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局所再発 乳がんの治療法

[管理番号:2686]
性別:女性
年齢:48歳
田澤先生
初めまして宜しくお願いします。
48歳 女性です。
2008年1月と4月 非浸潤癌をラジオ波で治療
5年間 ホルモン薬 TAM 服用
2016年2月 アポクイン癌(トリプルネガティブ) 局所再発? 同じ場所
手術法 Tm
占拠部位 CD
大きさ 浸潤部 長径11mm
乳管内進展 乳管内病変を含めた腫瘍全体 20×25mm
pt pT1c
形状 限局
腫瘍数 単
Ng 3(3+2)
浸潤範囲 g
浸潤様式 INFa
脈管侵襲 1y0、v0
断端 Positive(標本DFG いずれもDCIS部)
リンパ節 郭清なし
腫瘍部標本 1.~4.(浸潤部 2-E)
治療方針
主治医は 追加切除後 センチネルリンパ節生検 後 放射線治療 その後、経過観察 または 抗がん剤の内服 心配だったら抗がん剤と言います。
セカンドオピニオン(大学病院)では抗がん剤 その後 手術(全摘)または 乳房温存手術 と放射線
田澤先生はアポクリン癌はトリプルネガティブでも大人しい性質とおっしゃいましたが
Ki67は主治医が検査オーダーをしていなく分からないのですがNG3ということは大人しくない分類になるのでしょうか?
抗がん剤をした方が良いのでしょうか?
もし 標準的な治療(保険適用)以外が選択可能なら私の場合はどういう治療があるでしょうか?
お忙しいところ誠に申し訳ありません、早めのご回答を宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「2008年1月と4月 非浸潤癌をラジオ波で治療」「2016年2月 アポクイン癌(トリプルネガティブ) 局所再発? 同じ場所」
⇒ラジオですか…。
 我々まともな乳腺外科医であれば誰しも「ため息」をつくでしょう。
 大変残念です。「局所再発」も稀ではありません。
(参考に)日本乳癌学会 2010.6月 注意喚起 再発する患者が増えたとして「RFAは臨床試験の目的以外では行わないように」♯RFA :radiofrequency ablation (ラジオ波熱凝固療法)
 
「セカンドオピニオン(大学病院)では抗がん剤 その後 手術(全摘)または 乳房温存手術 と放射線」
⇒ばかばかしい。
 大学病院の医師は「何故、そうまでして術前抗がん剤が好き」なのでしょうか?
 これは、単に(局所療法としては極めて不十分な治療である)RFA後の局所再発にすぎません。
 ○とにかく重要なのは「局所治療(手術+放射線)」です。
 抗ガン剤を先に行う意味がどこにあるのか? 意味不明です。
 
「アポクリン癌はトリプルネガティブでも大人しい性質」
⇒その通りです。
 
「抗がん剤をした方が良いのでしょうか?」
⇒「アポクリン癌」で「浸潤径11mm」ならば、実際迷うところです。
 
 もしもこれが「RFAなどをせずに」初期治療であれば、「術後療法は何もしない」という選択肢はあったでしょう。
 ただし、(極めて残念なことに)RFAをやったことで「8年間という時間を癌に与えてしまっている」事実がどうも(私には)気になります。
 その意味では「負の連鎖を断ち切るためにも」術後に「アンスラサイクリン+タキサン」などの標準療法を行う事を(私は)勧めます。
 
「もし 標準的な治療(保険適用)以外が選択可能なら私の場合はどういう治療があるでしょうか?」
⇒もう、「非標準療法」は辞めませんか?
 RFAで懲りた筈です。
 是非とも、「化学的に正しい診療」に軌道修正をお願いします。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
2回目のメールです。
宜しくお願いします。
8年前にラジオ波で治療して再発しました。
先生にラジオ波治療の危険性をご指摘頂き全くその通りだと今更ながらに思い
後悔の日々を送っています。
主治医が病理結果をオーダーミスしていて
最近になって
分かったことがあります。
アポクリン癌のトリプルネガティブと言われていたのが
実は
ER+ 40%~50%
PR-
HER2 3+
Ki67 20%でした。
アポクリン癌でトリプルネガティブでは無いのは珍しいのでしょうか?
主治医の治療方針は
追加切除
放射線
ハーセプチン(点滴)
ホルモン療法 です。
このがんはルミナルB型ですか?
田澤先生のセカンドオピニオンをもう一度頂けないでしょうか。
とても混乱しています。
宜しくお願い致します。
なるべく早く今の主治医の元を離れ病院を転院します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
前回回答したように、最も重要なことは『極めて不十分な局所療法後に(質問者には厳しいですが)当然のこととして起こった局所再発』であるということです。
一番重要なのは「局所療法のやり直し(手術)」です。
その後の「術後補助療法」はluminalB(HER2陽性)であれば、「抗HER2療法」が必須となります。
担当医はまた(抗癌剤抜きで)「ハーセプチン単剤」などという「非標準治療」を提案しているようですが…
 もう「非標準治療」は止めにしませんか?