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術前化学療法と手術の選択

[管理番号:6591]
性別:女性
年齢:54歳
術前化学療法か手術先行か悩んでいます。
6/(中旬)+右腕乳輪下に石灰化が経過観察時に発見され
6/(中旬)に針生検したところクラスⅤ乳癌と診断。
その後PET検査にて遠隔転移はなく、トリプルポジティブ、ER3b PgR3a HER2 3+ との診断。
病期ⅠB~ⅡAとのこと。
私は手術先行と思いますが、主治医は小さくして手術をと術前化学療法を視野に入れて選択してほしいと言われ、迷っています。
7/(上旬)に主治医にどちらにするか伝えに行かねばならず、悩みに悩んでいます。
術前化学療法の方がやはりいいのでしょうか?
ご教示願います。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
担当医はHER2陽性だから「何が何でも術前抗がん剤がしたい」と考えているようですが…
術前化学療法の絶対的適応(必ずすべき)は、あくまでも「小さくして温存」です。
質問者が温存を希望しているのかどうか不明(乳輪下という位置から、そもそも温存不能なのかもしれませんね)ですが、「病期ⅠB~ⅡA」という記載からは(そもそも病気ⅠBはありませんが)、腫瘍径は2cm以下のようですね?
それであれば、(温存希望かは別として)「小さくして温存」には当てはまらないようです。
「術前化学療法の方がやはりいいのでしょうか?」
→何故??
 全く「術前に」抗がん剤をする理由がありません。
 ☆HER2陽性だから、(術前にしろ術後にしろ)抗HER2療法(ハーセプチン+抗がん剤)は行うべきですが、術前でも術後でも予後に変わりはないのです。(それを患者さんの意思に反して術前抗がん剤を勧めることに妥当性は全くありません)