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777 リンパ節転移(センチネルと腋下の違い)の質問に便乗して

[管理番号:3701]
性別:女性
年齢:37歳
田澤先生
いつもこのサイトで勉強させていただき、希望をいただいています
今回私がした質問ではないのですが
質問NO.777 リンパ節転移(センチネルと腋下の違い)について質問されていた内容が私が知りたかったこととほとんど同じで、とても勉強になりました
それでその質問の質問者ではないのですが追加で気になることがありますので質問させてください
私は最初胸のしこりを見つけて病院に行ったとき、リンパ節の腫れを指摘され、そのまま胸のしこりと脇の腫れを生検し、手術前にリンパ節転移が明らかになりました
よってセンチネルリンパ生検は行わず腋下郭清、温存手術で術後の病理結果でしこりの大きさ1.4センチ、リンパ節転移一個という結果でした
リンパ節に転移するにはまずセンチネルリンパ節を通ると言われていますが、ということはつまり私のリンパ節転移一個というのはセンチネルリンパ節に転移していたということでしょうか。
センチネルリンパ節はそのあとのリンパ節に転移する前の見張り役と言われていますが、私の場合、先のリンパ節にはがん細胞が行かずセンチネルリンパ節で食い止められていたということでしょうか。
センチネルリンパ節でとどまっているということは予後もそんなに悪くないと考えて良いのかと希望的観測で考えてよいのでしょうか。
(もちろんリンパ節転移の有無または個数での再発率は統計上に過ぎないことも承知していますが…)
リンパ節転移3個までと4個以上で統計的にですが再発率に差が出るのはセンチネルリンパ節でとどまっているか、その先のリンパ節に転移しているのかの差なのかと思った次第です
今まで何故3個と4個で線引きしているのかが疑問だったのでこの理由でしたら腑に落ちます
ご回答よろしくお願いします
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「リンパ節に転移するにはまずセンチネルリンパ節を通ると言われていますが、ということはつまり私のリンパ節転移一個というのはセンチネルリンパ節に転移していたということでしょうか」
⇒そう考えるが妥当です。
「センチネルリンパ節はそのあとのリンパ節に転移する前の見張り役と言われていますが、私の場合、先のリンパ節にはがん細胞が行かずセンチネルリンパ節で食い止められていたということでしょうか」
⇒そういうことです。
「センチネルリンパ節でとどまっているということは予後もそんなに悪くないと考えて良いのかと希望的観測で考えてよいのでしょうか」
⇒リンパ行性転移と血行性転移は区別してください。
 リンパ行性転移が致命的となるのではなく、あくまでも「血行性転移が問題となる」のです。
 リンパ節転移は(参考までの)「リスク因子」の一つにすぎません。
「リンパ節転移3個までと4個以上で統計的にですが再発率に差が出るのはセンチネルリンパ節でとどまっているか、その先のリンパ節に転移しているのかの差なのかと思った次第です」
⇒質問者の勘違いです。
 あくまでも「どこで線引きをするか?」というなかで「感覚的に解り易い区分(3個まで/10個以上)」での線引きです。
 ○センチネルリンパ節は、特別なリンパ節ではありません。
  あくまでも「最初に癌細胞が到達するリンパ節」というだけであり、(その他の)「腋窩リンパ節」と何ら変哲はありません。
  「センチネルリンパ節生検をする際に、センチネルリンパ節と呼んでいる」だけの話です。
「今まで何故3個と4個で線引きしているのかが疑問」
⇒何事にも「分類」が必要(便利)というだけの話です。
 例えば「腫瘍径も2cmと5cmで分けていますが…」ただ、それだけの意味です。(理論的な理由はありません)