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大胸筋辺縁に接した引き込みが見られる場合の術前抗がん剤治療

[管理番号:6101]
性別:女性
年齢:53歳
田澤先生 初めてお問い合わせさせていただきます。
人間ドックエコーにて要再検査→乳腺外科にてマンモ+針生検+胸部レントゲン+血液検査の結果ステージ2 ルミナールタイプAのため、温存+ホルモン治療になるだろう、オンコタイプはしてもしなくてもどっちでもとのことでそのつもりでおりました。
その後、紹介先病院にてのMRI検査結果により、術前抗がん剤治療→部分切除手術→放射線→ホルモン治療の予定となりました。
術前抗がん剤治療はPET検査後の結果次第で直ちに来週から行う予定になっています。
MRI画像診断結果は以下の通りです。
右乳腺C領域の乳癌30×18最も深部に位置、大胸筋辺縁に接し軽度引き込みが見られるが明らかな直接浸潤はないと考えたい。
娘結節(?)右
腋窩レベルⅠリンパ節に転移の可能性が否定できない。
腫瘍マーカー7.5
本結果から、今後PET検査結果を行い腋窩リンパ1期や他に転移が認められた場合には術前抗がん剤治療を先行することとし、これにより癌が縮小し、腋窩リンパ腫瘍も消滅する場合がある。
抗がん剤は術前または術後どちらでも効果は同じだから、上記の可能性があるので術前抗がん剤治療を行うとのことでした。
私としては、ルミナールタイプAの場合抗がん剤治療は効果を期待できる可能性が低いので
体力のあるうちに部分切除または全摘手術先行し
腫瘍拡大や転移などの心配を少しでもなくす
という選択も考えても良いのかどうか。
田澤先生のご意見をお伺いできますでしょうか?よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
世の中には(無闇に)術前抗がん剤をしたがる医師も多いですが…
「私としては、ルミナールタイプAの場合抗がん剤治療は効果を期待できる可能性が
低いので体力のあるうちに部分切除または全摘手術先行し腫瘍拡大や転移などの心配を少しでもなくすという選択も考えても良いのかどうか。」

⇒まさに正しい考えです。
 「小さくして温存」と言う目的が無い限りは、手術先行すべきです。(質問者のいうようにルミナールAは抗癌剤が効きにくいということも参考になります。