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局所内再発について

[管理番号:5026]
性別:女性
年齢:36歳
田澤先生、おはようございます。
温存手術(+放射線+抗がん剤+ハーセプチン治療)後の定期検診で、
また腫瘍が見つかり切除手術を受けました。
ハーセプチン終了後、約8ヶ月が経過した頃です。
病理検査の結果は、リンパ節転移無し、ホルモン受容体陰性、HER2陽性(3+)でした。
温存乳房内再発は、最初の癌が残ってしまっていてそれが再発したもの、別に新たな癌が発生したものがあり、その区別は難しいと説明を受けました(温存手術後、転院して抗がん剤から現在の病院での治療を受けているため、余計に判断が難しいのかとも思います)。
局所内再発も、初発と同じように治療を進めて完治を目指すと本で読んだような気もしますが、再発と聞くとエンドレスの治療が必要というイメージも持ってしまいます。
情報も少なく、似たような質問も多々あるかと思いますが、田澤先生でしたら、術後どのような治療を検討されますか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
○術者として「乳房内再発を認めたくない気持ち」は解りますが…
しかし、術後早期(2年以内ですね?)であれば(最初の癌が残ってしまっていてそれが再発したもの、別に新たな癌が発生したものか厳密には区別できないとはいえ)
「癌の残存」と考えるのが常識です。
しかもサブタイプも同じ(HER2陽性)ですよね。 幾らなんでも潔くない。(独り言です)
★温存手術の大原則を「今こそ」想い出してください。
 もしも「温存乳房内再発したら、(今度は)全摘すれば、(最初から)全摘を選択していた場合と予後は一緒」なのです。
 勿論、今後の治療は(放射線の再照射はできないので)再温存は不可であり、「残存乳腺全摘手術」のみです。(術後抗がん剤等、絶対に不要です)
「最初の癌が残ってしまっていてそれが再発したもの、別に新たな癌が発生したもの」
⇒「術後早期(2年以内?)」「サブタイプが一緒」から、答えは自明なものですが…
「再発と聞くとエンドレスの治療が必要というイメージも持ってしまいます。」
⇒全く違います。
 局所再発(特に、今回のような温存乳房内再発)は、「手術のやり直し=全摘」だけでいいのです。
「田澤先生でしたら、術後どのような治療を検討されますか?」
⇒全摘術後は、当然、「無治療」です。(1%も迷う必要がありません)