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ルミナールBで抗がん剤を追加するかどうかについて

[管理番号:5606]
性別:女性
年齢:44歳
いつも拝見しており、勉強させていただいています。
同様の質問もたくさんあり拝見しましたが、自分の場合の細かな病理結果であると少し変わってくるのかも?との思いから質問させていただきます。
お忙しいところ申し訳ありません。
44歳、出産経験なし、閉経前 です。
ステージ2Aの診断を受け、9/(下旬)に全摘(乳輪・乳頭温存)手術をし、先日その病理結果が出ました。
ちなみに、手術は温存も可能でしたが、再発が怖かったため全摘を選びました。
・充実腺管癌
・浸潤径: 1.5cm
(しこり全体の大きさは不明、ただし術前のエコー・MRIでは2.1cm)
・脈管侵襲: ly1, v1
・リンパ節転移: 0/1
・断端: –
・核異型度: 2(核異型、核分裂像の内訳は不明)
・ER+(低め 具体的な数値は不明),PgR-, Her2-
・KI-67: 50~60%
上記の「不明」のところは、説明がありませんでした。
主治医の先生によると、この検査結果から算出された10年生存率は88.7%、抗がん剤を追加することによる改善は2%、とのことで、今後の治療方針については、
「ホルモン剤による治療は確定、あと抗がん剤をするかどうかは後日相談」
とのことでした。
ルミナールBであり、ルミナール型ではありながらホルモン感受性は低く、脈管侵襲もあり、KI67値も高いので、10年生存率はもっと低いものと思っていました。
また、抗がん剤が当然適用されるものと思っていたので、抗がん剤治療による生存率の改善が2%と聞いて驚いています。
「2%ではやる必要がないでしょうか」とお聞きしたところ、「そうですねぇ。よく相談しましょう。オンコタイプを調べてもいいかもしれませんね」とのことで、次回2週間後の診察の際に相談することになっています。
2週間後、私は乳がんの家族歴(叔母とその娘)があったことから遺伝子検査を受けており、その結果が出るためです。
そちらも考慮しつつということで。
そのときは、抗がん剤をしなくていいかも?と喜んで浮かれた気分になっておりましたが、後でよくよく考えると色々と疑問が湧き不安になってしまいました。
そこでお聞きしたいのは、
①主治医のおっしゃる10年生存率は妥当なのでしょうか。
②田澤先生でしたら、追加の抗がん剤をお勧めされますでしょうか。
(その場合はTC療法でしょうか)
③遺伝子検査で陽性と結果が出た場合、それも考慮されるものでしょうか。
(主治医はあまり関係ないとのことでしたが)
④50~60%というKI67値の場合、高リスクになる可能性も半分以上はありそうですが、検査してみる価値がありそうでしょうか。
以上です。
主治医の先生ともよく相談するつもりでおりますが、今後の仕事の都合もありなるべく早く決断できるよう、自分の心固めのため、ご意見をお伺いできればと思います。
なにとぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「①主治医のおっしゃる10年生存率は妥当なのでしょうか。」
⇒あくまでも早期乳癌だから、(ルミナールBならば)「化学療法をすれば」それ以上にはなりそうです。
「②田澤先生でしたら、追加の抗がん剤をお勧めされますでしょうか。」
⇒勿論です。
 Ki67の判断ではルミナールBとなります。
 ルミナールBで抗癌剤を勧めないのは誤りです。
「(その場合はTC療法でしょうか)」
⇒その通りです。
「③遺伝子検査で陽性と結果が出た場合、それも考慮されるものでしょうか。」
⇒関係ありません。
「④50~60%というKI67値の場合、高リスクになる可能性も半分以上はありそうですが、検査してみる価値がありそうでしょうか。」
⇒あります。
 もしも「化学療法に迷い」があるのであれば、「納得するために」行うべきです。