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化学療法の適応について

[管理番号:2866]
性別:女性
年齢:52歳
初めまして。
52歳 女性です。
化学療法の選択について御意見を頂きたくてメール致しました。
2016年1月頃から右乳頭直下のチクチクした異和感あり。
2月初めてマンモグラフィー、エコーで約2cmの右乳癌の疑い、針生検で細胞診、classⅣ
core needle biopsy:invasive ductal adenocartinoma
4月 右乳房切除術(tumorが乳頭直下のため)+センチネルリンパ節摘出
術中迅速病理は陰性でしたが、永久標本でSNL1/2陽性 2.19mm および断端陽性のため
1w後右腋窩リンパ節切除+右乳房断端追加切除施行
2回目の手術の病理結果待ちです。
初回手術の病理結果は以下のとおりです。
size 25×14.5×9mm
Invasive ductal carcinoma,papillotubular/scirrhous type tubal formation:
Score2(10-75%)
nuclear pleomorphism:Score2
mitotic counts:Score1(0-5/10HPF)
Histological Grading:GradeⅠ(well diff.)
リンパ管侵襲:ly2
静脈侵襲:v0
浸潤の範囲:脂肪織に浸潤する(f)
断端評価:cut end(+)
総合所見 pT2, pN1 StageⅡB
免疫染色
ER100% PgR100% HER2:score0 Ki67 :5%
SNL 1/2(+) 2.19mm
主治医からは10生率5%程度の上乗せだが、ly2,pN1
2mm以上から追加のFEC3コース+DTx3コースを勧められています。
免染の結果から内分泌療法だけで行けるかと思っていました。
ご多忙中恐縮ですが御意見お聞かせいただければ幸いです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1(25mm), pN1(SLNが2.2mmならば、追加郭清のリンパ節に転移は殆ど無いと推測),
luminalA
「主治医からは10生率5%程度の上乗せだが、ly2,pN1 2mm以上から追加のFEC3コー
ス+DTx3コースを勧められています。」
⇒luminalAなので、化学療法の上乗せは殆どないでしょう。(mitotic counts 1や
Ki67=5%では文句なしのluminalAです)
 閉経前乳癌では(腫瘍径5cm以上やリンパ節転移陽性でも)luminalAでは「化学療
法による利益がない」という報告があります。SABCS(2015)
 ♯もしもOncotypeDXをすると「同様の結果(RS低リスク群:化学療法による上乗
せなし)」となりそうです。
 
○ホルモン療法単独でいいでしょう。
 新しいASCO(2016)からは「タモキシフェン+LH-RHagonist併用」で問題あり
ません。