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抗がん剤治療は受けるべきでしょうか

[管理番号:2534]
性別:女性
年齢:40歳
右乳がんになり、2月に温存手術をしました。
腫瘍径は1.7×1.3cm
組織学的診断:硬癌
病期分類:T 1 N 1 M 0 ステージ2A
リンパ節転移:2個転移:11個摘出(リンパ節郭清)
ホルモン受容体:エストロゲン受容体 陽性 プロゲステロン受容体 陽性
脈管侵襲:陰性  核異型度:2
HER2:0  Ki-67:30~40%
ルミナルBタイプだと診断されました。
術後の補助療法では、
ホルモン療法:ノルバデックス 5年間
ゾラデックス:2年間
化学療法:TC療法 4サイクル
放射線治療(週五回を5週)
とあり、先生はKi-67が少し高いので、抗がん剤治療もしておいたほうが安心だとおっしゃりました。
でも最終的には患者さんの判断に任せるということです。
私はできたら、抗がん剤治療は受けたくありません。
それでも私の診断結果では受けておくほうが良いのでしょうか。
ホルモン療法、放射線治療だけでは転移・再発の可能性は高いでしょうか。
早期発見だと言われてたわりには療法の種類が多く、抗がん剤はNK細胞を攻撃してしまうという事実にどうしてもショックを隠せません。
けれど転移・再発のリスクが減らせると言われ、抗がん剤治療もすることになり来週に1回目の点滴投与します。
それでも未だに迷っています。
そもそもキャンセルはもうできないのでしょうか
例えばホルモン療法と放射線治療(これもNK細胞を殺すそうですが)だけを行い、食生活やストレスなど日々の生活に気をつけて生活して、もちろん検診も定期的に行い、
もし万が一転移・再発をしてしまったら覚悟を決めて抗がん剤治療をすることにする、
という考えは無謀でしょうか。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1c(17mm), pN1, luminalB(Ki67=30~40%), NG2
「先生はKi-67が少し高いので、抗がん剤治療もしておいたほうが安心だとおっしゃりました。」
⇒luminalBとなるので,標準治療といえます。
 
「でも最終的には患者さんの判断に任せるということです。私はできたら、抗がん剤治療は受けたくありません。」
⇒luminal typeは、あくまでも「ホルモン療法が主役」であり、「抗がん剤は必須」ではありません。
 ご本人の意思は「尊重されるべき」となります。
 
「それでも私の診断結果では受けておくほうが良いのでしょうか。ホルモン療法、放射線治療だけでは転移・再発の可能性は高いでしょうか。」
⇒22%となります。  
 ここに化学療法を追加すると「7%の上乗せ」となります。          
 
「そもそもキャンセルはもうできないのでしょうか」
⇒それは可能です。
 薬の調合前までであれば大丈夫です。
 
「例えばホルモン療法と放射線治療(これもNK細胞を殺すそうですが)だけを行い、食生活やストレスなど日々の生活に気をつけて生活して、もちろん検診も定期的に行い、もし万が一転移・再発をしてしまったら覚悟を決めて抗がん剤治療をすることにする、という考えは無謀でしょうか。」
⇒無謀ではありません。
 Luminal typeのターゲット療法は「ホルモン療法」となります。
 もしも、これ(ホルモン療法)もしないとなれば、無謀と言えます。