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抗がん剤の選択について

[管理番号:5161]
性別:女性
年齢:53歳
初めまして。
よろしくお願いいたします。
4月に人間ドックにて右乳房にしこりを発見し、MRI、針生検、PETを経て癌と確定し、6月下旬に乳房切除(全摘)手術およびセンチネルリンパ節生検を行いました。
<摘出後の病理組織診断結果>
多形型の浸潤性小葉癌。
腫瘍全体の範囲は6.0cmx5.5cm。
この範囲で大小の腫瘍の浸潤巣が断続的に複数あり。
最大の浸潤巣は
2.6cmx1.5cm。
浸潤巣では異型の高度な腫瘍細胞が小胞巣状、索状、個体性となって浸潤性に増殖。
周囲も同様の異型細胞が大小の乳管内や小葉腺房内で充実性に増殖。
リンパ節転移なし(センチネルリンパ節(0/2)、非センチネルリンパ節
(0/3))
ly(+)
v(-)
margin(-)
pT2,pN0,cM0,R0,Stage IIA
<手術前針生検病理診断結果>
ER:+Score3b 70%
PgR:+Score3b 60%
HER2:Fish(+)
MIB-1: 23%
Nuclear grade 3(3,3)
Histological grade 3(3,3,2)
主治医から今後の治療方針として、化学療法→ハーセプチン→ホルモン療法の方針を言われ、以下の2種類のレジメンが示され、(1)を提案されました。
(1)TC+ハーセプチン (3ヶ月)→ハーチプセン(9ヶ月)
(2)AC(3ヶ月)→DOC+ハーセプチン(3ヶ月)→ハーセプチン(9ヶ月)
ネットを調べると、(1)のTCは再発リスクの少ない早期がんへ適用されるものとあり、私のケースで本当に当てはまるのか不安です。
多形型小葉癌でかつルミナールB(HER2陽性)と珍しい例であり、腫瘍の広がりが大きく脈管侵襲もみられ、リスクが高いのではないかと思います。
またKi67も23%と微妙な値ですが、針生検のみで摘出手術後に再度検査がされておらず、23%が本当に最大値なのかという不確実さがあることも心配です。
以上から主治医の提案と異なるものの、抗がん剤をしっかりやる方を選ぶべきではないかと悩んでいます。
ちなみに私に心臓疾患はありません。
そこで田澤先生への質問として、
(1)(2)どちらのレジメンを勧められるかをお聞かせください。
また(2)を選択した場合に、最も効果のあるハーセプチン開始を3ヶ月遅らせることが、リスクにならないかどうかもお聞きしたいと思います。
ご回答をよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「リンパ節転移なし(センチネルリンパ節(0/2)、非センチネルリンパ節(0/3))」
⇒この理由が不明です。
 最初から「リンパ節は5個調べる」という予定だったのですか?
「(1)(2)どちらのレジメンを勧められるかをお聞かせください。」
⇒(1)です。
「また(2)を選択した場合に、最も効果のあるハーセプチン開始を3ヶ月遅らせることが、リスクにならないかどうかもお聞きしたいと思います。」
⇒リスクはありません。
 もしもあったら、そのようなレジメンは存在しないでしょう。