私は画像を見ていないので「確かなこと」は言えません。
 超音波やCTなどで「癌と間違われ易い」疾患はいくつかあります。
 その中で「fibrosisや糖尿病性乳腺症」は確かに硬いです(それでも、マンモトームで採取できないというのはおかしいですが)
 やはり、この場合私が気になるのは「砂をちりばめた画像」という表現です。
 これが「壊死型石灰化」ならば、「癌以外にはありえない」のです。(逆に言うと、壊死型石灰化でなければ実は癌では無い可能性もあります 稀に「やや粗大な石灰化」を伴う良性腫瘍があります)
 
「④がんが筋肉にへばりついてるなら、筋肉も切除になるのか?」
⇒乳癌が「大胸筋浸潤」することは、かなり稀です。
 心配ありません。
 もしも「本当に直接浸潤」していた場合には「大胸筋全部ではなく、その部位近傍だけを合併切除」すればいいのです(大した支障はありません)