乳がん手術は江戸川病院・東京

[管理番号:6170]
性別:女性
年齢:40歳

田澤先生、こんばんは。

現在、抗がん剤治療中なのですが、
抗がん剤の選択、治療方針についてご教授お願いします。

2017/10/(上旬)
針生検結果

ER陽性≧50%
PgR陽性≧50%
HER2/new: 3+
HER2遺伝子:増幅あり シグナル比:3.44
Ki67陽性細胞:20-50%
Nuclear a Typia:2、Mitotic counts:2

2017/10/(中旬)
PETCT結果

左乳房に4×2cm、SUVmax=13.4の高集積を認め、原発巣に合致します。

左乳房外側域にSUVmax=4.3の12mm大結節を認め、乳房内転移または多発乳癌を疑います。

左腋窩に12mm、SUVmax=4.4の腋窩リンパ節転移(強疑)を認めます。

他に腫瘍転移を疑う明らかな異常集積を認めず。

肺野に明らかな肺炎、肺気腫を認めず。

肝腎に実質性腫瘤を認めず。

上記のことから(※喘息がありMRIはその時点ではおこなわず)
ステージ3相当、リンパ転移あり、遠隔転移なしのルミナルB(HER2陽性)、グレードは2だが3に近い。

抗がん剤+放射線+ホルモン剤すべての治療が適応である。

全身治療を優先し、まずは抗がん剤(ドキタキセル+ハーセプチン+パージェタ)をおこない、
その後手術を検討する、との治療方針を説明されました。

私の希望は手術先行、のちに抗がん剤+放射線でしたが、却下されました。

主治医に確認した先に抗がん剤治療をやるべき理由は以下です。

・リンパ転移があり癌が進んでいる状態。
局所治療ではなく、全身治療を優先する段階である。

・おちちが浮腫んでいる、皮膚に赤みがでている、そのためすぐに手術しても傷がふさがりにくかったり局所再発の危険性がある。
もし皮膚転移であれば手術適応外である。

十分納得はできなかったのですが、2017年9月の初診時にはなかったのに10月中旬には胸に赤みがでてきて、
左側を下にして寝ると胸が張って痛みがでてきたことから
セカンドオピニオンを聞く時間的余裕がなく、抗がん剤治療に入りました。

その時点での主治医の判断は適正でしょうか?

担当に確認したところ、ステージ3相当とのことでそれ以上の細かいことは教えてくれませんでした。

そのような説明からステージ3Bとの認識で正しいでしょうか?

実際の投与は幼少時に咳止めシロップを飲んで全身ただれ入院となったことがあったため
薬アレルギーがあるが問題ない薬なのか?と質問し、ではまず2剤でおこない、様子を見てパージェタの追加しましょうとのことで
3回目までハーセプチン+ドセタキセル、4回目からパージェタを追加し、今月末に7回目の予定です。

あとで調べたらパージェタは再発・手術不能の乳癌にたいして適応とありました。

私の乳癌はかなり進行しているということでしょうか?
通常、どのような状態になれば手術なのでしょうか?

また、ステージ3の方をチェックしていると、
標準治療はEC/AC+タキソテールとみたのですが、
抗がん剤はパージェタ+ハーセプチン+ドセタキセルのみでよいのでしょうか?

ECなどもやったほうがよいのか、不安に思っています。

ハーセプチンは一年とききますし、手術が遠のくのも嫌です。

追加するとしてどのタイミングでおこなえるのでしょうか?

また、骨シンチグラフティの検査は必要でしょうか?
背中や脇に痛みがあったため必要かと申し出たところ(結果的に痛みの原因は帯状疱疹でした)
遠隔転移があったら根治ではなく、延命へと治療方針が違がってくる現時点では根治を目指そうと言われ、まだ検査しておりません。

長くなってしまいましたが、ご意見お聞かせください。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「その時点での主治医の判断は適正でしょうか?」
→皮膚の発赤が広範囲の場合には(現時点では)「手術不能」という判断となります。
 その場合には正しいと言えます。(全身治療云々は、術前抗がん剤の根拠にはなりません)

「そのような説明からステージ3Bとの認識で正しいでしょうか?」
→皮膚の発赤(T4b)となれば、そうなります。

「パージェタは再発・手術不能の乳癌にたいして適応」
「私の乳癌はかなり進行しているということでしょうか?」

→「手術不能乳癌」という診断ということになります。

 早期とは言えませんが、(抗癌剤により)「手術可能」となれば、(PETで遠隔転移がないことは確認済なのだから)問題はありません。

「通常、どのような状態になれば手術なのでしょうか?」
→皮膚の赤みが限局すればいいのです。

「抗がん剤はパージェタ+ハーセプチン+ドセタキセルのみでよいのでしょうか?」
→とにかく「手術可能とする」ことが重要であり、アンスラサイクリンは(やるとしても)術後でもいいわけです。

「ハーセプチンは一年とききますし、手術が遠のくのも嫌です。」
→これは勘違いです。

 ハーセプチンは「トータルで」1年するとしても、(術前に1年間やるという意味ではなく)「術前と術後合わせて1年」なのです。

「また、骨シンチグラフティの検査は必要でしょうか?」「現時点では根治を目指そうと言われ、まだ検査しておりません。」
→不要です。
 PETやってますから。

「遠隔転移があったら根治ではなく、延命へと治療方針が違がってくる」
→PETで遠隔転移の所見がないのだから、そんなことを気にする必要はありません。

 
 

 

質問者様から 【質問2 皮膚の赤みと手術時期】

性別:女性
年齢:40歳

管理番号6170 に質問させていただきました。
早速の回答ありがとうございました!
いつもの病院では検査までに時間がかかりやきもきしておりましたので、こんなに早くお返事いただけたことに驚いております。

お忙しい中、ありがとうございます。

いただいた回答にたいして、再度の質問となります。

→皮膚の発赤が広範囲の場合には(現時点では)「手術不能」という判断となります。

 その場合には正しいと言えます。
(全身治療云々は、術前抗がん剤の根拠にはなりません)

初診時には赤みはまったくありませんでした。

健康診断のエコーで要検査、さらに触ってわかるしこりもあり、
2017/09/(中旬)に受診。

初診ではエコー・マンモのみで針生検までに時間がかかり、抗がん剤の治療は10/(下旬)開始でした。

その間に皮膚に赤みがでてきました。
10月上旬までは赤みがなかったのですぐに検査してくれていれば、との思いもあり、
それで手術不能との診断には疑問がありました。

「皮膚の発赤が広範囲の場合 」とはどの程度の範囲と考えればよいでしょうか?
以前田澤先生がQ&Aで手術不能乳癌の画像を挙げていらっしゃいましたが、そこまで広範囲ではなく、
胸の4分の1程度に赤みでした。

(画像を見ていただくと早いと思い添付しようかと思ったのですが、フォームに添付できませんでした。)

しこりが大きいので全摘と言われたため、そのまま皮膚も切り取るので
赤みがあっても問題ないと単純に考えておりましたが
なぜ発赤がある場合には手術不能となるのでしょうか?
また、皮膚転移なら適応外と言われましたが、皮膚転移かどうか調べるには手術しないとわからないとも言われました。

手術できないのに、手術しないと分からないとは??皮膚転移はどのように判定するのでしょうか?
皮膚転移以外に赤みがでる理由・原因はあるのでしょうか?

「通常、どのような状態になれば手術なのでしょうか?」
→皮膚の赤みが限局すればいいのです。

現時点では幸いにも抗がん剤の効きめがあったようで、目で見た限りでは赤みはひいております。

田澤先生はQ&Aの中で術前化学療法をやるなら医師が3週間に1回程度の超音波検査が必須とおっしゃっておりましたが、
主治医は抗がん剤投与後、胸を直接見ることはありませんし、エコーは3回目に技師の方がおこないました。

診察もチーム医療とのことで別の方になるときもあります。

それでも目に見えて赤みが引いたこと、胸のはった感じがなくなってきたため
目の前のことをクリアしようと抗がん剤投与を続けてまいりました。

現在、皮膚の赤みはひいておりますが、何クールまで続けるべきでしょうか?
パージェタは手術不能乳癌に対して適応の薬なので手術後は使用不可かと思います。

3回目までパージェタ抜きで投与をおこなっていたため、再発抑制の効果に不安があります。

なるべくおこなったほうがいいのでしょうか?
現時点で6クールまで終わっておりますが、赤みがひいているならすぐ手術を希望したほうがよいのでしょうか?

PETCT検査で「左乳房外側域にSUVmax=4.3の12mm大結節を認め、乳房内転移または多発乳癌を疑います 」とありましたが、
最近、そのあたりのしこりが大きくなったように感じます。

多発乳癌の場合、サブタイプが違い、ひとつのしこりには効くが、別のしこりには効かず大きくなる、ということはありえますか?

主治医は8クール、つまりパージェタ含めた投与は5回で検討しているようです。

来週抗がん剤の効きをみるためMRIの予定で、効いてなければ抗がん剤の変更を検討しますとのことでした。

→とにかく「手術可能とする」ことが重要であり、アンスラサイクリンは(やるとしても)術後でもいいわけです。

なるほど!
EC/ACをやってからTCをされている方が多いように感じましたので、投与の順番が決まっているのかと思っておりました。

現在のパージェタ+ハーセプチン+ドセタキセルの投与→手術→アンスラサイクリンを検討で問題ないのですね。

田澤先生はアンスラサイクリンの追加をすすめますか?(心毒性が気になるのと、ホルモン治療もするとのことなのでtoo muchですか?)
その場合、残りのハーセプチンはどのタイミングとなるのでしょうか?
ハーセプチン術前術後合わせて1年終了後にアンスラサイクリンでしょうか?

ステージ3なので誤った選択をした場合、根治の可能性をつぶすのでは、と不安があります。

どうかアドバイスをお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「「皮膚の発赤が広範囲の場合 」とはどの程度の範囲と考えればよいでしょうか?」
「なぜ発赤がある場合には手術不能となるのでしょうか?」

⇒手術の際に取りきれる範囲です。

 手術の際には皮膚で閉鎖しなくてはいけないからです。

「皮膚転移以外に赤みがでる理由・原因はあるのでしょうか?」
⇒皮膚転移ではありません。

 癌細胞が皮下のリンパ管を閉塞すると広範囲に皮膚が真っ赤になるのです。(これが乳房全体にわたる場合に「炎症性乳癌」と呼ぶのです)
 ★この発赤が限局している場合には、その部分の皮膚を(皮下のリンパ管の中の癌細胞ごと)取り除ければ大丈夫なのですが、ある一定以上広範囲だと「切除しきれない」のです。

「通常、どのような状態になれば手術なのでしょうか?」
→皮膚の赤みが限局すればいいのです。

「現時点では幸いにも抗がん剤の効きめがあったようで、目で見た限りでは赤みはひいております。」
⇒手術のタイミングと考えていいと思います。

「現在、皮膚の赤みはひいておりますが、何クールまで続けるべきでしょうか?」
⇒特に規定はありません。(手術可能となればタイミングを逃さずに手術すべきなのです)

「現時点で6クールまで終わっておりますが、赤みがひいているならすぐ手術を希望したほうがよいのでしょうか?」
⇒そう思います。

「多発乳癌の場合、サブタイプが違い、ひとつのしこりには効くが、別のしこりには効かず大きくなる、ということはありえますか?」
⇒可能性はありますが…

 全摘するのだから気にしないようにしましょう。

「現在のパージェタ+ハーセプチン+ドセタキセルの投与→手術→アンスラサイクリンを検討で問題ないのですね。」
⇒その通りです。

「田澤先生はアンスラサイクリンの追加をすすめますか?」
⇒術後にすべきです。

「その場合、残りのハーセプチンはどのタイミングとなるのでしょうか?
ハーセプチン術前術後合わせて1年終了後にアンスラサイクリンでしょうか?」

⇒違います。

 ハーセプチン単剤は最後なのです。

 つまり

 Pertuzumab+trastuzumab+docetaxel ⇒ 手術 ⇒ EC ⇒ 放射線 ⇒ ハーセプチン(1年間の残り)





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