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リュープリンの追加について

[管理番号:4827]
性別:女性
年齢:47歳9ヶ月
田澤先生、こんにちは。
初めて質問させていただきます。
4月に乳がんの乳房部分切除+センチネルリンパ節生研と、手術のついでに腫瘍三個(葉状腫瘍と乳管内乳腺症と線維腺種のそれぞれ良性腫瘍)の摘出をしていただきました。
47歳9ヶ月で閉経前です。
4㎜の浸潤性乳管癌、乳頭腺管癌。
リンパ節転移なし。
核グレード1。
組織グレード1。
ホルモン感受性+。
HER2蛋白-。
ki67蛋白13.1%(マンモトーム時は2.7%)。
今後、放射線治療とホルモン療法としてタモキシフェンを5年間とのことでした。
あと、希望があればリュープリンの追加をしても良いが、年齢的なこともあるしリュープリンの上乗せ効果の証明がなされていないため、お勧めはしないが希望があれば追加しても良いとのことでした。
田澤先生のアドバイスを拝見しますに、私の乳癌にリュープリンを追加することの効果はあまり高くないような気はするのですが、良性とはいえ石灰化や腫瘍が何個も出来る私(?)にとって良いことがあるのではないかなどと思い質問させていただきました。
アドバイス、宜しくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1a(4mm), pN0
完璧な早期癌です。
NCCNのガイドラインではホルモン療法自体「考慮する」にとどまっており、つまり(タモキシフェンでさえ)「必須」でさえありません。
「あと、希望があればリュープリンの追加をしても良いがお勧めはしないが希望があれば追加しても良いとのことでした。」
⇒(もしも希望があっても)追加すべきではありません。
「良性とはいえ石灰化や腫瘍が何個も出来る私(?)にとって良いことがあるのではないかなどと思い」
⇒全く無関係です。
☆それよりも、むしろ(子宮体癌のリスクを考え)タモキシフェンをすべきか? を考えるべきでしょう。
 ♯タモキシフェン5年投与により、子宮体癌死は0.2%増加し、乳癌死は9%減少します。
  しかし、これは「通常の進行度の癌」であることに注意が必要です。
  「子宮体癌死を0.2%増加させるに見合うだけの乳癌死減少効果が(十分な早期乳癌に)あるのか?」そこが問題となるのです。