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担当医がKi67を測定しない理由

[管理番号:991]
性別:女性
年齢:55歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:853「化学療法するべきでしょうか」

 
 
先日はお忙しい中早々のご回答ありがとうございました。
抗がん剤はせずホルモン療法のみと決め
アリミデックス5年がスタートしました。
ホルモン療法10日程経過しましたが今のところ
手指の強張りを少し感じる程度です。
放射線治療はというと
術側乳房の皮下出血が1ヶ月経っても治まらず
放射線科医の判断で2週間後に
CTシュミレーターを撮る事になり開始が延期となりました。
治療を待つ間少し考える時間ができ
いくつか教えて頂きたくまた質問させて下さい。
①病理結果でKi67を測定していないと言われました。
化学療法を追加する判断はルミナールAかBか
によるものと思っていましたが私の場合は
グレード3だからなのでしょうか。
センチネル微小転移有りだからなのでしょうか。
②ホルモン療法は副作用が強くでるかもしれないけれど
それは薬の効果も大きいと思って頑張りましょう。
と言われました。
感受性の数値と副作用に関わりはありますか。
感受性の数値と効果(奏効率)はどうですか。
③術後の皮下出血は良くある事ですか。
退院直後から術側乳房の半分くらいが青紫色~黄緑色
のままなかなか治りません。
周りの乳腺を寄せて形を整えると聞きました。
その為ですか。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 術後「皮下出血」ですか。
 乳腺外科医なら必ず避けたい合併症です。(幸い、私はこの2年以上ありませんが)

回答

「病理結果でKi67を測定していない」「グレード3だからなのでしょうか。」「センチネル微小転移有りだからなのでしょうか」
⇒どちらも、Ki67を測定しない理由にはあてはまりません。
 「担当医のポリシー」でしょうか?
 「化学療法の適応にKi67値を用いるのは不適切だ」と言うような…
 ♯私がよく引き合いに出すSt.Gallen 2015でも「20%のパネリストはKi67は有用ではない」としています。
 
「感受性の数値と副作用に関わりはありますか。感受性の数値と効果(奏効率)はどうですか」
⇒どちらも全く無関係です。
 担当医は「副作用があったとしても頑張れる様に」そのようなコメントをしたに過ぎません。
 
「術後の皮下出血は良くある事ですか」
⇒良くある事ではありません。
 但し「手術は経験」なので、「learning curve」が存在します。
 私も若い頃(大学病院時代)は何度も経験しましたが、「手術件数が増えるにつれて」殆ど無くなりました。
 この2年間(400件位は執刀していますが)は全くありません。