乳がんプラザ|乳がんの手術は江戸川病院・東京


[管理番号:3042]
性別:女性
年齢:76歳

こんにちは。

○○市に住む手術を受けた母親の娘です。

3月(上旬)日のがん検診でシコリを見つけられ、高血圧で通う総合病院の乳腺外来にて針生検でガンと診断され、先月4月(下旬)日に左乳房温存手術を受け術前入院を入れて6日で退院しました。

浸潤癌 特殊型 アポクリン癌
腫瘍径 16×12ミリ
断端 5ミリ以内
核グレード 3
ki-67:39%
リンパ節転移個数 1/0個
病理 I期
ホルモンレセプター ER陰性 PgR陰性
HER2タンパク 2+ Fish陽性
今後の治療
①パクリタキセル毎週投与12週+ハーセプチン+放射線
②追加切除して全摘すれば放射線は不要
手術後の結果、上記のようになっており明後日までに治療方針を決めてくださいと言われています。

ステージIだったことと、幸い温存出来たことに安堵しており術後も元気で手術の痛みもなく外来を受診してやはり抗がん剤と言われ、がんになるといつまでも安心させてくれないのだなという思いです。

田澤先生のQ&Aを拝見させていただいており、アポクリン癌の方や核グレード3の方が見受けられなかったので質問させてください。

○76歳の母でも今の状態で抗がん剤は必要なのでしょうか?
術前はゴルフが仕事のように行っていた元気なひとなので、抗がん剤で身体を痛めつける事が心配でなりません。

○田澤先生ならどのような治療方針としますか?
その治療をしたときの再発リスクはどの程度なのでしょうか?
何卒どうぞよろしくお願いします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

基本的に特殊型は(腺様嚢胞癌以外)通常の乳癌に準じた治療となります。
アポクリン癌は大人しいものも多い(典型的なものはKi67が一桁でトリプルネガティブ)が、一方で通常のタイプもあります。
質問者は、アポクリン癌といっても通常のタイプ(Ki67=39%, HER2陽性)のようです。

○結論としては「通常の組織型と全く同様」に術後治療を考えるべきです。
 ここで問題となるのが年齢です。
 70歳以上の「術後補助化学療法の効果は証明されていない」と言う点があります。

 その意味では「抗ガン剤をしない」という選択もありますが、「抗HER2療法は最善の治療」であるため(副作用を抑えた)「非アンスラサイクリンレジメン(中でもweeklyPTXを用いたもの)」を、行いたいところです。
 ♯同様のケース(早期)で「トリプルネガティブやルミナールB」であれば、化学療法を強くは勧めません。
 

「○76歳の母でも今の状態で抗がん剤は必要なのでしょうか?」
⇒「必要か?」と言われると返答が難しいですが…

  抗HER2療法は「最善の治療」です。
 

「 術前はゴルフが仕事のように行っていた元気なひとなので、抗がん剤で身体を痛めつける事が心配でなりません」
⇒(予定されている)非アンスラサイクリンレジメン(weeklyPTX+HER)であれば、「体を痛めつける」というイメージは無用です。
 ♯通常レジメンであるweekly PTX 12回だと蓄積される痺れが心配であれば、6回としてもいいかもしれません(エビデンスはありません)
 

「○田澤先生ならどのような治療方針としますか?」
⇒(担当医の治療方針に)完全に賛成します。

 ただし、副作用が心配ならば「weekly PTXを6回」を目標としてはどうでしょうか? (その時点で大丈夫そうであれば継続してもいいのです)
 

「その治療をしたときの再発リスクはどの程度なのでしょうか?」
⇒3年再発率は「10%」となります。

 ○抗HER2療法は「再発率を半分」とする、最善の治療です。

 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、大変お忙しい中のお答え、本当に有難く思います。

もしかしたら母本人よりも不安だったのは娘である私です。

家族の思いにまで迅速に対応して頂けて感謝してもしきれません。

今後の治療の必要性がよく理解出来ました。

ただ、これからが治療の本番なんだと思っています。
再発せずに元気で
いてもらうためにも、治療中も十二分に支えて行こうという心構えになりました。

1回目の質問で済ませれなく申し訳ありません。

○左乳房は温存出来ましたが、断端 5ミリ以内というのは追加切除の必要性がやはりあるのでしょうか?それとも露出でない限り、まだがん細胞が取りきれていないというあくまでも可能性で大事をみれば追加切除した方がいいということなのでしょうか?
田澤先生ならどう判断しますか?
放射線をすれば追加切除しなくても、そこにある可能性のがん細胞は死滅してくれるのかと思っているのですが間違いでしょうか?
○非アンスラサイクリンレジメンの意味を教えてください。

○田澤先生の仰っていた、痺れを懸念するのならばパクリタキセルが6回を目標に、とした時のエビデンスがないというのは、やはり12回行った時に再発率が10%になるということでしょうか?
6回では再発率が何パーセントとはいえないだけで、効果はあるという意味なのでしょうか?
何卒ご教示よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「○左乳房は温存出来ましたが、断端 5ミリ以内というのは追加切除の必要性がやはりあるのでしょうか?それとも露出でない限り、まだがん細胞が取りきれていないというあくまでも可能性で大事をみれば追加切除した方がいいということなのでしょうか?」
「田澤先生ならどう判断しますか?」
⇒後者でいいと思います。
 

「放射線をすれば追加切除しなくても、そこにある可能性のがん細胞は死滅してくれるのかと思っているのですが間違いでしょうか?」
⇒温存手術とは(断端がどうであれ)ある程度、放射線照射による「その効果に頼る」治療です。
 その考えでいいと思います。
 

「○非アンスラサイクリンレジメンの意味を教えてください。」
⇒アンスラサイクリンを含まないレジメンのことです。

 アンスラサイクリンとは「エピルビシン(FECやECなどのE) 」や「アドリアマイシン(FACやACなどのA)」のことをいいます。
 従来より「キードラッグ」として「抗ガン剤の主役として長期間君臨してきた」薬剤です。
 ただ心筋障害があるので(もともと心疾患の多い)欧米を中心として「タキサン(ドセタキセルやパクリタキセル)を核とした非アンスラサイクリンレジメン」が選択される事が増えています。
 

「6回では再発率が何パーセントとはいえないだけで、効果はあるという意味なのでしょうか?」
⇒その通りです。





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