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リンパ節転移への考え方

[管理番号:3635]
性別:女性
年齢:41歳
6月の検診(検診専門センター)で左胸内側に5ミリくらいの腫瘤が見つかり、自宅に近い総合病院に紹介状を書いていただきました。
今の主治医は外科の先生で、乳腺専門ではありませんが、乳がんに関しても経験豊富そうな年配の先生です。
経緯としては、紹介先の病院で超音波→細胞診をしたところ、クラス3でした。
先生は2~3か月様子を見てもという感じでしたが、希望であればMRIをということでお願いしました。
その結果、光り方や曲線の表し方?で、良性と悪性両方の所見が見られるということでした。
その後、針生検を飛ばし(私の場合、針ではまたわからない可能性があるというニュアンスだったと思います。
この時点で先生の目から悪性度が高く、いずれにしても手術になる可能性が高いと判断されたのかもしれません)切除生検を勧められ、しこりの周りを2センチくらい、全部で4センチ四方くらいの塊を局所麻酔の日帰り手術で取りました。
結果、浸潤性乳管がんということで、組織診断は
A area 0.7×0.4×0.5cm,pT1b
Papillotubular carcinoma, ly0,v0
JBCS nuclear grade:1(1+1)
WHO grade:1(2+1+1)
Her-2(1+),ER(score 3b)(90-100%),PgR(ACORE 3b)(90-100%),ki-67(less than10%
positive)
とのことでした。
切除生検で開けてみて悪そうだったため、上記のような処置をしてくださったようで、結果これが手術で取り除いた形なり、その後の入院手術などはしていません。
傷は一か所です。
ただ、取った組織の乳管内にパラパラと4つくらいがん細胞?が認められたため、
これから残った乳腺全体に放射線治療をし、さらにホルモン感受性が多いタイプだったので、ホルモン療法も併用となりそうです。
お聞きしたいのは、
ハーツー因子マイナス(と主治医に言われましたが、
コピーをいただいてよく見ると1+とあるのはなんなのでしょうか)グレード1で悪性度が低い、
しこりも小さいのは本当にほっとしたのですが、リンパ節などへの転移を確認していない点です。
主治医はそんなに心配ならいつでもやりますよ、とおっしゃいますが、センチネルリンパ節生検だと、また切らないといけなくて、入院も5日間くらいになるかもと。
今の段階でそこまで
する必要はないと思う、万が一この先しこりが触れるなどで転移が認められたら、
その時に対処するので十分大丈夫と言われました。
あとは希望があればPET-CTで確認することもできるといわれ、やっておこうかと思っているのですが・・・。
とにかく早期発見、早期治療が第一とお考えになる田澤先生はどう思われますか?
私は心配しすぎでしょうか?
ステージを告げられるのも怖いですが、転移を調べていないですし、ステージに関しても何も言われていない状況です。
長々すみません。
ご意見をお聞きしたく、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
(経過観察となってしまうところを)寸前のところで「7mmの浸潤癌で見つかった」こと。これが今回の勝利です。そこは十分に噛みしめてください。
5mmの腫瘤を「針ではまだ解らない可能性がある」と言っているようでは困ったものですが、結果としては問題無い治療と言えます。
「ハーツー因子マイナス(と主治医に言われましたが、コピーをいただいてよく見ると1+とあるのはなんなのでしょうか)」
⇒HER2の評価は0~3+まであります。0と1+は陰性なのです。
 0、1+:陰性
 2+:FISHで確認が必要
 3+:陽性
 
「今の段階でそこまでする必要はないと思う、万が一この先しこりが触れるなどで転移が認められたら、その時に対処するので十分大丈夫と言われました。」
⇒7mmの癌ですから、(リンパ節転移の可能性はかなり低いので)私も「このままセンチネルリンパ節生検をしない」ことには賛成です。
 ただし、(そうするのであれば)「触れるなどしなら」ではなく、きちんと「定期的に超音波で確認すべき」です。
「早期発見、早期治療が第一とお考えになる田澤先生はどう思われますか?」
⇒上記コメントのように…
 ○センチネルリンパ節生検を省略するのであれば、定期的に(最低半年に1回)医師自らが超音波をすることが前提となります。
 勿論心配ならば、(追加で)センチネルリンパ節生検してもいいでしょう。(5日も入院は不要です。2泊3日で十分すぎます)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

二度目の質問で恐縮です。
前回はご丁寧にありがとうございました。
今年の8月(下旬)日に左胸内側下方にあるしこりを切除生検し、7ミリの浸潤がんであることがわかりました。
生検とはいえ大きめに取ったため、結果これが治療となり、9月下旬より放射線治療を行なっている真っ最中です。
最近(ここ1ヶ月弱くらい)左側の脇がたまにズキズキと痛みます。
本当に脇の下だったり、上のほうだったり横だったり。
ただずっとではなく、1日のうちで気づいたら痛い、気づいたら痛くなくなっているという感じで、すごく痛いというわけでもありません。
生理に関係あるかと
も考えましたが、最近終わったところで、前後最中で変化はありませんでした。
これが右側ならまだしも、左側だけの症状なので、心配です。
主治医に術後疼痛などと関係があるかお聞きしましたが、それはまったく関係ない、原因はわからないから様子をみるのでいいのではないかと言われました。
この痛みにはどのような原因が考えられるでしょうか?
前回もお話しましたが、脇の転移については一切調べておりません。
PETCTもひとまずやらないことにしました。
小さなガンですが、再発や転移の心配はしなくて大丈夫なのでしょうか。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
まず、大前提として理解していただきたいことは
『リンパ節転移に症状など全くない』ということです。
○もしかしてネットかなにかで「私は脇が痛かったの。そしたらリンパ節転移していたわ」みたいな書き込みがある?のかもしれませんが…(見た事が無いので、無いのかもしれません)
 それは誤りです。
 女性ホルモンの刺激による痛みが腋窩にある人に「たまたまリンパ節転移があった」場合に、その人は「やっぱり。脇が痛かったもの。転移のせいだったのね。」みたいに誤解しているだけです。
 北○さんや誰それが「痛みで発見」など書いているものも誤解のもとです。
 それは専門家から言わせれば(見つける)「単なるきっかけ」に過ぎません。
 つまり、そもそも(女性ホルモンの刺激に寄る)「乳頭部痛」があったので、病院に行ったら(偶然)その周囲に「癌がみつかった」だけに過ぎません。
「主治医に術後疼痛などと関係があるかお聞きしましたが、それはまったく関係ない」
⇒その通りです。
 リンパ節転移に症状などありません。
「この痛みにはどのような原因が考えられるでしょうか?」
⇒「手術の影響(手術をすれば、当然炎症性にリンパ節が腫れます。 虫歯や耳下腺炎、感冒などで頸のリンパ節が腫れるように)」もしくは「女性ホルモンによる刺激症状」もあるかもしれません。
 リンパ節転移とは無関係であることは1000%確実です。(そもそもリンパ節転移に症状など無いのです)
「前回もお話しましたが、脇の転移については一切調べておりません。」
⇒別に大層な検査が必要なわけではありません。
 主治医にエコーで診てもらえば済むだけの話です(10秒もかかりません)
「PETCTもひとまずやらないことにしました。」
⇒当たり前です。
 7mmの癌で、本気で遠隔転移の心配をしているのですか??
「小さなガンですが、再発や転移の心配はしなくて大丈夫なのでしょうか。」
⇒遠隔転移など想像する必要は全くありません。
 ただ、「腋窩リンパ節」はエコーでみてもらえばいいのです。(10秒もかかりません)