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ルミナールAの術後療法

[管理番号:3004]
性別:女性
年齢:47歳
田澤先生、よろしくお願いいたします。
2016年3月に右乳癌を全摘手術し、現在は術後療法中です。
浸潤性小葉癌
Tumor size 23×8×27㎜、他LCIS 18×13×27㎜
Lymph nodes positive(SLN1/3、Level 1 +Deep0/10、Level2 0/2) Vessel invasion
ly0、v0
Stage pt2N1Mx
ER90%、PgR80%、Her2 2+(Fish陰性)
Ki67 10%
手術前の針生検では、2つの腫瘍は、12㎜と10㎜と言われており小さく大人しいタイプとの認識でした。
結局は倍の大きさで、センチネルに1つ転移とのこともあり、現在化学療法をしております。
ここまで術前術後で大きさが違うのは何故なのでしょうか。
触れていたシコリも2センチもあるとは到底思えませんでした。
また、リンパ節は15個中、結果センチネルの1個に転移でした。
少なくて安心しましたが、15個も調べる必要があったのか疑問に思っています。
通常いくつ調べるかというのは、どのような経緯で決まるものなのでしょうか。
化学療法は現在FEC4回、その後ドセタキセル4回です。
田澤先生のQAは、ずっと拝見しており、きっと先生ならばルミナールAでホルモン療法となるだろうと理解しております。
たとえ少しの可能性でも再発リスクを下げたいという思いから頑張っているところです。
とはいえ、まったく意味のない治療なのかとも思え、ドセの副作用などに怯えております。
自分はこれだけやったのだから大丈夫と安心したいだけなのかもしれません。
再発するしないに絶対は無いことは承知しておりますが、私の場合、ホルモン療法単独だった場合と抗がん剤をした場合の再発率、生存率を教えてください。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「ここまで術前術後で大きさが違うのは何故なのでしょうか。」
⇒これは「小葉癌ではよくあること」です。
 つい先日も、私自身の患者さんからも「QandAでお答えしている」ので参考にしてください。
 
「また、リンパ節は15個中、結果センチネルの1個に転移でした。少なくて安心しましたが、15個も調べる必要があったのか疑問に思っています。通常いくつ調べるかというのは、どのような経緯で決まるものなのでしょうか。」
⇒当然の疑問だとは思いますが…
 ただ、リンパ節は「数を数えながら(豆を箸で摘むように)取る」わけではありません。
 「ある範囲」を取るのです。
 その範囲の中に「5個リンパ節が有る人もいれば、10個有る人もいる」個数については個人差が大きいのです。(高齢者だと、殆ど腿縮してしまっていることもあります)
 その範囲の決め方は「術前画像診断」や、術者自身の経験によります。
 
「田澤先生のQAは、ずっと拝見しており、きっと先生ならばルミナールAでホルモン療法となるだろうと理解しております。」
⇒その通りです。
 
「たとえ少しの可能性でも再発リスクを下げたいという思いから頑張っているところです。」
⇒気持ちは解りますが…
 抗がん剤は「体に負担のかかる」治療法なので「我慢すればいい」というものでも無いのです。
「ホルモン療法単独だった場合と抗がん剤をした場合の再発率、生存率を教えてください。」

再発率 10年生存率
ホルモン療法単剤 24% 85%
ホルモン療法+抗がん剤 17% 89%