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硬癌と診断されました

[管理番号:3472]
性別:女性
年齢:47歳
7月下旬にしこりを見つけ乳腺科を受診し、細胞診と組織診を(中旬)日に硬癌と言われました。
解らない事が多いです。
お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
腫瘍の大きさはエコーで10mm
核グレート2
Er.pr共に90パーセント
her2は3+
ki67は22パーセント
リンパ球に高く浸潤、赤血球+となってました。
①このデータは初期でしょうか?
②Erとprって何でしょか?
③リンパ球浸潤や赤血球浸潤してるとリンパ節や血行性の転移を起こしやすいでしょうか?
④(下旬)日に紹介先の病院受診し、これからいろいろ検査してからの治療になるようです。
((下旬)日にペットCT)最初に受診してからかなり日数がたちますが転移の可能性はありますか?
またどれくらい放置すれば転移するのでしょうか?
⑤鎖骨に引きつり、腕のだるさ、背中の痛みなどの症状があります。
先生のコメントで、ホルモンの働きによるものとあります。
閉経してますがホルモンの働きはあるのでしょうか?
お忙しいところ長々すみません。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは、田澤です。
cT1b(10mm),cN0(だと推測します)
十分早期です。
こんな早期乳癌にPETを行うことは極めて無駄な「医療被曝」であり、「医療財政を圧迫」するだけで私には全く賛成できないことです。
「①このデータは初期でしょうか?」
⇒早期です。cT1b, cN0, cStage1 「リンパ節転移は無さそう」と言われていますね?
「②Erとprって何でしょか?」
⇒ERはエストロゲン受容体、PgRはプロゲステロン受容体 つまり「女性ホルモンの
感受性」 のことです。
「③リンパ球浸潤や赤血球浸潤してるとリンパ節や血行性の転移を起こしやすいでしょうか?」
⇒全く違います。
「最初に受診してからかなり日数がたちますが転移の可能性はありますか?」
⇒遠隔転移のことですか??
 1000%ありません。
「またどれくらい放置すれば転移するのでしょうか?」
⇒一概には言えませんが…
 通常、2~3年放置して、「腫瘍が皮膚を破り、出血し始めて」くるくらいでないと遠隔転移など起こさないのです。
「⑤鎖骨に引きつり、腕のだるさ、背中の痛みなどの症状があります。閉経してますがホルモンの働きはあるのでしょうか?」
⇒あります。
 症状は間違いなく「女性ホルモンによる刺激症状」です。
 1000%転移ではありません。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

こんにちは。
先生解りやすい説明ありがとうございます。
再度質問させて下さい。
①本屋に行って【硬癌】を医学書で調べてみました。
しこりを特徴とするとありましたが、
しこりのない硬癌もあるのですか?
乳腺の歪みともありました。
それはしこりになる前なのでしょうか?歪みで発見された場合
が硬癌の始まりですか?
②前回質問した転移は、リンパ節転移の事です。
her2が3+だと進行スピードも早いのでしょうか?私のサブタイトルはルミナルbになりますか?
③私の今のデータだとペットCTの必要性はないと言うことですね。
断る勇気も必要ですね。
では、今後どんな検査なら必要でしょうか?
先生のコメントを拝続していると、この病気と闘う勇気が湧いてきます。
ありがとうございます。
お忙しい中よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「しこりのない硬癌もあるのですか?」
⇒想像してみてください。
 ○癌細胞の成長記
  ①癌細胞の誕生 
   乳管上皮細胞が癌化して癌細胞が生まれます。勿論どんな画像検査でも発見することはできません。
  ②癌細胞の乳管内の成長
   癌細胞が細胞分裂して増殖、まずは乳管内を増殖します。 この段階でも「石灰化でも起こさない限り(壊死して石灰化を起こす場合と、起こさない場合があります)画像で捉える事は困難」です。
  ③癌細胞の間質(周りの組織)への浸潤
   乳管内の癌細胞が(浸潤能を獲得し)乳管壁を破り、周りの組織(間質)へ浸潤し始めます。
   この際に、(間質内の硬い組織である)fiberを強く巻き込むと「歪み」が生じます。 ★この段階では「しこりとしては認識できません」が「歪み(distortion)」として認識されるケースがあります。
  ④癌細胞の(しこりへの)増殖
   間質へ浸潤しながら、どんどん細胞分裂して増殖します。 
  お解りでしょうか?
  「しこりのない癌」という表現そのものが誤解を生む(全く無意味な)表現なのです。
  どんな癌でも、最初(小さいうち)は「しこりとして認識できない」というだけの話です。
  質問者は③の状況にいるということです。
「乳腺の歪みともありました。それはしこりになる前なのでしょうか?
歪みで発見された場合が硬癌の始まりですか?」

⇒お解りでしょうか?
 硬癌の始まり=(上記①)「癌細胞の誕生」でいいですよね?
「②前回質問した転移は、リンパ節転移の事です。」
⇒リンパ節転移は「腫瘍の位置」や、たまたま「リンパ行性(リンパ管への入り易さ)」などにも影響されるので一概には言えませんが…
 「distortionで発見される程度」の病変では、「リンパ節転移の可能性はかなり低い」と想像します。
「her2が3+だと進行スピードも早いのでしょうか?」
⇒想像しすぎです。
 無駄な想像です。
「私のサブタイトルはルミナルbになりますか?」
⇒その通りです(サブタイプといいます。)
 ルミナールBは2つに分けられます。
 ルミナールB(HER2陰性)
 ルミナールB(HER2陽性)
 質問者は後者となります。
「③私の今のデータだとペットCTの必要性はないと言うことですね。断る勇気も必要ですね。」
⇒その通りです。
 無駄な被爆は体に悪いし、経済的にも(本人だけでなく、国の医療財政上も)無駄な検査です。
「では、今後どんな検査なら必要でしょうか?」
⇒手術の術式(部分切除か全摘か?)を決めるために(拡がり診断として)MRIを撮影すれば他は不要です。(極めてシンプルなことです)
 
 

 

質問者様から 【質問3】

おはようございます。
お忙しい中いつも早い回答ありがとうございます。
がん細胞の成長はよく解りました。
私の場合このまま何もしないでいるといずれかはしこり
として確認されるのですね?
それは数年単位ですか?(前回先生の回答の③から④になるまで私の検査結果で)
②病巣がない右側の福乳か腫れ何もしなくてもその周囲が痛みます。
これもホルモンの関係でしょうか?右側に良性のしこりがあるので、その関係でしょ
うか?7
月のエコーとマンモでは何も言われなかったので、大丈夫と思ってましたが…気に
しすぎ
ですか?
いつも同じような質問で申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「私の場合このまま何もしないでいるといずれかはしこりとして確認されるのですね?」
⇒その通りです。
「それは数年単位ですか?(前回先生の回答の③から④になるまで私の検査結果で)」
⇒半年以内だと思います。(間質浸潤した以上は、数年はかかりません)
「②病巣がない右側の福乳か腫れ何もしなくてもその周囲が痛みます。これもホルモンの関係でしょうか?」
⇒その通りです。
「右側に良性のしこりがあるので、その関係でしょうか?7」
⇒無関係です。
 冷静に考えてみましょう。
 腫瘍が「何かの痛みの原因」となることはありません。
 「乳腺や肩、副乳、背中」などの痛みは「ホルモンの刺激症状」なのです。
「エコーとマンモでは何も言われなかったので、大丈夫と思ってましたが…気にしすぎですか?」
⇒その通りです。
 みなさん、「癌と診断」されると、いろいろなことが気になってくるのです。