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術後の痛みとリンパ節転移について

[管理番号:2819]
性別:女性
年齢:51歳
今日の診察で病理検査の結果を聞き混乱しています。
どうぞ回答をお願い致します。
今年2月に健康診断からの要精密により乳癌と診断され3月(下旬)日に手術を受けました。
手術してみないことには確定ではないが非浸潤癌との説明でした。
左乳頭直下付近なので、全摘出を勧められ、センチネルリンパ節生検、再建の為エキスパンダー挿入を行いました。
手術終了後、「リンパ節に転移があったので腋窩リンパ節郭清をしました」と先生より言われました。
癌の告知を受けショックで眠れない日々を過ごしましたが、非浸潤癌とのことで前を見て進もうと思っていた矢先に腋窩リンパ節郭清。
「浸潤癌ということなんだ」と再びショックを受けました。
そして今日の診察で病理検査を聞きました。
非浸潤部は5.8cm、浸潤部は0.4cm、女性ホルモン受容体 強、HER-2 ?、
ステージ2A、とのことでした。
但しリンパ節への転移が
20/24だったそうなのです。
「通常浸潤部が0.4cmだとこの数は珍しい」と言われました。
リンパ節転移の数の余りの多さにどう考えたら良いのか途方に暮れています。
担当医は「なんとも言えない」とのこと。
予後は良くないのでしょうか?どう考えたら良いのでしょうか?今後の治療として放射線治療後抗がん剤と言われました。
手術直後からの脇から体側の痛み、上腕と鎖骨付近のピリピリにも悩まされています。
エキスパンダー挿入も放射線治療は出来るのでしょうか?
混乱していて乱文ですみません。
各々に回答をいただけ
るとありがたいです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「予後は良くないのでしょうか?どう考えたら良いのでしょうか?」
⇒「腫瘍径も小さい」のだから、そんなことはありません。
 リンパ節はあくまでも(リスク因子ではあっても)「局所」なのです。
 
「エキスパンダー挿入も放射線治療は出来るのでしょうか?」
⇒通常はリスクがあるので、「インプラントへ入れ替え」後に行う事が多いです。
 エキスパンダーが出てくる可能性については、お話があった筈です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

乳がんを告知されて以降、先生のご助言と質問者の皆様に力を頂いています。
3月下旬に充実腺管がんで左乳房切除術、浸潤径4ミリ×3ミリ、
腋窩郭清(レベルⅢまで20/24)、浸潤度:脂肪織、リンパ管侵襲:2、血管侵
襲:0、グレード:1、ki67:10%未満、ホルモン受容体:ER+,PgR+、HER2
蛋白(IHC法1+)同時再建(現在エキスパンダー挿入中)以上結果について
私にわかる範囲で書かせていただきました。
鎖骨周囲に25回の放射線照射済(胸壁、腋窩は行っておりません)化学療法としてFECx4、ドセタキセルx4の予定で現在FECの初回を行ったところです。
質問をお願い致します。
1、ステージ3c、ルミナールAと考えてよろしいでしょうか?
提示されている化学療法について妥当でしょうか?
2、腫瘍径4ミリでもリンパ節転移が20/24あると再発、転移のリスクはかなり高いのでしょうか?
再発率、生存率がわかりましたらお教えください。
又再発、転移なく過ごせる可能性はあるのでしょうか?
3、済んでしまった事ではありますが、
放射線照射の部位は充分とお考えになりますか?胸壁や腋窩にしていないことが気になります。
4、当初ステージ2aと言われておりそれをせめてもの救いにしていたので最近3cと言われその違いに戸惑っています。
どの様に考えたら良いか、心の均衡が保てなくなります。
私の予後に救いはありますでしょうか?よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
エキスパンダー留置中に「放射線照射」したのですね。
通常は「シリコンに入れ替えてから」照射が多いようですが、「鎖骨上リンパ節へ早く照射したい」という理由でしょうか。
 
「1、ステージ3c、ルミナールAと考えてよろしいでしょうか?」
⇒その通りです。
 pN3よりステージは3Cとなるし、Ki67はかなり低値なので明らかにluminalAです。
 luminalAですが、リンパ節転移4個以上では化学療法の適応となります。
 
「提示されている化学療法について妥当でしょうか?」
⇒妥当です。(アンスラサイクリン+タキサン)
 
「2、腫瘍径4ミリでもリンパ節転移が20/24あると再発、転移のリスクはかなり高いのでしょうか?再発率、生存率がわかりましたらお教えください。」

再発率 26%
10年生存率 76%
 
「又再発、転移なく過ごせる可能性はあるのでしょうか?」
⇒当然あります。
 ほぼ3/4の確率で転移再発ありません。
 
「3、済んでしまった事ではありますが、放射線照射の部位は充分とお考えになりますか?胸壁や腋窩にしていないことが気になります。」
⇒本来は「胸壁にもかけるべき」です。
 ただし、「シリコンへの入れ替え前」なので(急ぎたい)「鎖骨上のみ」照射したと推測します。
 その意味では、「シリコンへ入れ替えた後」であれば「胸壁照射のみ追加」するという方法が残っています。
 
「私の予後に救いはありますでしょうか?よろしくお願い致します。」
⇒冷静に考えましょう。
 リンパ節転移は「あくまでも局所」であり、「予後因子の一つ」にすぎません。
 実際に3/4は転移再発しません。
 Luminal typeだからホルモン療法の継続が鍵だと思います。