乳がんプラザ|乳がんの手術は江戸川病院・東京


[管理番号:124]
性別:女性
年齢:47歳

2013年3月に大学病院で石灰化があるという診断を受け、9月に経過観察で再受診。

その際に今後は近隣のクリニックで半年に一度ずつ経過観察をしてもらうようにという紹介状をいただきました。
 

2014年3月にクリニックを受診すると悪性である可能性はほとんどないから年に1度の検査で良いと言われました。

その後、胸から脇にかけて痛みを感じたりすることもあったのですが、乳がんで痛むことはほとんどないというは話をネットで読み、あまり頻繁にマンモグラフィを受けるのもためらわれ、年に1回の経過観察を待っているところです。
 

ただ検査が近づくにつれもし急激に悪化してリンパ節転移でもしていたらどうしようかと非常に不安になり恐ろしくてなりません。

もし幸いにして今度の検査で異常がなければ、今後は不安感が強いことを理由に半年に1回のエコー診断と年に1回のマンモグラフィで経過観察していただけないか申し出ようと思うのですが、エコー診断というのは単独ではあまり意味がないものなのでしょうか。

毎回マンモグラフィ検査を合わせてやらないと意味がありませんか?
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「マンモグラフィーとエコーの違い」
 非常にいい質問です。
 私自身も、一般の方に「その違い」を理解してもらいたいと考え、市民講座ではしばしばスライドを用いて説明しています。
 総じて、聴衆者にも興味を持っていただいていると感じています。

マンモグラフィーとエコーの違い

 実に沢山の「違い」があるのですが、「大事なものから順番をつけて」記載します。

  1. エコーは術者(検査する者)の技量で結果が大きく異なる。 マンモグラフィーは(誰が撮っても)おおよそ同じ結果となる。

    ⇒ザックリと言うと…
     (エコーでは)上手い乳腺外科医なら3mmの病変も見つけるが、逆に慣れていない者が検査すると1cmの病変でも見逃す事がある。
     (マンモグラフィーでは)誰が撮っても、1.5cmの病変なら確実に病変を見つけられるが、5mm~1cm位の病変は誰が撮っても見つけられない。

     経験豊富な乳腺外科医であれば、(石灰化のチェック以外には)マンモグラフィーは不要、エコーで十分と思っています。
     逆に、(超音波技術に自信の無い)医師は、マンモグラフィーに頼りがちとなります。(見落としが怖い)
     

  2. 石灰化所見は、マンモグラフィーでしか検出できない。 ※「腫瘤形成を始めた頃」になればエコーでも見える。

     私も、石灰化を考えると1年に1回のマンモグラフィーは必要だと思っています。

     「3mm程度の小さな腫瘤はエコーが有用(但し術者の技量に大きく左右される)」
     「初期の石灰化所見はマンモグラフィーでしか見えない(しかも誰がみても解る)」
     

  3. 若年者(~30代)はエコーが見易い。年長者(60代~)はマンモグラフィーが見易い。 (40代~50代は、個人差がありますが、両方で見易い)

     乳房を構成している大事な成分は「乳腺組織」と「脂肪組織}です。
     若いうちは乳腺が豊富ですが、「歳を重ねるにつれて、乳腺は退縮して脂肪が増加」していきます。

      若年者 年長者
    マンモグラフィー 乳腺が豊富で「腫瘍が周囲の乳腺に重なり隠れる」 (乳腺が退縮し、脂肪が増え)「腫瘍が乳腺によって隠されない」
    エコー 乳腺が豊富で「乳腺の中の腫瘍はエコーでは見易い」 (乳腺が退縮し、脂肪が増え)「脂肪の中の腫瘍はエコーで見ずらい(隠れる)」

     

    若年 中間(40代~50代) 年長
    乳腺が豊富 中間 脂肪が豊富
    マンモで見ずらい 中間 マンモで見易い
    エコーで見易い 中間 超音波で見ずらい

     

  4. (検診レベルでのエビデンス:証拠)
     乳癌検診としてはマンモグラフィー検診の有用性は確認されているが、エコー検診の有用性は確認されていない。

     この背景には欧米では乳房が大きく(脂肪も多い人が多い)エコーが困難であり、マンモで見易いという事情があります。

     ※それで、日本人の乳腺は(特に若年者では)乳腺がしっかりしていて(脂肪も比較的少ないので)「エコーが有用であるという仮説」を証明するために、厚生労働省指定研究である J-START(40代でマンモ単独vsマンモ+エコー)でエコーの有用性を証明しようとしています。(現在進行形)
     

回答

 「エコー診断というのは単独ではあまり意味がないものなのでしょうか?」
⇒(上記で述べたように)エコー単独でも十分意味があります。
 むしろ小病変はエコーでしか解らないのです。
 ただ(乳腺エコーの経験が乏しい、一般外科医の)エコーではあまり意味がありません。
 乳腺外科医であれば、(有る程度は)乳腺エコーに自信を持っているはずです。
 

「毎回マンモグラフィ検査を合わせてやらないと意味がありませんか?」
⇒マンモグラフィーは1年に1回で十分です。
 但し、「良悪の鑑別困難な石灰化」を経過観察する場合には「最初の2年間は」半年に1回がいいでしょう。
 

健診「期間」について 私の考え

 超早期発見(腫瘍径5mm以内)を狙うなら
 ⇒半年に1回の超音波+1年に1回のマンモグラフィーでOK

 早期発見(腫瘍径2cm以内、リンパ節転移無し)を考えるなら
 ⇒1年に1回の超音波+1年に1回のマンモグラフィーでOK
 

◎相談者が心配するような「急激に悪化してリンパ節転移を起こす状態」は通常の1年に1回の健診をしていれば心配ありません。





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