乳がんプラザ|乳がんの手術は江戸川病院・東京


[管理番号:4129]
性別:女性
年齢:59歳

乳房温存手術、センチネルリンパ節生検終了後の病理検査結果

組織型 浸潤性乳管癌(髄様癌の所見あり)
大きさ(浸潤径) 0.7cm×0.6cm
リンパ節転移  なし
断端 陰性
ステージ ⅠA
核異型度(癌の顔つき) 2
組織異型度(癌全体の顔つき) 2
リンパ管・脈管侵襲 なし
ホルモン受容体 エストロゲン  0%
        プロゲストロン 10%
HER2  なし
Ki67  66.8%
サブタイプ  トリプルネガティブ
術前の化学療法なし

放射線治療は今後やることに決定しています。

その他の全身治療において、担当医より抗がん剤治療が基本ですがやってもやらなくても再発リスクの差があまりない。

できる限りの治療は全てやっておきたい、というのであればやるべきだし、やらないという選択肢もあるので、自分で決めてくださいと言われました。

再発は怖いですが、抗がん剤の副作用もとても怖いです。

元々不整脈があるので心臓への負担がかかるのも心配ですし、2年前から骨密度が大幅に減少してきたので骨粗鬆症になる可能性も気になります。

白血球も標準よりいつも少ないので副作用でもっと減少して免疫力がなくなるのも嫌です。

一番心配なのが二次癌になる恐れもある、と聞かされたことです。

私の場合抗がん剤治療をやった方が良いでしょうか?
デメリットよりもメリットの方が上回りますか?
又、抗がん剤をやって再発防止になるというメリットは、同じ乳房内での局所再発防止だけなのですか?
抗がん剤をやっても全身における遠隔転移が防止されるわけではないのですか?

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

まず指摘したいのは「プロゲステロン 10%」となるのでトリプルネガティブでは
ないということです。(プロゲステロンが陽性でエストロゲンが陰性というのはartifactの可能性があります)

「その他の全身治療において、担当医より抗がん剤治療が基本ですがやってもやらなくても再発リスクの差があまりない。」
⇒pT1b=7mmであれば「トリプルネガティブでも化学療法は必須とはならない」わけですから、(本当はエストロゲン陽性であれば)尚の事「抗ガン剤は無用」と思います。

 焦点は、むしろ「ホルモン療法をすべきか?」となります。

「元々不整脈があるので心臓への負担がかかるのも心配」
⇒これに関しては、「アンスラサイクリン」でなければ大丈夫です。

「2年前から骨密度が大幅に減少してきたので骨粗鬆症になる可能性も気になります。」
⇒抗ガン剤ではなく、むしろ「ホルモン療法の副作用」です。

「白血球も標準よりいつも少ないので副作用でもっと減少して免疫力がなくなるのも嫌です。」
⇒無関係です。

「一番心配なのが二次癌になる恐れもある、と聞かされたこと」
⇒考え過ぎです。(頻度が圧倒的に低いのです)

「私の場合抗がん剤治療をやった方が良いでしょうか?
デメリットよりもメリットの方が上回りますか?」

⇒抗ガン剤は不要だと思います。

「又、抗がん剤をやって再発防止になるというメリットは、同じ乳房内での局所再発防止だけなのですか?抗がん剤をやっても全身における遠隔転移が防止されるわけではないのですか?」
⇒完全な勘違いです。(アベコベとなっています)

 局所療法である、放射線は「乳房内再発の予防」
 全身療法である、「抗ガン剤」や「ホルモン療法」は「全身の再発予防」を目的としています。

 
 

 

質問者様から 【質問2】

  
組織型 浸潤性乳管癌(髄様癌の所見あり)
大きさ(浸潤径) 0.7cm×0.6cm
リンパ節転移  なし
断端 陰性
ステージ ⅠA
核異型度(癌の顔つき) 2
組織異型度(癌全体の顔つき) 2
リンパ管・脈管侵襲 なし
ホルモン受容体 エストロゲン   0%
        プロゲステロン 10%
HER2  なし
Ki67  66.8%

田澤先生
管理番号4129では丁寧なご回答ありがとうございました。

その中で再度質問がありよろしくお願いいたします。
明日、抗がん剤をやるかやらないかを報告しなければならず至急の質問で申し訳ありません。

まず指摘したいのは「エストロゲン0% プロゲステロン 10%」となるのでトリプルネガティブではないということです。
(プロゲステロン
が陽性でエストロゲンが陰性というのはartifactの可能性があります)
⇒では私はどのサブタイプに分類されるのでしょうか。

手術前の針生検ではエストロゲン2%、プロゲステロン50%、HER2陰性、Ki67が69.4%でしたが、術後の病理検査では
エストロゲン0%、プロゲステロン10%、HER2陰性、Ki67が66.8%でした。

なので、ルミナールBになりますか?

焦点は、むしろ「ホルモン療法をすべきか?」となります。

⇒主治医からはホルモン受容体が少ないので効果が少ないと言われましたが、やった方が良いと診断されますか。
田澤先生のご意見をぜひ伺いたいです。
もしやるとすれば閉経後ですがどの種類のホルモン剤が適応になるのでしょうか。

pT1b=7mmであれば「トリプルネガティブでも化学療法は必須とはならない」わけですから、(本当はエストロゲンが陽性であれば)尚の事「抗ガン剤は無用」と思います。

⇒以前、別の人の管理番号734「小さいですが浸潤がんです」の回答の中で田澤先生が
○抗がん剤の適応
・最大浸潤径が5mm以下:(抗がん剤の適応は)「ありません」
・最大浸潤径>5mmの場合
  ①ルミナールA:(抗がん剤の適応)は「ありません」
  ②ルミナールB:(抗がん剤の適応)が『あります』
  ③トリプルネガティブ:(抗がん剤の適応)が『あります』
④HER2タイプ:(抗がん剤の適応)が『あります』
と回答されておりましたが、上記によると私は浸潤径が7㎜なので、ルミナールBであろうとトリプルネガティブであろうと抗がん剤の適応になるのではないでしょうか?
抗がん剤をしなくても良いとなると正直ほっとしましたが、そうするとあとは放射線の局所治療のみとなり、全身治療をやらないとなると全身への再発が心配です。

私の場合、抗がん剤をやらなかった場合とやった場合の再発率はどのくらい下がるのでしょうか。

更にしつこくお聞きして申し訳ありませんが、Ki67が66.8%と増殖能力が高い(3年以内の再発が高いと聞きます)ですが田澤先生はこの数値でも抗がん剤は不要とのご判断でしょうか。
あるいはホルモン剤をすべきでしょうか。

私は体重が36Kgで体力の問題や副作用のことを考えると抗がん剤治療が果たしてデミリット以上の効果が上回るのかが心配です。

今後の治療判断が決して後悔しないように自分で結論を出さなければならず、迷いに迷っています。

多くの症例を診てこられた専門医としての田澤先生、どうぞ率直なご意見をお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「では私はどのサブタイプに分類されるのでしょうか。」
⇒PgRが陽性なので、ER陰性と言う事に疑義があります。

 Luminal typeだと思います。

「Ki67が66.8%と増殖能力が高い」
⇒Ki67だけで物事を言うのは止めましょう。

 浸潤径7mmなのだから「再発リスクが高い」と考える方が不自然です。

○前回もコメントしたように「5mm<浸潤径≦10mm」では(抗癌剤しか治療法がない) 「トリプルネガティブ」でさえ「抗ガン剤が必須ではない(考慮するレベル)」なのです。  





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