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管状がんと診断され

[管理番号:4067]
性別:女性
年齢:46歳
某大学病院で8月(中旬)日に右乳房の乳がんと診断され、超音波、CT、マンモグラフィー、エコー超音波(リンパ筋)MRI検査し9月(上旬)日の検査結果で非浸潤癌と診断されました。
・ステージ1の診断を受け他へ(肺、脇リンパ、肝臓)転移はなく、9mm程度と診断されました。
10月(中旬)日に右乳房部分切除術を受け、術後一か月たち術後検査も特に問題ありませんでしたが、肩甲骨の右上から腕の付け根に突っ張る感じが少し残っている程度です。
術後の説明(11月(下旬)日)
術前の検査では非浸潤癌と言われましたが管状がんであると訂正されました。
リンパ節転移;無
脈管侵襲;無
浸潤の有無;有
腫瘍の 大きさ;浸潤部 1.5cm×0.8×0.8cm         
       全体 2.1×10×9mm
ホルモン受容体の有無;エストロゲンとプロゲステロン陽性
HER2;2+
ki67;40% 
以上が検査結果を聞いた内容でHER2;2+とki67;40%に関しては、より詳しい検査を行い結果次第で今後の治療を決めるとのことでした。
検査の結果にもよりますが以下の治療が必要と聞いています。
① 抗がん剤治療・・・・3週に1回で4回
② 放射線治療+③ホルモン療法
③ 抗HER2療法・・・1年(3週に1回54週)
そこで質問なのですが。
腫瘍の大きさ;浸潤部 1.5cm×0.8×0.8cm         
全体 2.1×10×9mmはどのように 理解したらいい数値なのでしょうか?
抗がん剤治療は 本当に必要なのか?放射線、ホルモン療法では無理なのでしょうか? 
                     
抗がん剤を選択しない場合の治療方法はありますか?
できることなら抗がん剤の治療は避けたい。
抗がん剤の副作用による脱毛は理解していますが、過去に仕事のストレスで円形脱毛の経験があり、脱毛に対して強いストレスを感じていまいます。
現状で分かっていることで最善の治療方法はどんなことが考えられるでしょうか?
術前に超音波(マンモグラフィーだったかも)で左に白い点々が見つかりましたが、詳しい検査の結果、石灰化であり問題ないとのことでしたが今後もがん化したりはないのでしょうか?(今後、毎年は検査を定期的にするつもりです)
生活面で気を付けること(食事、飲酒、喫煙)
長々と書いてしまいましたが、不安でインターネットなどでも調べてしまいます。
決してインターネットを見ることが良いと思いませんが、つい見てしまいます。
ぜひ先生のご意見をお聞かせください。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず、明らかに担当医が誤っているのは、「管状癌に対する認識、理解」です。
「某大学病院」とありますので、まだ「勉強途中」ということなのでしょう。
○乳癌では組織型による治療法の区別はない(つまり、どの組織型でもサブタイプに応じた治療が推奨される)のですが、唯一の例外があります。
 それが「予後良好ガン=腺様嚢胞癌、管状癌」です。
 『腺様嚢胞癌や管状癌は予後良好なため、リンパ節転移陽性でない限り化学療法の適応は無い』のです。
つまり、質問者はリンパ節転移陰性なのだから「たとえトリプルネガティブでも」化学療法の適応外なのです。
 ましてや、「ルミナールBだから抗がん剤の必要があります」など、とんでもない誤りです。
「検査の結果にもよりますが以下の治療が必要と聞いています。」
⇒とんでもない「誤り」です。
「腫瘍の大きさ;浸潤部 1.5cm×0.8×0.8cm  全体 2.1×10×9mmはどのように理解したらいい数値なのでしょうか?」
⇒非浸潤癌の部分を含めると2.1cmの大きさであり、その中で最大浸潤径(浸潤している部分の範囲は)1.5cmだということです。
「抗がん剤治療は 本当に必要なのか?放射線、ホルモン療法では無理なのでしょうか?」「抗がん剤を選択しない場合の治療方法はありますか?」
⇒冒頭でコメントした通り、
 そもそも「抗がん剤の適応外」です。
「現状で分かっていることで最善の治療方法はどんなことが考えられるでしょうか?」
⇒当然、ホルモン療法です。
 ♯温存手術なのだから「局所療法として」放射線も当然必要です。
「今後もがん化したりはないのでしょうか?」
⇒そもそも「良性が癌になる」ことは絶対にないのです。
 ♯「癌化」という言葉は、(本来)「最初から癌と診断し損ねた 言い訳」なのです。
「生活面で気を付けること(食事、飲酒、喫煙)」
⇒喫煙は無条件にやめましょう。
 アルコールも良くないことは明らかです。
 禁酒は大変ですが(私ならできません)減酒しましょう。