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抗がん剤をやるべきか

[管理番号:4769]
性別:女性
年齢:48歳
今年3月に右乳がんが発覚し、4月中旬に右乳房全摘、1次再建しました。
手術から約1か月後の先日、病理結果を聞き、主治医から「抗がん剤2種3か月、その後ホルモン治療5年~10年が治療方針です」と言われました。
病理結果は以下の通りです。
Invasive ductal carcinoma g,ly1,v1
pT1,pN1(1/9)
Nuclear atypia 2, Mitotic counts 2
ER>50% PgR>50% HER2/neu:1+ Ki-67:20~50%
副作用が怖くて、抗がん剤治療に抵抗を感じています。
このタイプでは、やるべきでしょうか。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えましょう。
質問者はルミナールタイプです。
ルミナールタイプで抗癌剤が必要なのは「ルミナールタイプB」と判断された場合のみです。
「Ki-67:20~50%」
⇒通常Ki67でルミナール「A(化学療法不要)かB(化学療法必要)に分ける」のですが…
 20-50とは「あまりにもアバウトすぎ」です。(これでは参考にもなりません)
 OncotypeDXをやるべきです。
「このタイプでは、やるべきでしょうか。」
⇒「このタイプ」とありますが、「どのタイプ(AなのかBなのか)なのか」をOncotypeDXで調べてみましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

管理番号4769で一度質問したものです。
ルミナールAかBかKi-67の値が20~50%に問題ありとのことでした。
主治医に相談してみました。
Ki-67に幅があるのは病理医によってそもそも数値にばらつきがあることと、病理医の負担が大きく膨大な検体の処理ができなくなること、病院の治療方針の計画にKi-67の値は参考程度にしかしないためというような説明でした。
これ以上詳細な数値は出せないし、出したところで治療方針は変わらない。
そして、生存率を求めるシートを見せてもらいました。
48歳、腫瘍径1.5~2.0、リンパ節転移1~3、ホルモンレセプター陽性、
HER2陰性、現病歴なしが入力されていたと思います。
無治療 生存率67% 再発31% 他の病気2%
ホルモン治療による上乗せ 12~14%位だったと思います。
抗がん剤治療による上乗せ ホルモン治療のみより2%程高い値でした。
抗がん剤+ホルモン治療の上乗せ ホルモン治療のみより10%位高い値でした。
主治医からは、リンパ節転移があること、この10%上昇する効果があることから抗がん剤を治療方針に加えているとの説明もありました。
ただ、リンパ節転移についてはセンチネルリンパ節1番目に1mmの転移があり、2番目は陰性、施設により判断は異なるかもしれないが、当施設では転移があれば郭清はするとのことでレベルⅠまで郭清しました。
この1個の転移を3個転移がある患者さんと同じ扱いをすることは生存率の数値にも影響がありそうで、無治療の生存率が67%より高い値になるのではないかとも思うけど、とも言われました。
抗がん剤治療を受け入れ、ウィッグを探したり体験者の話を読んだりして覚悟を決めようと思ったり、抗がん剤の負担を受け入れられないかもしれないとやらないと思ったり、行ったり来たりです。
オンコタイプDXについては、近くの他院で対応してもらえるので、希望すれば紹介状を書きますよとも言われました。
これも一旦はやってみようと思ったのですが、いまだ決意はできず。
オンコタイプDXをやった場合、抗がん剤をやった方が良いと思える数値はどこにおけばいいと考えられますか。
やる前に、きっちり決めておかないと、中程度の値だった時に迷いから解放されないような不安もあります。
ずっと抗がん剤をやる、やらないの行ったり来たりを繰り返しています。
長々と参考にならないことが多い内容だったと思いますが、ご意見をお聞かせください。
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
もう一度いいますが「物事はシンプルに考えましょう」
担当医がなんといおうと(病理医の負担が大きく、施設によってバラつきがあることは百も承知です)、もしも質問者が自分に本当に抗癌剤が必要なのか?を知りたいなら「OncotypeDXしかない」と言えます。(Ki67を数値でだせないなら尚更です)
「やる前に、きっちり決めておかないと、中程度の値だった時に迷いから解放されないような不安」
⇒OncotypeDXでは「RSが31以上(high risk)」でのみ化学療法をすべきだとしうことは、私がこのブログ内でコメントしているので、以下をご参考に。
 「お知らせ」内の『Oncotype DXで勘違いしていませんか??
 「今週のコラム」内の『今週のコラム53回目 Ki67が「30未満」ならホルモン療法単独、Ki67が「30以上なら、Oncotype DXを推奨」しています。