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抗ガン剤の必要性について

[管理番号:4601]
性別:女性
年齢:43歳

はじめまして。
 
先日皮下乳腺全摘のオペをしました。
結果が病理検査の結果を一部教えていただきました。
腫瘍2.5×2.5
グレード2
Ki67. 20%
ホルモン受容体 ER 90%. Prg80%
リンパ節転移 2mm以下の微小転移2個
リンパ節廓清済み
今後の治療法として抗ガン剤の使用を勧められています。
この場合抗ガン剤の上乗せ効果はどのくらいですか?
また、必要でしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
luminalAで化学療法を勧める根拠は?
昔風の「リンパ節転移があるから」ということでしょう。
 
「この場合抗ガン剤の上乗せ効果はどのくらいですか?」
⇒OncotypeDXをしてみると解りますが…
 3%以下だと思います。
 
「また、必要でしょうか?」
⇒不要です。
 リンパ節転移は「化学療法を勧める根拠」にはなりません。
 術後療法は「サブタイプ」で決めるべきです。
 ○もしも担当医が渋るなら、「OncotypeDXをしてぐうの音も言えない」ようにしてみましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

4601 抗ガン剤の必要性について
先日は混乱しており
非常に簡素なメールでの質問失礼いたしました。
にも関わらずお答えいただきありがとうございました。
 
まだ詳しい病理検査結果はもらっていないので
口頭で聞いた分だけですが
以前書かせていただいた内容に少しですが情報をプラスします。
 
腫瘍(浸潤癌2.5×2.5)(硬癌)
その他小さな非浸潤癌が3個
グレード2
Ki67 20%
ホルモン受容体 ER 90%. Prg80%
センチネルリンパ節生検(2in/4)
レベル1のリンパ節郭清(0/8)
pT2pN1cM0 ステージ2b
以上のことから抗ガン剤勧められている事を前回相談させていただき
上乗せ効果は3%。
よって抗ガン剤は必要なしとの回答をいただきましたが
変わりはないでしょうか?
 
質問なんですが
センチネルリンパ節の微小転移というのは
通常の転移と比べてどのくらいの差があるのでしょうか?
St. Gallen 2015でのvotingでは、luminal Aでの化学療法の適応は「リン
パ節転移4個以上」となっていますが
この文章にでてくる4個に微小転移は含まれますか?
 
含まれたところで2つなので適応外ですが…
センチネルに微小転移があっても
レベル1の郭清したリンパ節に転移がなければ
リンパにのって広がっていないと
素人は解釈してしまうのですが
そういうことでもないのでしょうか?
 
相変わらず主治医は
「リンパに転移があるから抗ガン剤はしたほうがいい」と言います。
 
なので田澤先生が助言してくださったオンコタイプの検査も受けてみよ
うかと思ってますが
次回主治医と話し合うまでに
不明な点はキチンと理解しておきたいと思っています。
 
・リンパ節への微小転移と転移の違い(大きさ以外で)予後への影響など。
 
・センチネルに微小転移があっても郭清したリンパ節に転移がなければリンパにのって広がっていないのか?
 
・ルミナルAで抗ガン剤の効果があまりないのに、リンパ節転移が4つ以
上あった場合抗ガン剤が適応になるのはなぜですか?
 
・ホルモン90%強陽性ですがホルモン治療だけでは不足ですか?
主治医は「ホルモン治療は癌に餌を与えないだけ。
抗ガン剤は癌を殺すからそもそも意味が違う。やらないとダメ」といいます。
 
・SABCS(2015)で発表されたDBCG77B試験の解析では(例えリンパ節
転移陽性であっても)「luminalAでは、化学療法による上乗せは得られ
ない」と結論づけられています。
とのことですが、これはまだ新しい考えて、浸透していないということですか?
 
・pN1cとありますが調べてみるとことれは腋窩リンパ節に1~3個、胸骨傍リンパ節に微小転移とありました。
センチネルリンパ節への微小転移以外にも転移があるということですか?
抗ガン剤するかどうかは本当に大きな問題でせっかく退院できたのに毎日その事で悩んでいます。
 
お忙しい中を恐縮ですが
お答えいただけると嬉しく思います。
よろしくお願いします
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
 
一言断って置きますが…
私は「おかしなことを言っている」担当医と議論する気は全くありません。
このQandAは、あくまでも私が『一方的に回答する場』です。それを「信用するかどうかは質問者の自由」ですが『反論するのはお止めください』』を確認してください。

♯今回のQは大丈夫でしたが、(その担当医の発言から)今後そのようになることも予想されたので念のため
 
「変わりはないでしょうか?」
⇒変わりません。
 
「センチネルリンパ節の微小転移というのは通常の転移と比べてどのくらいの差があるのでしょうか?」
⇒「差」どころか「全く」違います。
 「微小転移は予後に影響しない」常識です。(担当医にとっては「常識では無い」ようですが…)
 
「リンパにのって広がっていないと素人は解釈してしまうのですがそういうことでもないのでしょうか?」
⇒そういうことです。
 
「・リンパ節への微小転移と転移の違い(大きさ以外で)予後への影響など。
⇒上記通り
 
「・センチネルに微小転移があっても郭清したリンパ節に転移がなければリンパにのって広がっていないのか?」
⇒その通りです。
○ただし、ここまで回答してきて「質問者が大きな勘違い」をしていることに気付きました。ここで解説させてもらいます。
 重要なことは「局所」と「遠隔(全身)」に明確に分けて考えることです。
 
 ・どうやら質問者は「リンパ節転移」を「それが拡がって遠隔(全身)へ転移する」⇒それを抑えるために治療(ホルモン療法や抗癌剤を含む全身治療)をすると「勘違い」されているようです。
 
 ・リンパ節転移は(あくまでも)「リンパ節転移」にすぎず、これが遠隔(全身)へ転移するわけではありません。
 
 ・リンパ管は全身に網目状となっていますが、「血管」とはことなり「どこかの臓器(例えば肝や肺、臓器では無いが骨)」へ入る訳ではありません。
 
 ・腋窩リンパ節転移⇒(拡がれば)鎖骨上⇒(更に拡がれば)「頚部や縦隔」へとリンパ節転移は(あくまでも)連続して進展するのです。
 

 それでは「何故リンパ節転移を問題とするのか?」
  それは簡単です。
  あくまでも統計学的に「予後因子」なのです。
 生命予後と関連する因子を調べると「腫瘍径」と「リンパ節転移」があります。
  腫瘍径が大きいほど、統計的に(癌が血行性にも転移する確率が高くなり)予後が悪くなるのと、同様に「リンパ節転移が多い」と(統計的に)「血行性転移を起こす確率が高い」ということなのです。
  ♯直接「リンパ節転移」が「血管に入り、血行性転移となる」わけではなく、あくまでも「統計学的な」予後因子にすぎないのです。
 
「・ルミナルAで抗ガン剤の効果があまりないのに、リンパ節転移が4つ以上あった場合抗ガン剤が適応になるのはなぜですか?」
⇒サブタイプの歴史は浅く、「それまで数十年もの間」リンパ節転移=抗癌剤という「古い習慣」があったのです。
 いきなり「ガラッと変える」ことはできないし、(ガラッと変える程には)「全ての人を納得させるだけの証拠は十分ではない」という位置づけです。
 ♯ただし、証拠は集まってきています。
  その考えが受け入れられている大きな証拠は「OncotypeDXが各国のガイドラインに反映されているという事実」です。
 
  OncotypeDXとは正に「ルミナールAであれば、リンパ節転移の個数に拘わらず化学療法によるベネフィットが無い」ことを「その結果で」証明しています。
  ♯実際にOncotypeDXを行うと(リンパ節転移の有無に拘わらず)「low risk(ベネフィットが無い)とhigh risk(ベネフィットがある)が存在」することが如実に解ります。
   実質、ガイドラインにOncotypeDXが正当化されている時点で「リンパ節転移=化学療法」が正しくないと言っている様なものなのです。
 
「・ホルモン90%強陽性ですがホルモン治療だけでは不足ですか?」
⇒前回、回答したとおり・
 ルミナールAですから…
 
「主治医は「ホルモン治療は癌に餌を与えないだけ。抗ガン剤は癌を殺すからそもそも意味が違う。やらないとダメ」といいます。」
⇒こんな「クダラナイ」事をいう担当医と議論するつもりはサラサラありません。
 実際に「ホルモン療法が予後(再発も生命予後も)を改善」していることをどう説明するのか?
 「タモキシフェンだけで再発率が改善され、化学療法による上乗せがない」事実をつきつけられても、同じ事をおっしゃるのでしょうか?
 
「これはまだ新しい考えて、浸透していないということですか?」
⇒勿論、そのような面はあるし、(ガイドライン作成にあたっては)「化学療法の適応が減ると困る」巨大製薬企業の影も見え隠れします。
 
「・pN1cとありますが調べてみるとことれは腋窩リンパ節に1~3個、胸骨傍リンパ節に微小転移とありました。センチネルリンパ節への微小転移以外にも転移があるということですか?」
⇒「pT2pN1cM0 ステージ2b」という記載を誤って解釈してますね?
 pT2(病理学的に)2cm<浸潤径≦5cm pN1(病理学的に)リンパ節転移が1~3個  cM0(画像診断上)遠隔転移の所見無し  お解りですか?  pN1cではなく、pN1とcM0ですよ。(因みに遠隔転移は画像でしか解り様がないのでpM0とはなりえません)   「抗ガン剤するかどうかは本当に大きな問題でせっかく退院できたのに毎日その事で悩んでいます。」
⇒お気持ちは解ります。
 私は「質問者に、私の回答を信じろ」とは言っていません。
 ただし、「担当医がこう言っている」とか、「ネットで抗癌剤しておけば良かったと言っている人がいる」とかで、私と議論しようとはしないでください。
 このQandAは「議論の場ではない」のです。(念の為)
 
 

 

質問者様から 【質問3】

先日抗ガン剤の必要性について質問ささせていただきました。
ご回答ありがとうございました。
私の勘違いしていた部分もよく理解でき、とても為になり感謝しています。
 
先日、術後外来で、病理検査の結果からホルモン治療でいきましょうと
方針が決まり安心していたのに、1週間後の今日診察にいくと
「大学病院の先生に相談したら抗ガン剤をしたほうがよいのでは?との意見がでました。
お若いし、再発した時には体力なくて抗ガン剤できないかもしれないので、
今の元気なうちに抗ガン剤しといた方がいいかも」と言われました。
これは私自身訳のわからない理論だと感じました。
 
また田澤先生にご提案いただいたオンコタイプの検査も受けたいと希望したのですが、
「あなたはリンパに転移があるので対象ではなく受けれない」と却下されました。
しかし私は閉経前でリンパ転移があっても受けれると田澤の先生のコラムで拝見しましたので「受けれるはず」と訴えましたが取り合ってもらえませんでした。
 
大きな病院なので、いろんな先生の意見があるのでしょうが
(手術した先生は抗ガン剤、外来の先生はホルモン治療と意見が分かれてるみたいです)、
外来の先生は、前回先生の方からホルモン治療でいきますと言ってくださったのに、今回突然抗ガン剤を提案してきて、患者としては非常に戸惑ってしまいました。
 
これは自分がしっかりと知識を持ち、治療法を選択していかなくてはと感じています。
田澤先生もルミナルaでki67 20なら抗ガン剤は必要なし。
ホルモン治療でよい
とご意見くださったのでそれを信じて治療臨みたいと考えています。
オンコタイプの適応についての確認と
大学病院の先生が言う
・若いから。
・再発時に抗ガン剤できるかわからないから今すべき
・リンパに微小転移があるから抗ガン剤適応。
といのは根拠のない理由と考えていいですよね。
(今までの回答からそうであると確信していますが。)
 
一度ホルモン治療でと決まり、
とても喜び身内にも報告してよかったね!と言ってもらったばかりなのに、
このような展開に非常に驚いています。
前回ホルモン治療の場合、タモキシフェン5~10年リュープリン 3~5年と言われました。
この方法でよいと思われますか?
 
お忙しいところ、再三の質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
 
回答は前回までと全く変化ありません。
再三コメントしていますが、そんな医師のいうことは私には全く影響ありません。
 
「・若いから。・再発時に抗ガン剤できるかわからないから今すべき・リンパに微小転移があるから抗ガン剤適応。といのは根拠のない理由と考えていいですよね。」
⇒前回の回答どおり。
 
「前回ホルモン治療の場合、タモキシフェン5~10年リュープリン 3~5年と言われました。この方法でよいと思われますか?」
⇒私ならタモキシフェン単独とするでしょう。 (私は「微小転移を過大評価」するつもりは全くありません。)
 「5年なのか10年なのか?」
 そんな(5年先)ことを今から決める必要はありません。
 「5年経ったとき」に、再度「そのまま続けるか?5年で終えるか?」考えましょう。
 ○タモキシフェンの10年投与に関しては、「あくまでも現時点での結果」であり、
「5年後には、ガイドラインはどうなっているのか?」誰にも解らないからです。
  国の医療財政のことも考えなくてはならないからです。
  例えば、(厳密に)「5年までは、保険医療(3割負担)」だけど、「それ以降は、自費(10割負担)としなさい」ということだって(将来的には)ありえることなのです。
 
 

 

質問者様から 【質問4 骨シンチと子宮筋腫】

性別:女性
年齢:44歳
 
手術後の抗ガン剤について質問させていただき大変お世話になりました。
あれ以来ずっと拝見しています。
今日ご相談したいことが2つあります。
 
1つは先日術後1年検査でマンモ、胸部レントゲン、血液検査をしました。
結果、血液検査のICTPの値が5.2ということでひっかかりました。
5.2なので心配ないとは思うのですが、
私が8ヶ月ほど前に股関節が痛いと言う事でMRIを撮ってもらった経緯があるので(結果は異常無し)
念のため骨シンチをするようにいわれました。
 
過去の回答を見たところ、この程度の数値ではまったく心配いらないとのご返答をみかけたので
心配はしていないのですが…
今までのマーカーの動き
2017.2 CEA. 0.5. CA15-3 30
2017.3.  0.7  14.6  ICTP3.8
2017.6.  1.1  13.1
2017.11  0.5  11
2018.1  0.5  18
2018.3  0.9  12  ICPT5.2
 
このマーカーの変化で骨転移の可能性はありますか?
股関節の痛みはなくなってはいないですが普段は気にならない程度に落ち着いていて時々チリチリ痛む程度です。
酷くなってることはありません。
 
ICTPについても基準値が4.5のところもあれば5.5のところもあるようで、骨シンチするべきか悩んでいます。
もう1つの相談は子宮筋腫についてです。
 
ホルモン治療を始める前に地元の婦人科でチェックしたところ3センチの筋腫があるといわれましたが
今後リュープリンをしていくなら小さくなる可能性があるからと約1年経過観察していましたが、
先日5センチになっており、婦人科の先生に「リュープリン打ってるのに急激に大きくなるのは悪性の可能性もあるから乳がんで通院してる総合病院で診てもらって」と言われました。
 
婦人科の先生に「子宮筋腫が大きくなってきてるからホルモン治療を止める事も考えないと」と言われましたが、ホルモン治療を止める事には躊躇いがあります。
タモキシフェン、リュープリンをしていて
筋腫が大きくなることはそんなに珍しいことなんでしょうか?
大きくなるということは悪性の可能性が高いのでしょうか?
筋腫と乳がんの術後治療法 として一番よい治療法はなんでしょうか?
ホルモン治療はやめないで筋腫あるいは子宮の摘出を考えた方が良いでしょうか?
 
長くなりましたがよろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
 
「このマーカーの変化で骨転移の可能性はありますか?」
⇒全くありません。
 ICTPなど、あくまでも「CEAやCA15-3の補助」として考えないと、「とんでもない過剰な検査」や「無駄な心配」をするだけです。
 
「タモキシフェン、リュープリンをしていて筋腫が大きくなることはそんなに珍しいことなんでしょうか?大きくなるということは悪性の可能性が高いのでしょうか?」
⇒過剰な心配です。
 
 (リュープリンをしているとはいっても)タモキシフェンの作用で大きくなっているのでしょう。
 
「筋腫と乳がんの術後治療法 として一番よい治療法はなんでしょうか?」
「ホルモン治療はやめないで筋腫あるいは子宮の摘出を考えた方が良いでしょうか?」

⇒通常は…
 副作用の原因となっている薬剤を止める事です。
 つまりタモキシフェンを辞めてリュープリン単独としてみましょう。
 そうすると子宮筋腫も小さくなるでしょうから、「肉腫では?」などという馬鹿げた発想が否定されます。
 そうなれば、(安心して)「じゃー、子宮筋腫の大きさを見ながら、タモキシフェンを再開してみようか!」となるのです。
 

 
 

 

質問者様から 【質問5 リュープリンと子宮筋腫】

性別:女性
年齢:45歳
病名:
症状:子宮筋腫

以前は質問に詳しくお答えいただきありがとうございました。

おかげさまで落ち着いた気持ちでこの2年間過ごすことができました。

先日定期検診もクリアし無事3年生に進級できました。

今日質問させていただきたいのはリュープリンについてです。

先日田澤先生がまとめてくださっていたホルモン治療に関するまとめを読みました。

私が最初に質問をした当初から田澤先生はリュープリンは不要とおっしゃってましたが(当時43歳)
なんだかんだでリュープリンとタモキシフェンも続けています。

子宮筋腫は、そのせいかはわかりませんが
リュープリンをゾラデックスに
タモキシフェンをサワイからMYLに変更したタイミングから成長が止まっており、現在は現状を維持しています。
(現在は6センチ前後)

45歳になり、3年目に入る時に先生のまとめを読み、「リュープリンやめたいと主治医に相談してみようかな?」と考えています。

45歳では適応はない。

上乗せはない。
というのはよくわかりました。

ただ心配なのはリュープリンやめたらまた子宮筋腫が大きくなるのでは?という懸念です。

私の場合、(肉腫かも?という疑いは無くなった上で)
1.タモキシフェンは続けて、リュープリンをやめる。

2.タモキシフェンをやめてリュープリンを続ける。

3.今までとおり、両方続ける。

どれががいいのでしょうか?
2の場合、リュープリンは私の年齢では上乗せはないとのことですが、
乳がん再発予防の意味はありますか?

よろしくお願いします。

 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。

「1.タモキシフェンは続けて、リュープリンをやめる。」
「2.タモキシフェンをやめてリュープリンを続ける。」
「3.今までとおり、両方続ける。」
「どれががいいのでしょうか?」

→1か3となります。(LH-RHagonist単独を勧める根拠はありません。
あくまでも「タモキシフェンが標準療法」であり、LH-RHagonistは「併用するかどうか?」の選択肢なのです)

「2の場合、リュープリンは私の年齢では上乗せはないとのこと」
→「私の年齢」だけでなく、「LH-RHagonist単独は、全年齢で推奨されない」のです。

「乳がん再発予防の意味はありますか?」
→「上乗せがない=再発予防としての上乗せがない」という意味です。

 
 

 

質問者様から 【質問6 リュープリンの適応】

性別:女性
年齢:45歳
病名:
症状:

先日はお答えいただきありがとうございました。

いつもわかりやすい言葉で説明してくださるので安心することができます。

前回お答えいただいた中で再度確認させていただきたいことがあります。

先日 LH-RHagonist の併用について詳しくご説明してくださっていたのを拝読しました。

私の場合は例にあった卵巣腫大ではなく、子宮筋腫ですが、お聞きしたいことがあります。

通常子宮筋腫の治療法としてリュープリンを使う場合3~6カ月程度(?)かと思うのですが、
その理由が「とても強い薬(抗がん剤)なので長期の使用は勧められない」と何かのサイトで見ました。

私の場合5年リュープリンの予定ですが、
乳がんの術後補助療法としての意味合いがないのであれば、
5年リュープリン続けるのはデメリットが大きいのではないか?とも思い始めています。

(今すでに2年使っています)
子宮筋腫は大きくなるかならないか?わからないし(LH-RHagonist併用中に筋腫が大きくなり今は成長が止まっている状態なので、そもそもLH-RHagonistのおかげで現状維持できているのかは不明))、今の段階(大きさ6センチ)はまだ手術可能なので、
体に負担がかかる方法でなくて
一旦やめて見て様子見るでも良いのかな?と思っています。

乳がんの補助療法としての意味合いがないうえで、子宮筋腫に対する治療として5年間LH-RHagonist打ち続ける事は体への負担と子宮筋腫への効果とバランスを考えた時に先生としては勧められますか?
現在顕著な副作用はでていませんが、
ホットフラッシュや関節が時々痛むなど
我慢できる程度ですが、更年期症状がでています。

あと素人の勘違いかと思うのですが…
タモキシフェンが効かない体質の人が一定の割合いるというのを知り、
もし自分がそのタイプだった場合LH-RHagonistを打ってる方が女性ホルモン自体が減少するのでいいのかな?という考えもあり、
適応がないのがわかりつつも少しでの再発の不安を打ち消すために続けている部分もあります。

この部分の間違いを正していただき
子宮筋腫と体へのメリット、デメリットを
整理できれば自信を持って主治医にLH-RHagonist中止したいと話しすることができます。

よろしくお願いします。

 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。

「乳がんの補助療法としての意味合いがないうえで、子宮筋腫に対する治療として5年間LH-RHagonist打ち続ける事は体への負担と子宮筋腫への効果とバランスを考えた時に先生としては勧められますか?」
→勘違いされているようです。
 (LH-RHagonistの併用などを「提案」することはあっても)「卵巣」や「子宮筋腫」に対する効果や判断を我々「乳腺外科医」が下すことはありません。

 「子宮筋腫に対する治療として5年間LH-RHagonist打ち続ける事は体への負担と子宮筋腫への効果とバランス」は、あくまでも「婦人科の先生が判断すべきこと」です。
 婦人科医が(子宮筋腫に対して)「必要ない」と言われたら、それに(乳がん治療への影響を考えたうえで)それに従うだけの話です。

 
 

 

質問者様から 【質問7 】

子宮全摘と卵巣
性別:女性
年齢:45歳
病名:子宮筋腫
症状:

いつも的確なご回答をいただき感謝しています。

最近は乳がんより子宮筋腫、リュープリンの相談になっていますが、婦人科の先生は乳がんの治療についてはあまり詳しくないのでこちらで質問させてください。

先日より相談させていただいているリュープリンの件ですが、適応もないとのことで辞める方向で考えています。

今週金曜日に診察なのでその時に担当医に相談しようと思っていたのですが
その前に先日婦人科の検診があり、経過観察中の子宮筋腫が10センチになっていました。

なので子宮全摘をすることになったんですが、
婦人科の先生に「乳がん治療のことも考えて子宮と一緒に卵巣も取る方法もある。
取れば今後リュープリンは不要になります。
取らない場合はリュープリン続ける必要があるかも?」と言われました。

婦人科の先生は卵巣取るかどうか乳腺の先生と相談すると言っていましたが、乳がんの補助療法的には卵巣も取った方がよいのですか?
私の考えは子宮全摘して卵巣は残し、
リュープリンは無しですが、それであっていますでしょうか?

ご回答よろしくお願いします。

 

田澤先生から 【回答7】

こんにちは。田澤です。

「私の考えは子宮全摘して卵巣は残し、リュープリンは無しですが、それであっていますでしょうか?」
→あってます。