乳がん手術は江戸川病院・東京


[管理番号:227]
性別:女性
年齢:42歳

【経緯と現状】
集団検診で左胸に集族性、淡く不透明な石灰化がみつかり、乳腺専門の医師がいるクリニックで、昨日やっとマンモトーム生検を受け2週間後の結果待ちです。
 

ただ、クリニックで改めてマンモグラフィーを受けたときに、左胸から血性の分泌液が出ており、あきらかに血が混ざっているので、何かしらの病変(乳管内乳頭腫か癌)はあるに違いないと心配です。
 

担当医に聞いてみたところ、石灰化と無関係とは言い切れないが、まずは石灰化の細胞を検査してから、とのことでした。
また、分泌物スメア細胞診にも出して頂いたのですが、初回は「良」でした。ただその後、鮮血がまざるようになったので、2回目の受診時にもういちど分泌物スメア細胞診に出して頂きましたが、検出精度は高くない検査なので結果が「良」でも気休め程度と考えていあす。(こちらは結果待ち)
 

【質問・心配事】
石灰化の箇所は結果を待つとして、
分泌液のある乳管について、乳管造影検査、内視鏡検査、必要であれば摘出生検を早く行いたいのですが、ほかのクリニックで受けたりせず、
ひとまずマンモトーム生検の結果を待つしかないのでしょうか。
 

というのも、マンモトーム生検の予約が4週間先の日しかとれず、結果はさらに2週間まちでしたので、乳管造影検査→内視鏡検査→摘出生検 のセオリーを踏んだ ら今年度内に終わるのかしら?と心配だからです。
 

【思うこと】
担当医からマンモトーム生検を進められた時に「見た感じ95%は問題無いと思うのですが」
とおっしゃって頂きましたが、自身で調べてみると私のてマンモグラフィー結果は「悪性の疑いあり」に分類でき、しかも血性の分泌液も出ているので、
あまり楽観視できない状態と考えています。
担当の先生は心配しすぎないようにおっしゃったのかも知れませんが、悪性の判断がつかなくても病変はありそうですし、良くわからなくなって、かえって不安になった次第です。
 

進行が早いがん患者の方などは、早期に発見しても精密検査や結果待ちの間にずいぶん進行してしまったような経緯記録をブログなどで見うけます。
お医者 様はどこでも混んでいますが、明らかな病変がある場合(どちらにせよ摘出)は検査待ちの時間が無意味に感じられます。
 

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 まず驚いたのは「分泌物スメア細胞診」の結果を「検出精度は高くない」ときちんと理解されているところです。
 「石灰化(カテゴリー3のようですね)」と「血性乳頭分泌」たまたまというよりは関連性を考えるのは当然と思います。
 それでは回答します。

回答

「ほかのクリニックで受けたりせず、ひとまずマンモトーム生検の結果を待つしかないのでしょうか。」
⇒待つ必要はありません。
 石灰化の結果とは平行して、(別のクリニックでもいいですが)是非乳管造影をしてください(乳管内視鏡は不要だと思いますが)
 

★「カテゴリー3の石灰化」と「血性乳頭分泌」が「同一乳管」なのか?(たまたま同時に見つかっただけの)「別の乳管」なのか?が重要な点であり、そのためには「乳管造影が必須」です。
 決して、状況証拠だけで「同一乳管だろう」と判断してはいけません。
 

 「乳管造影」では、「乳管に造影剤を入れて」その後に「マンモグラフィーを撮影」するので、ステレオガイド下マンモトーム生検(ST-MMTと略します)直後に行うと痛いかもしれません。(4~5日すれば大丈夫でしょう)
 乳管造影で得られる情報は
①責任乳管(分泌のある乳管)の中に腫瘍(造影欠損)があるのか? 
②(問題の)石灰化部分へ繋がっているのか?

  • 「責任乳管」と「石灰化部位」が連続している場合
    • (ケース1)乳管造影で「造影欠損」があり、ST-MMTでは良性の場合
      ⇒乳管(腺葉)区域切除を行う。 ※「石灰化部分は良性」であっても、その他の腫瘍が癌である可能性は残るからです。
       
    • (ケース2)乳管造影で「造影欠損」があり、ST-MMTで「癌」の場合
      ⇒責任乳管を必ず含むような(術中乳管を染色して)「石灰化部分を十分含むような乳房温存術」を行う。
       
    • (ケース3)乳管造影で「造影欠損がない=腫瘍と関係のない血性分泌」であり、ST-MMTでは良性の場合
      ⇒これ以上の検査も治療も不要です。
       
    • (ケース4)乳管造影で「造影欠損がない=腫瘍と関係のない血性分泌」であり、ST-MMTで「癌」の場合
      ⇒(通常の、石灰化部分を十分に含んだ)乳房温存術を行う。
       
  • 「責任乳管」と「石灰化部位」が連続していない場合
    ⇒「血性乳頭分泌」と「石灰化」はたまたま同時に見つかっただけで、それぞれ別個に診断(→治療)を勧めなくてはなりません。
     

「微細石灰化」と「血性乳頭分泌」を同一の病変として考えると「非浸潤性乳管癌」を想定しなくてはなりません。
※担当医の「見た感じ95%は問題無いと思う」とのコメントから「浸潤癌は無い」でしょう。
 

 血性乳頭分泌の原因は質問者のおっしゃるように「乳管内乳頭腫か癌」だと思います。
 「石灰化の原因は?」というと、 乳腺症 > 癌 > 乳管内乳頭腫となります。
※石灰化をマンモトーム生検しますと25%程度に癌が出ますが、「乳管内乳頭腫」はもっとずっと少ないです。(以前、自分で行った1084件の結果をまとめた際に、乳管内乳頭腫もありましたがかなり少ない印象でした)
 

「進行が早いがん患者の方などは、早期に発見しても精密検査や結果待ちの間にずいぶん進行してしまったような経緯記録をブログなどで見うけます。」「明らかな病変がある場合(どちらにせよ摘出)は検査待ちの時間が無意味に」
⇒おっしゃる通りだと思います。
 私も、このQandAで皆さんの「不安な声」を聞いて、改めて「フットワークが遅い、スピード感の無い」医師が世の中に多いことに驚いています。
 質問者の担当医が、そのような医師で無いことを願っています。

 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日は大変分かりやすい解答をありがとうございました。

他の病院で造影検査をしようかと、問い合わせたのですが、やはり紹介状をもって初診後に予約となるようで時間がかかりますので、一先ずマンモトームの結果を待つことにいたしました。

本日診断確定しまして、Ⅰ期の硬ガンでした。

しこり形成前でしたが、一部浸潤が認められだそうです。

自分なりに調べて、0期は覚悟していましたが、浸潤性が高く予後が悪いと言われる硬ガンということで、さすがに少しうろたえました。。初診で言われた95%大丈夫の言葉を鵜呑みにしていなくてよかったです。

広くみた統計のガンの確率など、私個人のパターンに当てはめたら何の意味もありません。乳ガンは進行が遅いから、等と言われると、私の場合に当てはまるかはわからないのに、と少しイライラしてします。。

毎年マンモグラフィもエコーも受けていて、今年急に石灰化、膿疱、分泌液と片方だけに発生しましたので、割りとスピード感あるな…と何となく考えてはいましたが当たってしまいました。

今後ですが、造影検査はせずに、MRIを優先したいということでした。全身の転移を見るためのPET、センチネルリンパを見つけるためにCTを来週から再来週にかけて行います。

院内に病理診断医?がいないクリニックなので、センチネルリンパ生検はまた別の機会になります。

今のクリニックは、差額ベッド代がかなり高くつきますので、手術は転院を考えていますが、自分で探すのはなかなか大変ですね。

私が知りたいことを包み隠さず教えてくれる医者がいる病院が希望です。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
(癌であっても)非浸潤癌を期待していましたが、「浸潤癌」だったとの事。
残念です。ただ、「超音波所見がはっきりしない(石灰化所見だけであれば)浸潤径は小さい筈」だと思います。

「造影検査はせずに、MRIを優先したい」⇒(実際は)乳管造影ができない(経験がない)からMRIをするのでしょう。
血性分泌があるのに「乳管造影」せずに「MRI」をするなんて、「大学病院勤務の若く未熟な医師」みたいな中途半端な診療です。
※この場合のMRIは(石灰化を主体とする)癌病変の拡がりを見るためなのでしょうが、(血性分泌の検査も兼ねているつもりの様です)
 

「浸潤性が高く予後が悪いと言われる硬ガンということで、さすがに少しうろたえました。」
⇒これは一昔前の考え方です。
 乳がんにおける「硬癌=scirrhous ca」は、特に予後が悪いわけではありません。
 浸潤癌の中で大部分を占める「浸潤性乳管癌」の中の一つで「確かに、病理学的には、間質浸潤が強い」のですが、特別予後が悪い訳ではありません。
 
 今は予後はサブタイプにより論じられるものであり、(増殖スピードが比較的高く、トリプルネガティブが多いタイプでもある)充実腺管癌の方が手ごわい存在です。
 

「院内に病理診断医?がいないクリニックなので、センチネルリンパ生検はまた別の機会」
⇒手術を2回にわけて行う事になるので、正直あまり感心できません。
 やはり、術中迅速診断がいいと思います。

 ※特に「質問者の場合には」センチネルリンパ節は陰性の可能性が高いので、わざわざ別の日に行う必要はありません。 
 

「全身の転移を見るためのPET、センチネルリンパを見つけるためにCTを来週から再来週にかけて行います。」
⇒(石灰化主体で浸潤があるとしても、明らかに早期だと思われるので)私であればCTはしますが、PETは不要と思います。(そんな暇があったら乳管造影するべきでしょう)

 
 

 

質問者様から 【質問3 回答のお礼です】

お忙しいところ、丁寧な見解とご意見ありがとうございました。
 

浸潤性が強い=増殖が早い=予後が悪い
では無いのですね。
間違った想像をしていました。
 

こちらで質問をさせて頂いたり、他の方への回答を拝見して、何とか心の準備ができつつあります。
 

〉PETそんな暇があったら乳管造影するべきでしょう
乳管造影は対応しているクリニックで、乳線学会認定医、非常勤指導医等、肩書きの多めの先生です。エコーの時もマンモトームの時もみてくれ、高圧的でもなくエビデンス重視のようです。フォローするわけでは無いのですが、トータルでは良い先生と感じておりますので、何か理由があるのかも知れません。
 

診断ついた日にあえて確認しましたら、
2回目のスメアでは疑陽性がついてます。
 

無理矢理時間を作っていただき、診察してもらい、造影検査を期待していましたが、分泌液を再度採取したのみで、それほど心配しなくて大丈夫と言われた結果です。
 

通院の度に、安心させるようなことを仰るのです。
ですが自分で調べ、どうも安心出来る状態ではないと気がついたときの落胆といったら…
安心よりも、現実に向き合ってしっかり準備をしたいのです。。そういった意味で担当医とはどうも相性が悪いようです。
 

そういえば、Ⅰ期と診断がつきましたが、転移がないかはこれから調べるので、最終的な診断ではないと今更気がつました。
また少しガックリです。
 

まるで試験前の詰め込みのように、必死に調べ勉強しています。
後悔しない選択ができるよう頑張ります。
ありがとうございました。

 

田澤先生から 【回答3】

 おはようございます。田澤です。
 「画像上は石灰化所見のみで超音波では見えない、血性分泌を伴う浸潤癌」
 この状況で「リンパ節転移は無いと考えるのが普通です。1期と考えて間違いありません。腋窩も超音波で確認しているとは思いますが…
 

「乳管造影」
 この機会に乳管造影検査について実情をお話ししてみます(参考まで)
 乳管造影をやっている人(または経験有る人)はかなり限られています。
 

 それは「教育の場である」大学病院が「癌偏重」であることが原因の一つです。
 大学病院では「血性分泌があっても」放っておいて「癌になるまで待つ」と思われるような診療(経過観察という名のもとに)が行われています。
 

 私は東北大学出身で「最初の数年は東北大学病院の医局」に在籍していましたが、「乳管造影は一度も行われなかった」し、「血性分泌はMRIを撮影して、所見が無いから経過観察」とされていました。
 

 10年後、(東北大学病院のお膝元で臨床では東北随一の)東北公済病院へ移り10年間勤務したのですが、そこで経験したギャップの大きい事は想像以上でした。
 年間450症例を専門医2名で診療をするという(極端な)少数精鋭主義でしたが、その想像を絶する忙しさの中で「全ての診療が、きちんと行われていました」
 乳管造影を覚えたのも勿論「東北公済病院」です。
 

 その後移った「八戸市立病院」でも今の「江戸川病院」でも、「かつて乳管造影が行われた事が無く」勿論その器具も私が来てから買いそろえました。
 (乳腺外来看護師も知りませんでしたし、放射線技師も「撮った事がない。どうやって撮影するのですか?」という状態でした)

 
 

 

質問者様から 【質問4】

田澤先生こんにちは。

江戸川病院で手術(皮下乳腺全摘出&同時再建)して頂き、つい先日晴れて退院いたしました。このQ&Aで繋がったご縁ですので、こちらをお借りしてお礼を述べたいと思います。

田澤先生をはじめ、江戸川病院のスタッフの皆様には大変良くして頂き、心から感謝いたします。
人生初の手術に何の不安もなく望めたのは、田澤先生と皆様のおかげです。
看護師さんたちも明るくワイワイ賑やかで、いつも笑っている楽しい入院生活だったと思います。(笑うと傷が痛いのですけどw)

震える手で、初めてこちらのQ&Aに書き込んだ時が嘘のよう…。

当初、乳癌学会のサイトをはじめ、患者向け資料にはいろいろと目を通しましたが、これらには「何故?」「本当に?」の疑問が付きまとい、なかなか納得することができませんでした。
しかし幸運にもこちらのQ&Aにたどり着き、豊富な臨床経験と今のスタンダードを踏まえた先生のご回答で「理解」が得られると、やるべき事が分かり、自然と心の準備ができました。

そして、いざ決心して手術を受たら自分でも不思議なのですが、当初はあんなに胸に傷を付けるのがイヤでたまらず、手術方法にしましても後悔しない選択をしようと躍起になっていたのですが、手術後の左胸がそれほど嫌でもないというか、結構好きになれそうです。

田澤先生をはじめ、初診で泣いてしまった私に理解するまで説明してくださった形成外科のS先生、楽しい看護師さん達や、励まして下さった同室の患者さん他、支えて下さった方々に感謝して、この斜めについたカッコいいキズを大切にしたいと思います。

全身治療、乳房再建とまだまだこれからが本番なのですが、
田澤先生、これからもどうぞよろしくお願い致します!

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PS.「血性乳頭分泌」を緊急告知で取り上げてくださり、
ありがとうございました。
転院前にみて頂いていた前の先生は、血性乳頭分泌(単孔性)は、妊娠期以外は、要注意所見であるのに、「あまり心配する必要はない」とおっしゃいました。「乳管造影」を診療項目に明記しているクリニックでしたので、あえて私を「安心させるため」の言葉だったと思いたいですが…。
もうひとつ、マンモグラフィで撮影した画像には、淡い集族性石灰化(石灰化所見カテゴリー3)とは別の区域に、微細線状の石灰化らしきもの(石灰化ならカテゴリー5)が映っているのに、診察時それについては一度もふれて頂けませんでした。以上の2点がどうしても不安で、告知後早々に転医を決意しました。

「血性乳頭分泌」で不安になっている方が、きちんと「乳管造影」をして頂ける病院にどりつけることを切に願っています。
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田澤先生から 【回答4】

素敵な、お礼の手紙ありがとうございます。
頑張ってやってて良かったと思える瞬間です。

これからも治療頑張っていきましょう。

江戸川病院 乳腺センター 田澤





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