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健康診断で乳がんと言われました

[管理番号:197]
性別:女性
年齢:46歳
よろしくお願いいたします。
先週金曜日に健康診断でマンモをしました。
去年の夏頃から、左胸の乳頭が陥没していることは、わかっていました。
結果がよくないとエコーをして、触診で先生が教えてくれてしこりを触りました。
触った感じ1から2㎝ほどに感じました。
針を刺して細胞?を採って頂きました。
マンモやエコーの画像を見ることもなく終わりました。
画像を見せないのはなぜでしょうか?
検査後、左胸のチクチクした感じの痛みと左側の首筋から顎、頬にかけて違和感がありますが、それは何でしょうか?
よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 Qの題名が「健康診断で乳がんと言われました」となっていますが、メール内容を拝見すると「マンモとエコーをした上で細胞診の結果待ち」ですよね。
 それとも、(メール内容にはありませんが)担当医から「乳がんでしょう。」などのコメントが実はあったのでしょうか?
 メール内容に準じて、回答します。

回答

「画像を見せないのはなぜでしょうか?」
⇒(おそらく)後日細胞診の結果を説明する際に(一緒に)説明しようと思っているようです。
 「画像を見せると」その際に、「この画像の結果、○○が疑われます」とコメントしなくてはなりません。
 しかし担当医は「細胞診の結果が出る前に○○が疑われるという曖昧なコメントをしたくない」と思ったのでしょう。
 
★(確定していない、今の段階で)「画像所見では○○と思います」というような「曖昧なコメント」を避け、
 (細胞診結果が出て、確定したところで)「画像所見では○○が疑われ、細胞診をしました、結果 ○○の診断となりました。」と「確実なコメント」にしたいのだと思います。
 
「検査後、左胸のチクチクした感じの痛みと左側の首筋から顎、頬にかけて違和感がありますが、それは何でしょうか?」
⇒これは細胞診(もしかして針生検?)による影響だと思います。
 1~2週間で消えるはずです。
 

私の印象

「去年の夏頃から、左胸の乳頭が陥没」⇒「マンモで再検査」⇒「しこりを細胞診(針生検?)」
という状況を見ていると「乳癌」の可能性が高いと思います。
 
担当医も「画像所見から乳癌を疑っているので」細胞結果がでる前に「簡単には結果を話せない」と思っているのかもしれません。
 
★ もし癌であったとしても「1~2cmであれば」それ程、進行した状態ではありません。その場合には「きちんと治療」してください。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先生 ご回答ありがとうございました。
来週、月曜日に結果と紹介状をもらうことになっております。
針を刺しての、検査の時に医師からは、
「がんの話をしていいでしょうか?紹介状を書くので〇〇病院で手術になりますが」と言うような話をされました。
陥没に気づいていましたし、石灰化しているので乳がんになりやすいから気をつけてください。
と数年前に言われて毎年健診を受けてもいましたので、ある程度の覚悟をしていたつもりでしたが、パニックになってしまい、聞きたい事が言葉になりませんでした。
 
右側も石灰化していますので、やはり、乳がんになる確率は高くなりますか?
左側については、覚悟を決めて治療していきます。
先生、ありがとうございました。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 担当医から診断を言われていたのですね。
 了解しました。
 左乳癌については前向きに治療をしてください。
 それでは回答します。

回答

 ただ「石灰化しているので乳がんになりやすいから気をつけてください」というのは、誤った表現です。
⇒多くの人に誤解を生むといけないので「敢えて」私が訂正しますが、
●石灰化が癌になる訳ではありません。
 また、「石灰化を起こした乳腺が、将来癌になる」訳でもありません。
 
 「それが、癌にともなっておきる石灰化なのであれば」
  ⇒数年前に石灰化があった時点ですでに癌があったのです。(ただ、それを検査していないだけ)⇒これが、徐々に「しこり=腫瘍」を形成して、今にいたった。という事になります。
 
 「癌とは関係ない原因でおきる石灰化なのであれば」
  ⇒「乳癌になり易い」という事実は誤りです。
 
「右側も石灰化していますので、やはり乳がんになる確率は高くなりますか?」 
⇒(上記で述べたように)根本的な勘違いがあります。
◎「右側の石灰化」について、是非主治医と話してみてください。
 石灰化は3つに分けられます。
①明らかな良性病変に伴う石灰化
②良悪が区別できない石灰化
③癌が疑われる石灰化
 ①であれば、「将来それが癌に変わる事は絶対にありません」安心して放置してください。
 
 ②及び③であれば、(左の治療を予定する前に)その石灰化をステレオガイド下マンモトーム生検しなくてはなりません。
 
★「今は良性だけど、将来癌になる石灰化」などというものは存在しません。(全くの誤解です)
 「石灰化を起こした時点で、良性なら良性、悪性なら悪性と、すでに組織は存在しています。その後に(良性が悪性へ とか、悪性が良性へと)変化する事は絶対にありません。)
 
 

 

質問者様から 【質問3】

先生 ありがとうございます。
何度も申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
本日、検査結果及び紹介状をもらうために受診しました。
細胞の検査結果は、判定不能と出ておりました。
乳首は、取ることになりますが。と言われました。
 
マンモの画像では、乳首の下に1センチほど(私の目測です)これが、癌です。と言われました。
癌と言われた場所から、放射状の線が見えておりました。癌から出ている線は、なんでしょうか?
癌が、乳腺を介して広がっているのでしょうか?
 
他院で検査・手術までには、まだ数か月はかかると思われます。
健診の担当医師は、こちらの質問の答えを明確にはせずにかわすような言動でしたので、それ以上は質問する気にはなれませんでした。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

 こんにちは。田澤です。
 「検診機関での細胞診結果がでて、紹介状をもらいに再診」されたのですね。
 再度のメールありがとうございます。
 それでは回答します。

回答

「細胞の検査結果は、判定不能」
⇒「細胞診では細胞が採れなかった」ということですね。
 (乳癌を疑ったのであれば)最初から針生検をすべきだったと思います。
  ※もし、「検診機関だから、針生検はできない」のであれば、最初から「紹介」すればいいのです。
 
「マンモの画像では、乳首の下に1センチほど」
⇒腫瘍の部位が「乳頭に近い」ことが解りました。
 ただ、「直接浸潤」でもなければ、「温存手術も可能」かもしれません。
 ※もちろん、「乳頭に直接浸潤」している所見があるのかもしれませんので、「紹介先の医師」とその点についても相談するべきです。
 
「癌と言われた場所から、放射状の線が見えておりました。癌から出ている線は、なんでしょうか?」
⇒これは「超音波所見」ですね。
 超音波所見であれば、「境界エコー」といい「癌の周囲組織への浸潤」を意味します。
 ※マンモグラフィーであれば、「スピキュラ」といいます。(同じ意味合いです)
 
◎「他院で検査・手術までには、まだ数か月はかかる」
⇒と、ありますが、是非とも「1カ月以内に手術」を希望してください。(紹介先が、そのようなフットワークの軽い病院であればいいのですが…)
 数か月も先では、「進行する」のが心配です。