Site Overlay

リンパ郭清

[管理番号:6372]
性別:女性
年齢:53歳
田澤先生
いつも大変お世話になっております。
現在 ステージ1、
8ミリと診断され部分切除およびセンチネル手術日が迫り、下記事項を決断をしなければならないのですが迷っています。
病院からセンチネルの結果、微小転移やある程度の大きさでも1個以内の転移 であれば郭清しない旨の説明がありました。
微小転移でも郭清するという方法も選択出来るようですが迷っています。
どちらにすべきでしょうか?
リンパ節を全て郭清した場合のデメリットとして、浮腫や脇のつっぱりなどの説明がありましたが他にはないのでしょうか?
よく分かりませんが人間の体に不要なものはないような気がします。
また、術後放射線治療およびホルモン療法についての説明がありましたが転移がなかった場合でも放射線やホルモン療法は必要なのでしょうか?
転移がなければ切って終わりよりは放射線やホルモン療法を受けた方が良いのでしょうか?
再発だけは避けたいと思っております。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「センチネルリンパ節生検の取り扱」は、おおよそ以下の3通りがあり、施設によって様々です。(因みに当院では2)
(厳しい順に)
1.微小転移でも郭清する。
2.微小転移なら郭清省略する。
3.肉眼的転移でも3個以内なら省略する。
「病院からセンチネルの結果、微小転移やある程度の大きさでも1個以内の転移であれば郭清しない旨の説明」
⇒2と3の中間のようですね。(前半は2ですが、後半は2と3の間となります)
「微小転移でも郭清するという方法も選択出来る」
⇒患者さン側に「強い意志」が無い限り、このような言い方は却ってよくないと思い
ます。
 『当院では「この基準」でやってます。よろしいですか?』が本来のやり方でしょう。(そう提案した際に、患者さん側から「微小転移でも郭清して欲しい」という希望がでた場合にそのように対応すればいいのです)
「どちらにすべきでしょうか?」
⇒(もともとの)その施設基準でもいいとは思います。(正解はありません)
 ただ、私個人は2がバランスがいいと思っているので2を選択しています
「他にはないのでしょうか?」
⇒ありません。
「転移がなかった場合でも放射線やホルモン療法は必要なのでしょうか?」
「転移がなければ切って終わりよりは放射線やホルモン療法を受けた方が良いのでしょうか?」

⇒根本的に「誤った理解」をしています。
 それについては担当医の説明に問題があるのかもしれません。
ポイントは2つ
1.「リンパ節転移」と「遠隔転移」は全く別物だという理解(そもそもリンパ節転移は「リンパ行性:リンパ管を通った転移」であり、全身臓器である遠隔転移再発は「血行性:血管を通った転移」なのです)
2.治療を「全身」と「局所」に分けること
☆1.つまり、質問者のいう「転移がなかった場合」とは「リンパ節転移が無かった
場合」という意味ですよね?(リンパ節転移が無かったからといって、将来的に遠隔転移が起こらないこととは全く無関係です)
 ホルモン療法は(リンパ節転移が有る無しとは)無関係に、あくまでも『将来的に、遠隔転移再発が起こらないために行う』のです。
☆2.放射線治療は「局所」治療であり、ホルモン療法は「全身」治療です。
 将来的な「遠隔転移再発」を予防するために、全身療法であるホルモン療法を行い、将来的な「温存乳房内再発」を予防するために、局所療法である放射線を「温存乳房に行う」のです。
○お解りですか?
  リンパ節転移が無かったとしても(それとは、全く無関係に)「全身治療であり、全身の遠隔転移再発予防のためのホルモン療法」と、「局所療法であり、温存乳房内再発予防のための放射線治療」は必要ですよね?
 
 

 

質問者様から 【質問2 リンパ郭清】

性別:女性
年齢:53歳
田澤先生
先日はとても判りく説明していただきありがとうございました。
リンパ節転移が無かったとしても(それとは、全く無関係に)「全身治療であり、全身の遠隔転移再発予防のためのホルモン療法」と、
「局所療法であり、温存乳房内再発予防のための放射線治療」は必要ということが理解できました。
また基本的なことを質問し申し訳ございませんが、全身の遠隔転移の再発防止の治療法として、
手術後ガンのサブタイプを調べて、サブタイプによりホルモン治療か抗がん治療を決定するということでしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
そういうことです。
それが「サブタイプに応じた治療」ということなのです。(リンパ節転移とは無関係)