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6年前の乳癌 局所再発の診断 治療方法をお聞きしたいです。

[管理番号:3622]
性別:女性
年齢:46歳
 6年前、右胸下内側に乳癌の診断を受け、早期だったので、温存切除手術+放射線のみの治療を行いました。
この度の検診で、右胸を触診すると、同じ場所にしこり、押された時はビクっとするほどの痛みがありました。
(後で自分でさわってみると、つるっと動きのあるとても痛いしこりがありました)その後マンモとエコーを行いました。
マンモには
なにも映りませんでしたが(先生は下なので映らなかったとおっしゃっていた)、エコーに楕円のしこりが映り、腫瘍性病変を認めるということで、針生検を行いました。
局部再発という診断でした。
今後、CI造影検査と骨シンチを行い、治療を決めるとのこと。
乳癌で痛みがあるのは稀のはず、良性は動かないと思っていましたので、再発という結果を受け止めることができず、言葉を失いその場ではなにも質問することもなく茫然としてしまいました。
そして家に帰ってから不安がこみあげてきました。
 このサイトは信用できると思い、先生にお聞きすることで心の準備ができるのはないかと思い、メールをさせていただきました。
針生検の結果のコピーをいただきましたので、そのまま書かせていただきます。
所見 標本は5本。
いずれの標本にも線維性結合織の増生を伴う組織間
に、腫瘍性変化を認める。
腫瘍性組織は核クロマチンの豊富な異型的乳
管上皮が篩状構造や小型細胞集簇を形成しつつ浸潤増殖している。
一部
脂肪織内にも腫瘍成分が混在している。
核には経度の大小不同を伴い、
核分裂像は1/10HPF程度です。
*以前の腫瘍(?)の再発でも矛盾はしません。
 お聞きしたいのは、この内容はとても悪い結果なのでしょうか。
そもそも乳癌再発に間違いないのでしょうか。
これからの治療はどのようなことが考えられますか? 再発で、温存手術は不可能なのでしょうか。
手術しないと治らないのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「同じ場所にしこり」「*以前の腫瘍(?)の再発でも矛盾はしません。」とあるので「局所再発」でいいようです。
つまり、手術時に残っていた癌細胞が「6年かけて、しこりにまで増大した」ということです。
これは「遠隔転移再発」とは厳密に区別すべきで(CTや骨シンチをするようですが)
純粋な「局所再発」と考えていいでしょう。
「この内容はとても悪い結果なのでしょうか。」
⇒特別悪いものではありません。
「そもそも乳癌再発に間違いないのでしょうか。」
⇒場所が同一であるので「間違い無し」と思います。
 ♯これが同じ「温存乳房内」であっても「前回の手術と遠い部位」であった場合には(温存乳房内に)「新たに発生した(前回とは無関係の)癌」という可能性も出てはきますが…
「これからの治療はどのようなことが考えられますか?」「再発で、温存手術は不可能なのでしょうか。」
⇒局所療法が重要です。
 よって「原則は乳房切除」となります。(何故なら、初回手術で放射線照射しているので再度照射ができないからです)
 ただし、「腫瘍が十分小さく、マージンが十分に取れる」「ご本人の強い希望がある」場合には「乳房温存」という選択肢は存在します。(あくまでもoptionですが…)
 ○全身治療の追加ですが…
 初回術後に「全身療法をしていない」ことから、この機会に(再発病巣のサブタイプに応じた)術後補助療法を行うという考え方はあります。
 必須とは考えません(あくまでも局所療法が主役なのです)
  
「手術しないと治らないのでしょうか。」
⇒それは確実です。
 「手術以外の治療」へ逸れてしまうことを最も危惧します。(とんでもない泥沼にはまり、必ず後悔します)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

6年前、早期の乳癌で温存手術+放射線の治療をし、局所再発の診断を受け、治療について質問をした者です。
2日前CIと骨シンチを行いました。
「右乳腺B領域に20㎜大の造影される腫瘍を認めます。内部に嚢胞を伴います。
皮膚浸潤を認めます。肋間筋とも一部境界不明瞭です。
リンパ節腫大、骨転移は認めません」
という結果でした。
先生に質問をしておりましたので、右乳房の全摘が最良という診断には納得しましたが、一週間の入院で全摘手術をし、乳房再建は3年位たってから二次で行ったらどうかという提案に、結論がだせませんでした。
この病院では乳房再建は行っておらず、また別の病院で再手術ということになります。
質問ですが、
・乳癌は局所再発、右胸内側下20㎜です。
全摘ではなく、温存+同時再建はできるでしょうか。
・温存+同時再建ができるならば、田澤先生のところで手術をお願いしたいですが可能
でしょうか。
温存にリスクがあるなら全摘も受け入れます。
・なるべく短い休暇で仕事に復帰したいです。
できれば職場に病気のことを秘密にしておきたいです。
江戸川病院での入院期間と、仕事復帰はどの位でできるのか知りたいです。
・一週間以上となると、できれば年末の冬休み(学校関係の仕事です)が良いですが、
そこまで先のばすとは危険でしょうか。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
CTと骨シンチではやはり「他は問題無=純粋な局所再発」でしたね。
これで十分に「根治を狙う」ことができます。
重要な事は「根治性を優先」することです。
腫瘍径が20mmであれば 前回のコメント 『ただし、「腫瘍が十分小さく、マージンが十分に取れる」「ご本人の強い希望がある」場合には「乳房温存」という選択肢は存在します。(あくまでもoptionですが…)』は当て嵌まりません。
全摘が必要です。
「・乳癌は局所再発、右胸内側下20㎜です。全摘ではなく、温存+同時再建はできるでしょうか。」
⇒全摘すべきです。(上記コメント通り)
 局所再発の場合には「同時再建は避けるべき」と思います。(再建してしまうと、どうしても再発を発見しにくいのです)
「・温存+同時再建ができるならば、田澤先生のところで手術をお願いしたいですが可能でしょうか。」
⇒温存すべきではないし、そもそも「温存+同時再建」は通常行われない手術です
(少なくとも江戸川では全摘+再建しかしていません)
「江戸川病院での入院期間と、仕事復帰はどの位でできるのか知りたい」
⇒「(同時再建無の)乳房全摘のみ(郭清なし)」ならば2泊3日(術翌日退院)で行っています。(センチネルリンパ節生検もしくは腋窩郭清のある乳房全摘は3泊4日ですが)
 仕事復帰は退院直後でも問題ありません。
 ♯同時再建するとなると8泊9日(水曜日入院、翌週木曜日退院)となります。
(ただし、質問者には同時再建は勧めません)
「・一週間以上となると、できれば年末の冬休み(学校関係の仕事です)が良いですが、そこまで先のばすとは危険でしょうか。」
⇒3カ月なので、大きな問題とはならないでしょう。