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化学療法前の状況

[管理番号:1114]
性別:女性
年齢:43歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1081「転移・再発の心配

 
 
おはようございます。 先日はお忙しい中、早々に御返事をいただきまして ありが
とうございました。病理結果を見て頭が真っ白になっていましたので、先生の回答を
見て安心して涙がでてしまいました。
化学療法前の状況です。
元々、今回乳癌ができた場所にはのう胞があり、これは心配するものではないとのこ
とでした。定期的に行っている人間ドックでもかかりつけの乳腺科でも診断されてい
ましたので、のう胞に間違えがなかったと思いたいのですが・・・。
のう胞が突然癌化することがあるのでしょうか。場所も同じですし、もしかしたらと
思ってしまいます。
3年位、定期検査のたびにのう胞がある状態でしたが、去年の12月末に突然大きな
しこりを触り急いで乳腺科に行きましたらすぐに検体で年明けには告知されました。
その時点で触診、マンモ、エコーで見る限りはしこりは2センチで脇にもしこりがあ
るので、ステージ2bでした。
その後、すぐにガンセンターに行き検査をしたら、脇のしこりの検体でも癌細胞がで
て、鎖骨下にもPET検査で数が確認できないほどの転移が確認されたので4日後に
は抗がん剤が始まりました。
その時のエコー検査で癌の大きさは2.8センチでした。ほんの1ヶ月前から0.8
センチも大きくなっていたのでショックでした。
脇と鎖骨下のリンパはFEC4回終わってのエコー検査結果
<所見>
rt)9時方向に7×4×4mmの範囲で構築の乱れを伴う低エコー域を認める。
乳頭間距離=52mm 明らかなLN swelling(-)
<診断>
lt)np
rt)化療後残存ca>化療後瘢痕化
この時点で脇、鎖骨下、乳房のしこりは自分で触っても分からないぐらいになり、こ
のまましこりは消滅してくれるかもと期待しましたが、ドセタキセルはFECほど効
果はなかったようです。その後は手術をして今に至ります。
乳房のしこりの大きさ(エコー)→FEC終了時0.7mm ドセタキセル終了時1㎝
病理結果について先生にお聞きしたいのですが
・リンパ節転移遺残有り 5/16 とは16個転移があって5個に癌が残っていた
ということでいいのでしょうか?FECが終わった時点で画像上は見えなくなってい
たのに5個も残っていたということはドセタキセルで悪化したのでしょうか。
・脈管侵襲が+ということは抗がん剤も術前に終わっていますし、術後は癌細胞が体
中を回ってしまわないですか?気持ち的にはもう一度効果のあったFECをやりたい
位です。
・前回ホルモン療法について先生からお話いただきましたが、1%以下ならやらない
ほうがいいのでしょうか。次回の診察の時に主治医に何%反応があるのか確認して
1%以上ならホルモン療法がしたいと話をしてみます。
お忙しい田澤先生にお聞きするのでなく、主治医に聞くべきでしょうが
先生の回答は他の方にされているのもそうですが、いつも分かりやすく、この先自分
は大丈夫だと思わせてくれます。本当にありがとうございます。
たくさん質問をしてしまい申し訳ありません。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
経過をみると、「ドセタキセル」は無効だったようですが、「抗がん剤が必ず効くものではない」以上、仕方が無い事です。
最初に行ったFECが「有効」であっただけでも良かったと考えるべきです。

回答

「のう胞が突然癌化することがあるのでしょうか」
⇒ありません。
 嚢胞は決して癌にはなりません
 可能性があるとすれば「嚢胞ではなく(実は)嚢胞内癌だった」というものです。
 ♯嚢胞内癌は嚢胞では有りません。
 「嚢胞に見えた」が実は「嚢胞内腫瘍」であり、それが「後日判明する」というパ
ターンかもしれません。
 
「リンパ節転移遺残有り 5/16 とは16個転移があって5個に癌が残っていた
ということでいいのでしょうか?」
⇒違います。
 16個郭清した中で転移が5個だった(残りの11個には転移が無かった)ということです。
 ♯分母の16は「摘出したリンパ節の個数を示しており、抗がん剤前の時点でのリンパ節転移の個数ではありません」
 
「FECが終わった時点で画像上は見えなくなっていたのに5個も残っていたということはドセタキセルで悪化したのでしょうか」
⇒おそらく違います。
 「画像上見えなくなっていた=転移消失」ではありません。
 その時点でも「癌細胞が(画像では見えなくなったとしても)リンパ節には生き残っていた」と思います。
 ♯一度、「完全に消失した癌細胞が復活する」ことはないと思います。
 
「脈管侵襲が+ということは抗がん剤も術前に終わっていますし、術後は癌細胞が体
中を回ってしまわないですか?」
⇒これも勘違いです。
 「脈管侵襲は摘出した癌組織での様子」でしかありません。
 「癌細胞が血管の中に存在している」様子を見ている訳ではないのです。
 
「1%以下ならやらないほうがいいのでしょうか」
⇒無効なのに、行う事は推奨されません。
 やはり「1%以上」の反応性が有る場合に行うべきです。
 
○最近、「術前抗がん剤中の効果」について悩んでいる人からの質問が多いようで
す。
 「術前抗がん剤での効果を予後と結び付けて悩む」必要はありません。
 本来の姿である術後補助療法のように、「効果が目に見えないかわりに(余計な心
配等無しに)一喜一憂せずに、やるべき事をやる」という方が、精神衛生上もいいよ
うに思います。(効果は同じだし)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

いつもお忙しい中、分かりやすい説明をありがとうございます。
以前、トリプルネガティブ ステージ3Cで質問をさせていただきました。
今は放射線治療を行っています。
気になったことがありますのでお願いします。
鎖骨下のリンパまで転移がありまして、手術ができないので放射線治療をしています
が、もし放射線治療で効果がない場合は今後の治療はどのようになるのでしょうか。
放射線治療中に悪化することもあるのでしょうか。
以前、先生に10年生存率は75%と教えていただきましたが、最近芸能人の方がリ
ンパまで転移があったので50%とテレビで話しているのを見て心配になりました。
色々と気になることだらけで申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「鎖骨下のリンパまで転移がありまして、手術ができないので放射線治療をしています」
⇒これは、誤りです。
 「鎖骨下リンパ節=レベル3リンパ節」は手術で摘出する範囲です。
 術後照射は(その先である)「鎖骨上リンパ節(±胸骨傍リンパ節)」への予防照
射の筈です。
 ○鎖骨下リンパ節は「手術で摘出できる」筈です。 担当医に確認しましょう。
 
「最近芸能人の方がリンパまで転移があったので50%とテレビで話している」
⇒勿論、病状を正確には知らないので詳細不明ですが、「正しい数値ではない」と思います。
 担当医か本人の勘違いでしょう。