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化学療法を中止し、ホルモン療法へ切り替えたいが、妥当か

[管理番号:6099]
性別:女性
年齢:52歳
初めまして、いつも拝見してます。
相談内容です。
去年12月に左乳房全摘し、センチネル1/6個に微小転移があり、リンパ節郭清は免れたのですが、放射線は浮腫むので、10年先を視野に完治を目指して、FEC4クールDOC4クールを勧められ、1月からFEC療法開始しました。
先日2クール目を終えたところですが、その際、点滴終了後3時間もすると、胸痛が出現、体が破裂して血管や眼球が飛び出るような苦痛で悶絶しました。
8時間ほどで徐々に収まったのですが、一瞬、
救急車を呼ぼうかと思った位でした。
翌々日ジーラスタ注射で受診した際、Xp,EKG,心エコーしたのですが、問題なしと言われました。
多分、不安からのパニック障害程度に思われてると思います。
でも、副作用に不可逆的心筋障害がありますし、問題が出てからでは遅いのではないか、このまま続けて大丈夫か、来週3クール目なのですが、迷っています。
そもそもオンコタイプDXをしていれば、化学療法の適応ではなかったのかも知れません。
ご助言を頂ければと思います。
病理結果は浸潤性微小乳頭癌、核異型スコア1点、核分裂像スコア1点、核グレード1点
T2N1M0(腫瘍径35×30×28、センチネル微小転移1/6、レベル1リンパ節転移0/1)
ER85%(3b),P&R85%(3b),HER2 0,ki67 20%
リンパ管侵襲あり、静脈管侵襲明らかではない。
主治医は、サブタイプ分類にはあまり関心はないみたいで、オンコタイプDXには、高額出費して、中間リスクだったらどうするつもり?と言われました。
リンパ節転移の有無を重視しており、乳癌診療ガイドラインのCQ11「原発乳癌にたいしてアンスラサイクリンにタキサンを追加した術後化学療法は勧められるか」推奨グレードBを根拠に、ホルモン受容体の有無に関わらず、FEC+DOC療法を勧めているようです。
さらに素朴な質問です。
現在52歳で去年の6月を最後に生理はないのですが、例の、腋窩や鎖骨のズキズキがあります。
化学療法のストレスで、アンドロゲン由来のエストロゲンがどんどん作られて、潜んでいる癌が育ってしまうのではないかと想像してしまいます。
化学療法中は、ホルモン療法はしなくて大丈夫なのですか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「センチネル1/6個に微小転移があり、リンパ節郭清は免れたのですが、放射線は浮腫むので、10年先を視野に完治を目指して、FEC4クールDOC4クール」
⇒そもそも、この発想が…
 最初から「放射線の適応なし」です。(微小転移なのだから)
 
「Ki67=20% そもそもオンコタイプDXをしていれば、化学療法の適応ではなかったのかも知れません。ご助言」
⇒勿論、ルミナールAだった可能性が高いです。(というか、私なら、迷う事も無くホルモン療法単独とします)
「腋窩や鎖骨のズキズキ」
⇒明らかなホルモン刺激症状です。(そもそも「痛み=癌」みたいな発想そのものが誤りです)
「化学療法中は、ホルモン療法はしなくて大丈夫なのですか?」
⇒問題ありません(ホルモン療法は長期的な視野でみるべきものです)