乳がんとは|乳癌の症状、しこりや石灰化について解説|石灰化にマンモトーム|乳癌の治療|東京の江戸川病院 乳腺外科・乳腺外来

[管理番号:198]
性別:女性
年齢:43歳

いつも素早く分かりやすい回答、励みになります。ステージ2b、これからMRIをして、来週には結果と、組織診断によるサブタイプも分かる予定です。

私はスポーツインストラクターとして働きたいので、できればリンパ郭清手術は避けたいです。術前化学療法でリンパ転移したがんが消えて、リンパ郭清を免れることはありますか?

また、手術を先にした方が良い場合というのは、どういう状況ですか?それから、腫瘍は3cmと言われていますが、もし温存ができる場合でも、全摘の方が再発は少ないですか?

また、今は県内6位の年間乳がん手術数150件程の市民病院にかかっていますが、県内1位、年間500件越えの病院に行くか悩んでいます。今の市民病院であれば、2週間後には手術ができますが、トモセラピーなどの最新治療器はありません。県内1位の病院はがんセンターで、この地方でもトップクラスですが、1、2ヶ月待ちです。

たくさん質問してしまいましたが、ご意見頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「ステージ2b」ということは「腫瘍径3cm、リンパ節転移あり(画像上)」ということだと思います。
 質問内容が「医療関係者?」かと思わせるような「乳癌を理解」した上での内容であることに少々驚きます。
 インターネットなどで、勉強されたのでしょう。
 全ての質問が「重要」なものであり、このような質問をしてもらった事を光栄に思います。
 それでは回答します。

回答

「できればリンパ郭清手術は避けたいです。術前化学療法でリンパ転移したがんが消えて、リンパ郭清を免れることはありますか?」
⇒原則として(ガイドライン上)「化学療法前にN1(画像上リンパ節転移陽性と判断)の場合」には「センチネルリンパ節生検による腋窩郭清省略」は勧められません。

 ●乳癌診療ガイドライン上も、C2(勧められない)となっています。
 私も、「このガイドラインの判断は正しい」と思っています。
 

 つまり(術前の)抗癌剤の効果は「全てのリンパ節に等しい」とは限らないのです。
 たまたまセンチネルリンパ節にだけ抗癌剤が効いて「転移なし」となっても、「その他のリンパ節に転移が残っている可能性」を除外する事は(現時点では)不可能です。
 ※ これが「将来的に許される」としたら、「臨床試験という形」で十分な症例数を検討する必要があります。(現時点では全く困難です)
 

「手術を先にした方が良い場合というのは、どういう状況ですか?」
⇒①(腫瘍が大きくて)そのままでは温存できないが、「温存を希望する」場合
 この場合には、「術前に抗癌剤を用いて(温存可能となる位まで)腫瘍を小さくしてから」温存手術をすることが目的です。
 
 ②(腫瘍が皮膚や筋肉、胸壁に広範囲に浸潤していたり、リンパ節転移が激しく安全な腋窩郭清ができない)ような「極めて進行した」状態の場合
 この場合には、「術前に抗癌剤を用いて(手術で取れる)状態まで腫瘍を小さくしてから」乳房切除手術をすることが目的となります。
 

●手術を先にした方が「良い」とまではいかないが、「術前化学療法でも構わない」場合
⇒「サブタイプがトリプルネガティブやHER2タイプ」であった場合
 この場合には、「どうせ、術後に化学療法の対象となる」のだから、術前にやっておこう。という考え方です。
 

「もし温存ができる場合でも、全摘の方が再発は少ないですか?」
⇒「再発」を「局所再発(もともと癌のあった部位:乳腺やリンパ節)」と「全身再発(他の部位のリンパ節や肺、肝、骨など)」に分けなくてはいけません。

 「局所再発」は間違いなく「全摘」の方が再発は少ないです。
 ※温存術の場合には、「この差を小さくする」ために「術後照射」をするのですが、残念ながら差はゼロにはなりません。

 「全身再発」の場合には「温存も全摘も一緒」です。 というか、もしここに差があったら、「温存術が許されることは無かった」でしょう。
※「全身再発に差がない」ことこそが「温存術の正当性」を保証しているのです。
 

「今は県内6位の年間乳がん手術数150件程の市民病院にかかっていますが、県内1位、年間500件越えの病院に行くか悩んでいます。今の市民病院であれば、2週間後には手術ができますが、トモセラピーなどの最新治療器はありません。県内1位の病院はがんセンターで、この地方でもトップクラスですが、1、2ヶ月待ち」
⇒これは実は評価の難しいところです。「施設としての乳癌手術総数」は実は大した意味はありません。

●実際に2000件以上執刀している私だから敢えて言いますが、「手術は執刀医個人の技術」なのです。(所属している施設が何件なんて事は全く関係ありません)
 

「がんセンターで年間500件」
⇒(一見)ここで手術してもらえば、「上手い手術にあたる」と思われるかも知れませんが、おそらく大変な誤解があります。
 そこの病院では「何名の乳腺外科医が手術」しているのでしょうか?
 もしも「10名もいたら…」1人あたりは年間50件以下となります。
 正直、その程度の件数では「上手く」はなれません。

 また、「10名も医師がいるような」病院で、一体誰に執刀してもらえるのでしょうか?
 (一般的には)大学病院を始めとして(そのような)大病院では「若い医師」に経験を積ませるような状況が多いです。

 ※私自身の(若いころの)「東北大学病院医局在職中」は「殆どが、卒後10年未満の若い医師が執刀」していました。
 今振り返れば、恥ずかしいくらいの「下手な手術」をしていたものだと思います。
 
   
「年間150件程の市民病院」
 ⇒何人の乳腺外科医が執刀しているのでしょうか?
  年間100件以上執刀している医師がいれば、さらに(その医師が執刀する)と「顔が見える」病院であれば、間違い無くその方が「手術は上手い」でしょう。
 

※トモセラピーについてですが、「鎖骨上や胸骨傍リンパ節など」トモセラピーでなくては「きちんと狙えない」部位に放射線照射が必要でなければ、通常照射で十分だと思います。
 ステージ2bということは、通常照射で十分ということです。
 

手術技術について(参考までに)

 私の経験上、「年間100件以上の執刀」を「10年以上」これがエキスパートになるための「最低条件」だと思っています。
 
 「大学病院では、まず不可能」であり、「有名大病院でも無理」です。
 医者の数が多すぎるし、「教育機関としての役割」があるので、若く未熟な医師の執刀は避けられません。
 ※私がいた頃の「東北公済病院」のように「少数精鋭主義 2名で450件」のような施設は他に無いとは思いますが、「1人で年間100件以上」位なら探せばいると思います。
 

「エキスパート」と「そうでない医師」の手術の違いについて
①血量が少ない(というか、出血量0でも手術はできます)
 ※ちなみに私は「血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)」も休薬せずに、そのまま手術してます。

②手術時間が短いので丁寧にできる。

③(②と密接に関係するのですが)リンパ浮腫や腕の動きなどの合併症が殆ど無い。
 

◎「腋窩郭清をするとリンパ浮腫になる」と思っていませんか?
 それは、リンパ節郭清の際に「でたらめに」リンパ管を「ずたずた」にした手術だからなるのです。
 きちんと、「正確に、他のリンパ管には触れないような」手術で損傷を最小限にすれば「ほぼ回避」できます。
 

★手術は執刀医の技術が大変ものをいいます。
 本当に「良い手術」をしてもらいたいのであれば、「年間100件以上執刀している医師」に確実に手術してもらえる病院を探す事です。
(一人で何件執刀しているかを調べるのは、かなり困難だと思いますが)「少人数で沢山症例数のある病院」を探す。これが間違いありません。

 
 

 

質問者様から 【質問2】

毎度迅速なご回答本当に頭が下がります。ありがとうございます。

患者の意思が尊重されるのは嬉しいことですが、素人がいきなり治療法を選ばなくてはいけないのは大変です。

このような病院と患者の中立の立場でご意見頂き、本当に感謝致します。引き続き質問があります、よろしくお願い致します。
 

年間100件の経験があるドクターが望ましいとありましたが、電話したところ、年間500件のがんセンターは10人以上のドクターがいるが、手術は複数名で行うから、1人の経験数はもっとあるとの答えでした。ちなみにその病院在籍の有名ドクターは手術を行っていないようでした。

また、乳がんの名医50名(http://www.hospital-navi.com/breast-cancer-doctor.html)に入っていた先生の病院は、約280件に対して3名、名医の指名もできるとのことでしたので、セカンドオピニオンはこちらにしようかと思います。
 

現在かかっている市民病院は、年間約150件を2名で行っているとのことで、まだ手術執行医には会えていませんが、今の担当医は、乳がん手術自体は難しいものではないとおっしゃっていましたが、リンパ郭清手術には後遺症が残らないよう最善の手術をお願いしたいです。

胸に関しては、再発予防のため、全摘にしますが、同時再建かその後再建で悩みます。どちらが良いと思われますか?

また、がん発覚までは不妊治療をしていましたが、術後、化学療法前に妊娠するのは危険ですか?

以上、よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 セカンドオピニオンについては「いろいろ調べて」ご苦労様です。
 正直「標準治療が定まり、あらゆる最新情報に囲まれている」現在では、「セカンドオピニオンは、(ある一定以上のレベルであれば)何処でも、誰でも大して変わりはない」とは思います。
 むしろ重要な事は、「実際に執刀してもらう」医師の選択です。驚くほど差があるのでここだけは慎重にした方がいいです。
 それでは回答します。

回答

「同時再建かその後再建で悩みます。どちらが良いと思われますか?」
⇒(治療を優先するのであれば)同時再建は辞めた方がいいと思います。
 リンパ節転移陽性の際には「術後照射の可能性」があります。
 術後照射を考えたら、「二次再建」の方がいいです。
 

「術後、化学療法前に妊娠するのは危険ですか?」
⇒私は構わないと思います。
 術後化学療法はあくまでも「再発予防のため」です。
 きちんと手術(+放射線照射)をした上であれば「選択肢は沢山あります」
 妊娠出産を選択されても間違いではありません。

 
 

 

質問者様から 【質問3】

 迅速な回答ありがとうございます。

 針生検により、ER+, PgR+,Her2 score1 -、T2 N1 M0 ステージ2bとのことでした。
 治療方針は、術前化学療法ECとDOCを半年間やって手術、術後はホルモン治療5年とのこと。
 術前化学療法により、閉経は免れません。
 主治医は若い女医でしたが、納得できた(その時は)のと、セカンドオピニオンを受けようと思っていたがんセンターにいたこともあり、意見はそう変わらないとのことでここにきめましたが、先生はこの術前化学療法をどう思われますか?
 

 化学療法に入る前に受精卵を凍結するために卵巣刺激もしていいと言われましたが、治療が遅れるのが怖いのと、運良く受精卵になって移植する場合でも、術後のホルモン治療は5年が必要とのことで、年齢的に厳しいと思いました。
 

 本当に望むなら、術前化学治療を2ヶ月遅らせ、術後ホルモン治療をやめることですが、リスクは高いですか?
 

 そもそも術前化学療法が妥当か、また上記のリスクについてお教え下さい。よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答3】

 こんにちは。田澤です。
 話が大分具体的になってきましたね。
 それでは、回答します。

回答

「この術前化学療法をどう思われますか?」
⇒術前化学療法をする目的がはっきりしてません。
 
 
◎術前化学療法の適応については前回記載しましたが、「質問者の場合にあてはめると」
①「腫瘍が大きく、このままでは温存できないが、術前化学療法を行って(縮小させて)温存手術を狙う」場合
②「luminal Bであるか、あるいは(luminal Aではあるが)リンパ節転移の個数が多い場合
※luminal AはER+, PR+でKi67 (14~20以下:学会的に定まっていない):ホルモン療法が効くタイプで、かつ増殖能の低いタイプ
Luminal BはER+ でKi67(14~20以上 ):ホルモン療法が効くタイプで、かつ増殖のの高いタイプ

※補足をすると
luminal Aは、(リンパ節転移が多数の場合に化学療法をするケースがあるが)ホルモン療法に加えて、化学療法を追加する意義は不明
Luminal Bは、一般に内分泌療法に加えて、化学療法を追加するのが一般的

①は「温存目的」の術前化学療法
②は(どうせ、術後に化学療法が適応となるので)「どうせ術後にやるのなら、術前にやってしまえ目的」の術前化学療法

◎質問者はどちらなのでしょう?(①にも②にも当てはまらないなら、術前化学療法の必要はありません)
①であれば、「絶対に正しい」と言えます。
ただ②であれば、「議論の余地」があります。

「tripple negative(ER-, PR-, HER2-)や、HER2タイプ(HER2+)」ならば、いいですが、luminal type(Aにしろ、Bにしろ)では「化学療法を(術前にしろ術後にしろ)しなくてはならない」ということはありません。
◎luminal type(Aにしろ、Bにしろ)であれば、(術前)化学療法の効果も強くないので、術前化学療法をする意味がかなり限定的です。
 

★もう一度言います。①であるなら、術前化学療法すべきですが、②の場合なら「考え直してもいい」と思います。
「論点1」(luminal typeであれば、そもそもホルモン療法の比重が大きい)ので、そもそも化学療法が必要かどうか?(質問者の場合には妊娠出産の希望あり)
「論点2」(luminal typeであれば、化学療法の効果もそれ程高く無いと予想されるので)化学療法するにしても、術後でもいいのではないか?
 

「本当に望むなら、術前化学治療を2ヶ月遅らせ、術後ホルモン治療をやめることですが、リスクは高いですか?」
⇒私の考えは全く違います。
 (本当に望むなら)「術前化学療法は辞めて」まず手術をし、「その上で妊娠、出産」し、「その後ホルモン療法をする」
 
◎妊娠・出産を考えている方で(luminal typeなのに)術前化学療法を勧めているのは何故なのでしょうか?
 担当医に聞いてみる必要があります。

 
 

 

質問者様から 【質問4】

迅速な回答ありがとうございます。
主治医が言うには、確かに抗ガン剤の効果は劇的な変化はないが、今全身に回ってる見えないがんを叩く必要がある。
手術を先にすると、術後、化学治療に入る前に傷が癒えるまで待たなくてはいけないので、時間的ロスがあるとにことでした。
 

私は再発が怖いのと、放射線が嫌なので、全摘を考えていますし、主治医もその方がいいとのことです。
抗ガン剤治療は4/2に始まってしまいます。
どうしていいのかわじゃりません。
ただ、再発したときにあの時抗ガン剤治療やっていればと思うならやったほうがいいのかと思いますが、やったからといって再発予防には私の場合、あまり影響がないのでしょうか?
やることで、免疫力が下がって、がんが増えてしまうこともあるのでしょうか?
妊娠は、諦めました。
家族からの早く治療しろというプレッシャーに負けました。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答4】

 こんにちは。田澤です。
 「回答を重ねていく」に連れて、徐々に本質に近づいてきました。
 それでは回答します。

回答

「主治医が言うには、確かに抗ガン剤の効果は劇的な変化はないが、今全身に回ってる見えないがんを叩く必要がある。手術を先にすると、術後、化学治療に入る前に傷が癒えるまで待たなくてはいけないので、時間的ロスがある」
⇒主治医が「術前化学療法を強力に勧める(そのように見えます)その内容」に違和感があります。
 1つ1つ紐解くと

  1. 「抗癌剤の効果は劇的では無いが、今全身に回っている見えないがんを叩く必要」
    ⇒まるで、「少しは効くはず」と仮定しているようですが…
     実際には「抗癌剤が全く効かない。」場合もあります。 その場合には(手術をしない事で)結果として、腫瘍を放置することになり、「腫瘍から新たに転移を起こす」リスクが生じます。
     
    ●術前化学療法中に(化学療法が効果が無く)「腫瘍が増大、慌てて手術予定をたてる」(術前化学療法を多数行っている)医師なら誰しも経験します。
     そうなると、(化学療法中に手術を組む場合)「最低でも前の点滴から3週間以上」は空けなくてはなりません。
     この場合、腫瘍が増大しているのを「目の当たりにしながら」3週間待つのは「大変なストレス」となります。何故なら、
     「腫瘍が増大⇒(もしかして)新たな転移の原因となるかも?」という想像から、「こんな事なら、最初に手術をしておけば良かった…」と、後悔するのです。
     
    ※確かに(質問者のように)「luminal type」でも「術前化学療法」に「少しは効く」ことが多いのは事実です。(私の経験上も)
     ただし、「もしも効果が無かった場合には患者さんにとって不利益になりうる」事を全く想定していない様に見えます。
     

  2. 「手術を先にすると、術後、化学治療に入る前に傷が癒えるまで待たなくてはいけないので、時間的ロス」
    ⇒まるで、「手術後暫くは化学療法ができない」ように書いてありますが、そんなことはありません。
     実際は術後1週間で「術後化学療法」は開始できます。 

    ※どんな術後合併症を想定しているのでしょう? 「きちんとした手術」をすれば、「傷が癒えるまで1週間もかかりません」
     術後であれば「腫瘍もリンパ節も摘出」してあるのですから、安心して「化学療法を開始」できます。

 

「再発したときにあの時抗ガン剤治療やっていればと思うならやったほうがいいのかと思いますが、やったからといって再発予防には私の場合、あまり影響がないのでしょうか?やることで、免疫力が下がって、がんが増えてしまうこともあるのでしょうか?」
⇒とてもいい質問だと思います。良く理解されています。
 それでは1つ1つ紐解きましょう。

  1. 「再発したときにあの時抗ガン剤治療やっていればと思うならやったほうがいいのかと思います」
     ⇒その考え方は正しいと思います。
     化学療法が狙っている「ターゲット」は「微小転移(主治医が言う処の ”今全身に回ってる見えないがん” 」です。
     実際にあるかないかは「勿論不明」ですが、「有ると仮定して」小さいうちに治療しておく。という考え方です。
     

  2. 「やったからといって再発予防には私の場合、あまり影響がないのでしょうか?」
     ⇒(質問者がluminal Aなのか、luminal Bなのかで)化学療法の推奨度が全然違います。
     もしluminal Aならば、殆ど意味はないでしょう。
     Luminal Bであれば、(あくまでもホルモン療法が主役ではありますが)「幾らかの上乗せ効果」は期待できます。
     

  3. 「免疫力が下がって、がんが増えてしまうこともあるのでしょうか?」
     ⇒(無責任に)「抗癌剤は免疫力を低下させるだけで、却って体に毒だから、してはいけない」などと「根拠もなく」いう医師もいますが、そのような考え方は賛成できません。
     「抗癌剤をやることで、予後が不良になる」などという「エビデンス(証拠)」はありません。
     ※(副作用が嫌で)「化学療法をしない」という意思は尊重しますが、「免疫力が下がるから」化学療法はしない。という「根拠のない」理由は私には賛成できません。

 

(機会があれば)主治医に聞いてみましょう。

 (質問者がluminal AかBかが不明なので)化学療法そのものの推奨度合いは不明なのですが、
 「化学療法をするのはいい」としても、「術前化学療法」を勧める根拠が不明です。

★「術前化学療法は、乳房温存率を上昇させるが、術後化学療法と比較して予後の改善は無い」事は(主治医も)承知しているはずです。
 主治医がいうところの「今全身に回ってる見えないがんを叩く必要」というのは、「根拠薄弱」であり、むしろ(もし化学療法が無効であった場合の)「腫瘍からの新たな転移」についてのリスクを無視しているように見えます。
 

◎(主治医への)質問内容

  1. 私はluminal Aなのか、luminal Bなのか? 本当に化学療法をすべきなのか?
     
  2. (化学療法をするとしても)何故、そんなに「術前化学療法にこだわるのか?」 
     「術前」でも「術後」でも「生存率は変わらない筈」なのに、何故「術前化学療法の方が好いような言い方をするのか?」
     「もしも、(術前の)化学療法に効果が無かった場合に、(増大した腫瘍から)新たな転移が生まれるリスクは無いといいきれるのか?」

 

私であれば(参考にしてください)

 私であれば(温存目的で無い限り)「luminal type」に「術前化学療法」する事は勧めません。
 まず手術して「腫瘍及びリンパ節」を摘出する。(やはり治療の主たるところは、手術にあると思っています)
 病理結果を確認してから術後療法を相談する。

  • luminal typeである以上、「ホルモン療法が中心」である事は間違いありません。
     
  • その上で「化学療法」と「放射線療法」です。
    ⇒「放射線療法」
     この場合の「放射線療法」は勿論「温存乳房照射ではなくて、乳房切除術後放射線照射(postmastectomy radiation therapy:PMRT)」です。
     「リンパ節転移陽性の場合のPMRTは生命予後を改善させる」事は明らかです。(1~3個の転移では推奨度B, 4個以上転移では推奨度A)

    ⇒「化学療法」
     Luminal AなのかBなのか?
     どれほどの上乗せ効果があるのか?

 
 

 

質問者様から 【質問5】

お世話になります。

ルミナールAに対する抗ガン剤適応がないとのことでしたが、ある記事によるとルミナールAも3つタイプに分けられ、http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201307/531791.html私はそのうちのA2になりますので、ホルモン治療にUFTがプラスされることが望ましいようです。

どちらにしても、抗ガン剤治療はしたいのですが、問題は術前に効果がない場合です。

メールで質問でしたが、テレビ出演で有名なN乳腺外科医からは、抗ガン剤治療は必要、効果判定ができる、その後の手術がより美的に行えるためにも術前と返信頂きました。

けれども、田澤先生の効かないという言葉にやはり手術先行で揺らぎます。

また、手術先行の場合、やりたい病院の場合、待ち時間が1.5~2ヶ月先なので、その間何もできないのも不安です。

それなら、術前化学療法をやって効果判定するというのは、やはり危険ですか?

 

田澤先生から 【回答5】

 こんにちは。田澤です。
 いろいろ調べているようですね。
 それで悩むことが多くなりすぎるとしたら、
 情報が溢れすぎていることもいい面ばかりではないのかもしれません。

回答

「ルミナールAに対する抗ガン剤適応がない」
⇒ルミナールAでもリンパ節転移が多い場合には、時として化学療法が選択されることがあるが、化学療法が有効であるという根拠はない(ザンクトがレン2013) 
 ということです。
 
私の考え方としては「あまり目先の不確実な情報」に目を奪われることがなく、「確実な情報」と「自分の経験」で判断しています。
 

「テレビ出演で有名なN乳腺外科医からは、抗ガン剤治療は必要、効果判定ができる、その後の手術がより美的に行えるためにも術前と返信頂きました。」
⇒(私だけが思っているわけでは無いと思いますが)その「有名な医師」が自分よりも乳癌診療を知っているとは、私は思っていません。
 実際の、手術執刀件数も(化学療法を含めた実際の)診療件数も「大病院や大学病院でやってきた、それらの医師達よりも」豊富であると自負しています。

 私は、「乳癌診療における正確な情報」と「自分の豊富な経験」から「luminal の方には(温存目的以外に)術前化学療法は勧めない」し、(luminal Aの方には)術後にも化学療法は勧めないでしょう。
 自分の患者さんとして「術前化学療法を始めたのに、効果が無く、慌てて手術へ変更」した経験を持つものにとって「術後でもいいものを、リスクを冒してまでも術前にやる」必要は感じません。
 

「術前化学療法をやって効果判定するというのは、やはり危険ですか?」
⇒(前回回答に述べたように)「もし効果がなかった場合には」癌が進行してしまうので勧められませんが、「待ち時間が1.5~2ヶ月先」のような病院であれば「何もしないで待っているよりはまし」という考え方もあるかもしれません。
 さすがに、その病院で「もしも抗がん剤が効かなかった場合」には「待ち時間が1.5~2ヶ月先」とはならずに、「緊急対応してくれる」はずですから。

 
 

 

質問者様から 【質問6】

お世話になります。続けての質問申し訳ありません。明日までに決めなくてはいけなく焦っています。先生のアドバイス通り手術先行(今の所で三週間後)でいこうと思っていましたが…
 

主治医に田澤先生のお話をしたところ、正しいとのこと。ki67を測っていないのでAかBかは不明、ERは80%。術前の化学療法が全く効かないということ、悪くなることはないとおっしゃっていましたが、私が手術する病院選びで悩んでいるようだったので、術前をお勧めしたとのこと。
 

ただ、もし彼女が私の立場だったら、私がもつ自覚症状(脇が腫れている感じ)があれば、術前化学 療法をすると言われ、またまた悩んでいます。やはり手術先行が良いでしょうか?

 

田澤先生から 【回答6】

 こんにちは。田澤です。
 luminal AかBか解らないとの事ですね。
 それでは回答します。

回答

「もし彼女が私の立場だったら、私がもつ自覚症状(脇が腫れている感じ)があれば、術前化学療法をすると言われ、またまた悩んでいます。やはり手術先行が良いでしょうか?」
⇒「効かないかもしれない」術前化学療法をして、ますます酷くなる可能性を考えれば「手術先行」がいいでしょう。

◎3週間後の手術なら、「手術先行」を勧めます。
 「手術標本」で、Ki67Indexを計測して、化学療法をやるべきか?じっくり考えて決めればいいのです。

 
 

 

質問者様から 【質問7】

何度も失礼致します。

主治医の話では、手術先行で妊娠の件は、できなくないが、実際に手術後妊娠発覚、妊娠中に手術した患者さんは、それぞれその後に局所再発しているとのことで、お勧めはできないとのことでした。

術後、ホルモン治療には遅くともいつまで可能と思われますか?

また、術後すぐにホルモン治療する方のとでは、どれ程リスクは変わってきますか?

 

田澤先生から 【回答7】

 こんにちは。田澤です。
 「手術先行」した場合の「妊娠の可能性」についてですね。
 エビデンスのしっかりしていない領域となります。
 それでは回答します。

回答

「主治医の話では、手術先行で妊娠の件は、できなくないが、実際に手術後妊娠発覚、妊娠中に手術した患者さんは、それぞれその後に局所再発しているとのことで、お勧めはできないとのことでした。」
⇒(主治医が自分でどの程度の経験を持っているか知りませんが)あなたが信頼できる主治医であれば信用してあげてください。

 ただ、私の経験では「ホルモン療法」を行わずに、「妊娠出産」を優先している方は結構いますが、(もともとリスクが低い方が多いからかもしれませんが)特に再発が多いとは感じていません。

◎たしかに「ホルモン動態」から考えて、「妊娠期にはエストロゲン↑」しますが、「出産で急激に↓」それが「授乳中には持続」します。
 これが「妊娠・出産」が「乳癌リスクを下げる要因」となっています。
 
 
「術後すぐにホルモン治療する方のとでは、どれ程リスクは変わってきますか?」
⇒「妊娠出産」自体は乳癌再発リスクを高める事はありません(同等か、むしろ妊娠された方が予後良好との傾向があります)
 ただ、「本来ホルモン療法をすべき時期」に「妊娠することによって」(妊娠自体はリスクに影響は無いとしても、)「そのことによるホルモン療法ができなくなる事による不利益」とまで、突き詰めると「全くエビデンスの無い領域」となってしまいます。
 

◎私に言えることは、「化学療法をすべきか?」「妊娠出産も(完全には)あきらめきれない」という質問者の状況かるすると、「全ての選択肢を残す事が可能」である「手術先行」が勧められます。
 ⇒「術前化学療法」をすると、それら(最終的に何を選択するかは別として)選択肢自体が限られてくるのです。

 
 

 

質問者様から 【質問8】

いつも迅速でわかりやすいお答えありがとうございます。

お陰様で、手術先行(4/2◎)の予定になり、とてもすっきりしました。

今の主治医は30代半ばの若い人ですが、外来時間以外にも時間を作ってくれて、とことん話し合いもでき、信頼できるので、色々情報に惑わされ時間もかかりましたが、田澤先生のお陰で方針もクリアーになり、主治医にも思いが伝わり、私も自分の状況を理解でき、安心して手術に臨むことができます。

何度も何度も質問したにもかかわらず、迅速な回答、本当にありがとうございました。

とても救われました。感謝致します。
 

さらに質問で申し訳ありません。

妊娠することでかえって予後が良いケースがあるとのことでしたが、妊娠時のエストロゲンアップが気になります。

なぜなら、私は去年の12月に流産(9週)したのですが、その頃はしこりがあったとは思えないのですが、2月下旬に、本当に急にしこりに気づいた(3cm)のです。

ですから、もしかすると、去年末の妊娠によってがんが育ったのではと思うのですが、いかが思われますか?

よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答8】

 こんばんは。田澤です。
 文面からは、「主治医とも信頼関係が築け、治療方針も決まり」非常にいい方向にあるのを嬉しく思います。

 「手術後の妊娠」にかんしては、エビデンスの無い領域ですので私なりに回答します。

回答

「去年末の妊娠によってがんが育ったのではと思うのですが、いかが思われますか?」
⇒可能性はあります。
 
 ただ、妊娠前の時点でも(画像診断をしていれば、解る程度の)腫瘍は存在していた筈です。
 (ある程度のボリュームを持つ)「腫瘍」であれば、妊娠(によるエストロゲン上昇)で「腫瘍増大」もありえるとは思いますが、(術後の)「(存在するとしても)細胞レベルの非常に小さい腫瘍」の場合には影響は全く異なるはずです。
 

●妊娠期の「エストロゲン上昇」が「術後の予後不良因子にならない」事は、それを支持していると思います。
 勿論、通常の妊娠出産の場合には、(その後に引き続いて行われる)「授乳」がプラスマイナスゼロ以上の貢献を果たしているのかもしれませんが(この辺りは憶測にすぎません)
 

◎術後の「妊娠、出産」については、主治医と「術後にゆっくり相談」してみてください。

 
 

 

質問者様から 【質問9】

重ね重ねありがとうございました。
 

また、病理結果により質問させて頂くと思いますが、本当にここで田澤先生のご意見を伺えたことで前向きに考えられ、具体的に治療方針が決められました。

手術の日まで体調を整え、術後の体調管理も気をつけ、癌を完治させたいと思います。

癌を患ったことは、不運でしたが、このことを人生の転機と受け止め、健康な生活習慣に変えられたきっかけとしたいと思います。
 

お忙しい中、毎回迅速なご回答、本当にありがとうございました。

 

田澤先生から 【回答9】

 心おだやかに、手術の日を迎えられそうで何よりです。

 術後病理組織検査結果が出ましたら是非教えてください。
 お待ちしております。

 
 

 

質問者様から 【質問10】

いつもお世話になっております。

手術先行ですっきりしたはずが、ki-67が34%でルミナルBということで落ち込んでいます。

主治医には、手術して詳しく広がりや、血液内への浸透度などを見て、術後の治療法を決めましょうと言われましたが、気が早い私は、化学治療の有無を聞いた所、行う可能性大とのことでした。
 

田澤先生は、ルミナルBであっても、化学治療は考慮できるとおっしゃっていましたが、やはりがんの広がりや増殖度の高いものがどのように浸透しているのかによるのですか?

私は、術後に妊娠出産してから、ホルモン治療と考えていましたが、この様子では、術後すぐに治療に入った方が懸命でしょうか?

アドバイス、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答10】

 こんにちは。田澤です。
 「針生検でKi67」ということですね。

 江戸川病院ではKi67は「手術標本」で行っています。
 「針生検」が病変を代表しているのか解らないので、針生検でのKi67値は、「手術標本でのKi67値」に比べ信頼度は劣ります。
 どちらが、「本来のKi67値」として重要なのかは明らかです。(主治医に確認してみてください)

回答

「ルミナルBであっても、化学治療は考慮できるとおっしゃっていましたが、やはりがんの広がりや増殖度の高いものがどのように浸透しているのかによるのですか?」
⇒(手術標本でのKi67評価をした上ですが)luminal typeは(luminal Aにしろ、Bにしろ)内分泌療法感受性が陽性であることには変わりはありません。
 
 Luminal Bでは(一般に化学療法を追加する事が多いですが)それが本当に正しいかは解っていません(luminal Bでは化学療法を省略できるというデータがない。という事で行うことが多いだけです)

◎これが例えばtripple negativeであれば、化学療法しか頼るものがないので「問答無用に化学療法」をしなくてはならない(選択肢が他にない)し、
 HER2 typeであれば、(ハーセプチンが有効であることは、誰の目にも明らかだから)「ハーセプチン+化学療法は必須」(世界中の誰もが勧める)ものです。

★luminal Bには、内分泌療法が主役であることには変わりがなく、化学療法はあくまで「+α」に過ぎません。
 

「術後に妊娠出産してから、ホルモン治療と考えていましたが、この様子では、術後すぐに治療に入った方が懸命でしょうか?」
⇒(luminal Bだから)「術後すぐに治療に入らなくてはならない」ことは全くありません。
 Luminal Bで「化学療法」をするにしても、妊娠出産後でもいいでしょうし、「化学療法」をそもそもしないという選択肢もあります。

 
 

 

質問者様から 【質問11 リンパ腋窩郭清手術】

いつもお世話になります。

術前検査でT2N1M0、ki67 34%です。

術前抗がん剤を検討していましたが、先生のアドバイスと術前N1だった場合、術前抗がん剤でリンパ転移が消えてもレベル2までの郭清手術は免れないとのことでしたが、下記のようなケースを見つけました。しこりが5cm以上で皮膚から飛び出しているい状況です。
http://www.breast-guide.net/pc/free205686.html
 

《皮膚の部分はとらなければなりませんので、傷は大きくなりましたが、乳房の形は良好に維持できています。リンパ節は超音波やMRIでも認められず、生検として3つの切除のみですみました。》とあります。

この症例だと、温存も出来て、リンパ切除も少なく済んでいるようなのですが、私のしこりは3cmで、もちろん飛び出ておらずステージ2bですが、中で広がっているとの主治医の見解から、全摘はしょうがないとしても、リンパを取られて、重いものも持てずに一生浮腫に怖がったりして生きていくのが苦痛です。

何度もすみませんが、術前でリンパ転移を少しでも小さくして、この方のように、リンパ切除を少なくするようにはできませんか?

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答11】

 こんばんは。田澤です。
 以前のメールで「手術先行と決定し、4/2◎」と報告いただいたと思いますが、まだ迷われているようですね。
 それでは回答します。

回答

「術前でリンパ転移を少しでも小さくして、この方のように、リンパ切除を少なくするようにはできませんか?」
⇒私なら(以前ガイドラインを示したように)「化学療法前にN1であれば」(術前化学療法で画像上N0となっても)センチネルリンパ節生検はしません(通常郭清します)
 理由については、「以前の回答で述べた」通りです。
 

「リンパ節は超音波やMRIでも認められず、生検として3つの切除のみですみました」
⇒これが(乳癌診療ガイドラインに沿った)「正しいやり方」だと思いますか?
 全くの誤りです。

 乳癌診療ガイドラインの記述は以下の通りです。
 「化学療法施行前にN1以上である症例におけるSNBの精度は信頼できない可能性が高く、日常診療として行うには時期尚早である。」

 つまり、今回の「生検として3つの切除のみ」というのは「ガイドラインから外れた」診療です。
 おそらく、(ガイドラインから外れた診療であることを)患者さんと十分に話し合って、「同意のもとで」(自己責任を伴うものとして)患者さん自らが選択された事でしょう。
 

 ここで最初の質問に戻ります。
「術前でリンパ転移を少しでも小さくして、この方のように、リンパ切除を少なくするようにはできませんか?」
⇒(ガイドラインから外れた診療ですが)質問者が「担当医を説得すれば、」最終的には(ガイドラインから外れている以上、自己責任となりますが)担当医は「そのような(ガイドラインから外れた)手術」をもしかして、してくれるかもしれません。

◎質問者が「ガイドラインから外れ」「リスクを負う」治療であることを承知の上でも「どうしても郭清をしたくないのなら」、担当医と相談してみてください。

 
 

 

質問者様から 【質問12】

いつもお世話になり、ありがとうございます。
手術日を決め、主治医と握手をして帰ったものの、手術を前に不安定な毎日です。本当に情けなく思います。

主治医には、将来、スポーツインストラクターとして活動したいこと、彼女自身も趣味がワークアウトすることなので、共感して頂き、なるべく筋肉、神経、他のリンパ管など傷つけず、慎重に丁寧にやると言って頂いています。しかし、個人差はあると思うのですが、レベル2まで郭清する場合、術後に腕立て伏せなど筋トレができるようになりますか?また、リンパ切断されると、他に流れるよう再生するという記事もありますが、再生されない場合の確率はどのくらいですか?

再発も怖いですが、私は食生活を変えて、長年高かった悪玉コレステロール、中性脂肪が正常値になったことで健康維持はできるとしても、術後の自分の身体の変化がとても怖いです。

余談ですが、がんの発生メカニズムは複雑だと思いますが、私自身思うのは、ちょうど発症されたと予想される10年前に重度の歯周病だったこと、食生活(高コレステロールで血がドロドロ)、怒りっぽく、きっちりしない気がすまない生活が関係してると思いますが、先生はどう思われますか?

また長文で申し訳ありませんが、郭清後の運動量、リンパ管再生について、がんの発症理由についてアドバイス頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答12】

 おはようございます。田澤です。
 いよいよ手術日が近づいてきましたね。
 それでは回答します。

回答

「レベル2まで郭清する場合、術後に腕立て伏せなど筋トレができるようになりますか?」
⇒大丈夫です。
 特に運動制限が起こることはありません。

 きちんとした手術をすれば、大丈夫です。「担当医を信頼してください」
 

「リンパ切断されると、他に流れるよう再生するという記事もありますが、再生されない場合の確率はどのくらいですか?」
⇒通常は「側副路」ができて「リンパ浮腫」が起こることはありません。(%は解りませんが、相当低いです)

 私が見る限りは「リンパ浮腫」は殆どおこりません。
 「リンパ浮腫が起こる原因」としては「肥満」が大きいように思います。
 質問者は「スポーツインストラクター」と言う事ですから、そういう意味では心配しないでいいです。
 

「重度の歯周病だったこと、食生活(高コレステロールで血がドロドロ)、怒りっぽく、きっちりしない気がすまない生活が関係してると思いますが、先生はどう思われますか?」
⇒「歯周病や食生活」の関係はあまり無さそうですが、「怒りっぽく、きっちりしない気がすまない生活」という点つまり「ストレス」は十分関係していると思います。

 この機会にそれらを「改めて」健康的な生活をするというのは「病気をポジティブに捉える」という意味でも大変いいと思います。
頑張ってください。

 
 

 

質問者様から 【質問13】

 私は現在、東海地方在住ですが、実家は関東なので、田澤先生にお願いすることも考えました。
 また、偶然、今日地元の友達が顔を見にわざわざこちらまで来てくれたのですが、江戸川病院にて外科手術を受けたことがあるとの話にますます悩みましたが、小さな子供、主人のことを考えると自宅近くの市民病院という選択で良かったと言い聞かせています。
 

きちんとした手術をすれば大丈夫。主治医を信頼してというお言葉に安心しました。私の主治医は、まだ三十代半ばで、以前先生がおっしゃっていた年間100件、経験10年の半分くらいかもしれませんが、じっくり話を聞いてくださる方なので、きちんとした手術をしてくれると思います。本当に何度もご回答ありがとうございました。生まれ変わる気持ちで手術を受けてまいります。

田澤先生から 【回答13】

 いろいろ考え、悩みそして受け容れられたようですね。

 「自分の病気について深く考える」ことは大事なことだと常々感じています。

 私は、そのような人に「説明を尽くす」事こそが医師として有るべき姿だと思っています。

 いろいろな可能性を考えた上で、「自分に何があてはまるのか?」その上での結論を私は支持します。

 「主治医」を信頼して頑張ってください。
 

 江戸川病院 乳腺センター 田澤篤

 
 

 

質問者様から 
【質問14 遺伝子治療】

性別:女性
年齢:43歳

いつもお世話になっております。

無事に全摘、リンパ節郭清手術を終えました。

術前には、田澤先生に頂いたアドバイスを何度も読み返して勇気付けられました。
本当にありがとうございます。
おかげさまで、術前と変わらない握力、術後5日目の今日はゆっくりあげれば垂直にもあげられて、今日から家事もできます。

今日退院で、時間があるのでデイルームにあった雑誌に、乳がんステージ2bが、一年で95%遺伝子治療で消えたという記事がありました。

正直羨ましいと思ってしまいましたが、この遺伝子治療が近い将来、標準治療になるにはどれくらいかかるのでしょうか?

田澤先生から 【回答14】

 こんにちは。田澤です。
 まずは、「手術を無事に終了」したようで何よりです。
 おめでとうございます。
 術後の「腕の動き」も、まずまずのようですね。

回答

「乳がんステージ2bが、一年で95%遺伝子治療で消えたという記事」
⇒(術前化学療法でも)もっと短い期間で「100%消える」ことは珍しい事ではありません。(pCR率といいますがHER2タイプなど対象を絞れば50%程度になります。)

 「乳癌ステージ2b患者さん1000人に遺伝子治療を行ったところ、その95%の患者さんで癌が消失(pCR)した」という記事との違いを確認してください。
 『このような治療をしたら、(たまたま)このように治療が効いた』的な記事は、探せば幾らでもあるでしょう。(特に免疫関連は)
 

「遺伝子治療が近い将来、標準治療になるにはどれくらいかかるのでしょうか?」
⇒今世紀中には無理でしょう。

 「癌は遺伝子の病気」と言っても、「原因として候補が挙がっている遺伝子はとんでもない数」となっています。

 「単一遺伝子の異常による病気:所謂遺伝病」であれば、今世紀中に『有効な遺伝子治療』が標準となるでしょうが、「癌の場合」にはそうはいかないと思います。

◎質問者の場合も、「せっかく手術」したのですから、術後療法は「きちんと行ってください」

 
 

 

質問者様から 
【質問15 抗ガン剤の必要性】

いつもお世話になっております。

全ての病理結果は出ていませんが、ルミナルB、グレード3、リンパ節転移レベル1に4/10、レベル2に1/3、Her2とKi67については後日とのことでした。

主治医にはアンスラ+タキサン、胸壁と鎖骨上照射も必要と言われました。無治療の場合、再発率は30%、抗ガン剤によって15%になりというお話でしたが、先生はどう思われますか?

よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答15】

 こんにちは。田澤です。
 術後の病理結果が(ある程度)出たのですね。
 状況確認の上、回答します。

状況確認

「ルミナルB、グレード3、リンパ節転移レベル1に4/10、レベル2に1/3、Her2とKi67については後日」
⇒「ルミナールB」という記載は、あくまでも「針生検でのKi67の値での評価ですね。(NG3も参考にしているかもしれませんが…)」
 本当に「ルミナールB]なのかどうかは「やはり(後日判明する)標本全体のKi67を参考にして」判断すべきです。
 

回答

「ルミナルB、グレード3、リンパ節転移レベル1に4/10、レベル2に1/3、Her2とKi67については後日」
⇒(状況の確認で記載したように)化学療法をするかどうかは、まずは(摘出標本全体での)Ki67を確認すべきです。

 その上で、「効果と副作用を天瓶にかける」必要があります。
 

「胸壁と鎖骨上照射も必要」
⇒これについては当然行うべきです。

 リンパ節転移4個以上であれば、術後照射(胸壁+鎖骨上)は推奨グレードAとなります。
 「局所制御」だけでなく、「予後改善」のデータもあります。
 

「無治療の場合、再発率は30%、抗ガン剤によって15%になりというお話」
⇒これは『Adjuvant! Online』などで「似たケース」で試算しているのかもしれませんが、かなり「条件が異なっている」ものであり「ぴったりとは当てはまらない」ことに注意が必要です。
 Ki67の値などを反映させる事もできません。
 あくまでも「参考程度」です。

◎「リンパ節転移(5個)なら化学療法ありき」ではなく、(手術標本のKi67を確認してから)きちんと主治医と話し合う必要があります。

 
 

 

質問者様から 
【質問16 癌の発症時期】

日に二回もすみません。

術後病理結果から、腫瘍浸潤部は2.4cm、DCISは6.1cmとのことでした。またグレード3とのことで、リンパ転移レベル2にあった転移1個はレベル1近くで、さらっと取れたとのことでした(合計5/13)。

これらのことから、発症時期はいつ頃だと思われますか?

最後の乳がん検診は五年前(38歳)です。その時はマンモ、超音波とも問題なしでした。

乳がんにストレスは関係があると言われていますが(特に右胸は家族間の問題と聞いています)、夫婦関係がずっとうまくいっていません。

結婚して四年ですが、もしこの四年で発症したのであれば、離れるべきかとも考えます。

よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答16】

 こんにちは。田澤です。
 乳癌の発症時期ですね。

 一般的には、『早期乳癌でも、癌細胞が生まれてから5年位』と言われています。
 質問者の場合でも、5~6年でしょう。
 ただ、検診で発見されるようになるまでには3~4年はかかる筈なので「5年前の検診時」には「誰が検診しても、解らなかった」と思います。

 ストレスに関しては、関係は有ると思いますが(主要因ではなく)「要因の一つ」と捉えるべきです。

 
 

 

質問者様から 
【質問17 予後について】

いつもありがとうございます。

抗ガン剤については、Ki67が出てからとありますが、腫瘍2.4cm、非浸潤6.1cm、リンパ転移5個という現状に落ち込みます。

平均寿命まで生きたいです。

主治医には今いる子の成人できるのを見るのか、それよりも二人目を生むことを優先するのかよく考えてと言われ、自分の寿命を考えてしまいます。

主人は可能性のあるものは全てやればといいます。

二人目をすぐ妊娠できる保証もありませんし、やはり治療優先ですよね…

長くなり、すみません。

主治医は再発率30%と言いますが、ずばり先生の感覚から、私のようなケースの場合、完治できるレベルですか?

抗ガン剤に関しては、1%でも上乗せ効果があるならやろうと思いますが、上乗せ効果数パーセントならお勧めしませんか?

よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答17】

 おはようございます。田澤です。

「主治医は再発率30%と言いますが、ずばり先生の感覚から、私のようなケースの場合、完治できるレベルですか?」
⇒根治する可能性も十分あります。

 再発率30%というのは妥当な数値だとは思います。それでも「再発しない方が倍以上可能性が高いのですから」十分根治を狙えます。
 

「抗ガン剤に関しては、1%でも上乗せ効果があるならやろうと思いますが、上乗せ効果数パーセントならお勧めしませんか?」
「主人は可能性のあるものは全てやればといいます」

⇒ご主人やご本人が『1%でも』というお考えならば、全く迷う必要はありません。
 私は「化学療法反対」手技でも何でもありません。
 それであれば、行うべきだと思います。

 但しKi67を確認して「自分を納得させる」事も重要です。

 
 

 

質問者様から 
【質問18 ki-67】

性別:女性
年齢:43歳

いつもお世話になります。

ki-67の数値が50出ました。

また、リンパ節転移の5個のうち、4つはしっかりと浸潤していたことから、やはり抗ガン剤を勧められました。

妊娠に関しても、直ぐに妊娠できても一年開けることのリスクもある、妊娠時のエストロゲン上昇もリスクあるとのこと。

ERは微慢性、PgR60%,her2陰性です。

今いる子をしっかり育てるか、第二子を優先するかです。

第二子出産の保証はありませんし、実際去年は流産しています。

やはり、フルコースで治療に専念ですかね…

本当に何度も申し訳ありません。

生き抜かなくてはいけません。

抗ガン剤頑張る気持ちです。

 

田澤先生から 【回答18】

 こんにちは。田澤です。

 「病変全体でのKi67が50%であれば、化学療法の効果もありそう」です。
 「化学療法」⇒「放射線」 

◎ホルモン療法は最初から併用がいいと思います。

 但し、luminal typeは「長期間の内分泌療法こそキモ」であることを忘れないでください。
 化学療法は半年程度(放射線は1カ月半)で終わってしまいます。

 ご本人のいう「生き抜く」ためには、その後の「内分泌療法(ホルモン療法)」の継続こそが重要です。
 タモキシフェンは5年より10年
 LH-RHは併用(化学療法閉経とならない限り)

 頑張ってください。

 
 

 

質問者様から 
【質問19 抗ガン剤治療】

毎度励みになるアドバイスありがとうございます。
前回のご回答にあった、ホルモン療法併用とは、抗ガン剤治療とホルモン療法を併用するということでしょうか?

よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答19】

 こんにちは。田澤です。
 いよいよ術後治療も始まりそうですね。
 それでは回答します。

回答

「前回のご回答にあった、ホルモン療法併用とは、抗ガン剤治療とホルモン療法を併用するということでしょうか?」
⇒その通りです。

 「抗癌剤」⇒「放射線」⇒「ホルモン療法」では無く
 ホルモン療法を(できれば)「抗癌剤開始の時点から」開始した方がいいと思います。
 

◎(万が一)抗癌剤の副作用が強く出てしまい、「内服困難」な場合には、「いったん休薬」して「放射線照射あたりから再開」という事もありえますが、できるだけ「ホルモン療法は早めに開始」がいいでしょう。

 
 

 

質問者様から 
【質問20 ホルモン療法併用について】

早速のご回答ありがとうございます。

主治医からは、まずはEC療法(アンスラ+タキサン)と言われていますが、これにタモキシフェンを併用して大丈夫ですか?また、早くからホルモン療法併用が必要とは、やはりかなりの再発リスク高なのでしょうか?心配です。。

 

田澤先生から 【回答20】

 おはようございます。田澤です。
 誤表記があるようです。ご確認ください。

 EC療法(アンスラ+タキサン)とありますが
EC(アンスラ+エンドキサン)followed by Taxan(ドセタキセル)⇒EC療法を4回行った後にDTX(ドセタキセル:タキサン系)を4回行う予定だと思います。

 まさかET療法(アンスラ+ドセタキセル)ではないですよね?
 忍容性(副作用の面)からはアンスラとタキサンは同時併用はきついと思います。(術後補助療法では、あまりやられていません)

回答

「これにタモキシフェンを併用して大丈夫ですか?」
⇒全く大丈夫です。

 (前回回答とも重複しますが)
 化学療法の副作用は個人差が大きいので、「吐き気が強い」場合などは「無理して内服しない」という方向へシフトする事となります。
 

「早くからホルモン療法併用が必要とは、やはりかなりの再発リスク高なのでしょうか?」
⇒そういう意味ではなく、luminal typeは「あくまでもホルモン療法が主役」というスタンスだからです。

 
 

 

質問者様から 【質問21】

先ほどの添付先を間違えました。
http://qi.ncc.go.jp/index.html から順次使用推奨というもの多いのですが、先生の言われる同時の方が良いというのは、先生の経験からでしょうか?

ホルモン受容体陽性の早期乳癌に対する術後化学療法とホルモン療法の併用は広く行われている。
化学療法とタモキシフェンを同時に使用すべきか、順次に(化学療法が終了してからタモキシフェンを)使用すべきかについては米国のIntergroup 0100(SWOG-8814)、GEICAMおよびGENOAの各試験の結果が関連学会において発表されており、順次投与したほうが、同時投与に比べて無再発生存率が良好であるとされている。

タモキシフェンの結果が他のホルモン療法にも適用できるかどうかについてはまだ不明な点もあるが、乳癌診療ガイドライン薬物療法、St. Gallen会議でのコンセンサスやNCCNをはじめとする各種ガイドラインでも順次投与が推奨されている。

以上により、手術後のホルモン受容体陽性乳癌で化学療法とホルモン療法の両方を受ける必要のある患者に対しては、順次投与が推奨される。

 

田澤先生から 【回答21】

 こんにちは。田澤です。

 ホルモン療法と化学療法の「同時併用」か「順次併用」かについては非常にエビデンスの低い領域で「唯一タモキシフェンのみ1つの臨床試験で有意差がでている」訳です。

 実際の「臨床経験からは」ホルモン療法と「化学療法」は併用しているのが現状です。

 質問者が「数少ない臨床試験データにこだわる」のなら「化学療法後」に開始しても、それほどの違いは無いでしょう。

 
 

 

質問者様から 【質問22】

いつもお世話になります。
すみません、EC療法(エンドキサン、エピルビシン)を4回やって、ドセタキセル4回になっています。

今朝から二度も質問をお送りして申し訳ありません。併用は良くないとの記事があって困惑しています。よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答22】

 こんにちは。田澤です。
 やはり、EC⇒DTXでしたね。
 現状では「最も効果の期待できる」術後化学療法と言っていいでしょう。
 

 ホルモン療法の併用については、「ご本人が気になる」なら「EC後」「DTXと同時に開始」でもいいでしょう。

◎ECは3カ月間なので、「あまり大きな違い」はありません。

 
 

 

質問者様から 【質問23 インプラント再建について】

いつも迅速なご回答ありがとうございます。新たな質問があります。

先日全摘手術を受けましたが、リンパ節転移5個のため放射線照射もあります。

照射のことは術前にあまり考えていなく(リンパ節転移が1、2個だとうと言われていた)再建も前向きでしたが、照射後のインプラント再建は難しいようですが、どうなのでしょうか?

照射前にエキスパンダーを入れている人もいるようですが、その方が良いのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答23】

 こんにちは。田澤です。
 「乳房再建」についてですね。
 それでは回答します。

回答

「照射後のインプラント再建は難しいようですが、どうなのでしょうか?」
⇒難しくなります。

 「皮膚の状態が厳しく」なります。
 照射後の場合には「自家組織再建」を勧める「形成外科医」も多いです。
 勿論「不可能」ではありません。
 

「照射前にエキスパンダーを入れている人もいるようですが、その方が良いのでしょうか?」
⇒皮膚に穴が開いて、エキスパンダーが出てきたりする事があるようなので「辞めた方が無難」です。

 
 

 

質問者様から 【質問24 放射線治療】

お世話になります。

照射後の再建が難しくなるんですね。。。自家組織再建は考えていないので、とてもショックです。

術後抗ガン剤でリンパ節転移が1-3個になっていたら、放射線治療は免れた可能性はありますか?

術前でもKi67が34%あったので、抗ガン剤治療をやって5個が1-3個になっていたならと考えてしまっています。

この真っ平らな胸は苦痛でしょうがありません。

また、術前にあった、たまにツーンとする脇の下あたりの痛みがあります。

生理前は特にありましたし、今は生理前です。

とりきれていない腫瘍があるのでしょうか?

 

田澤先生から 【回答24】

 こんにちは。田澤です。
 「放射線治療に伴う悩み」ですね。

回答

「術後抗ガン剤でリンパ節転移が1-3個になっていたら、放射線治療は免れた可能性はありますか?」
⇒これは「勘違い」です。

 「乳房切除術後の放射線の適応」は、あくまでも「化学療法前の評価」で行います。

○化学療法が「どんなに効果的であったとしても」関係無く、『(画像上の)化学療法前のリンパ節転移数』によって適応が決まるのです。
 

「とりきれていない腫瘍があるのでしょうか?」
⇒主治医を信じるべきです。

 乳房切除で「腫瘍を取り残し」などと言う事はありません。

 
 

 

質問者様から 【質問25】

何度も申し訳ありません。頭がぐちゃぐちゃしてきました。

先生から手術先行でとのアドバイスから全摘手術しましたが、リンパ節転移5個で放射線治療が必要になってしまいました。

再建が難しなることに大変ショックです。

そしてもう一つ、以前先生からは妊娠をしてからの治療でも良いと回答をいただきましたが、諦めて抗がん剤治療に入る旨お伝えさせていただきましたが、今回はホルモン治療も同時併用とのこと。

あまりの違いに、病理結果がよほど悪いのか色々考えてしまいました。

主治医の意見としては、私の年齢から、抗がん剤で生理はとまるだろうし、もし止まらない場合は、ホルモン同時併用でも良いが、服作用が出た場合、どちらが影響しているのか判断できなくなる、私の状態でする必要はないとの見解でした。
 

長々と申し訳ありませんが、先ほどの件をまとめると、今更遅いのですが、術前に増殖度高めであったことから、抗がん剤を術前にやってリンパ節転移を1-3にできた可能性はあったのか?

それならば放射線治療もなく再建に向かえたのにという気持ちでいっぱいです。

そして、妊娠可という見解から、抗がん剤治療にホルモン治療を加えるという両極端なご意見に戸惑っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答25】

 こんにちは。田澤です。
 先ほどの回答と重複した部分もありますが、その部分も含めて回答します。

回答

「抗がん剤を術前にやってリンパ節転移を1-3にできた可能性はあったのか?それならば放射線治療もなく再建に向かえたのに」
⇒(前回の回答での繰り返しとなる事をご容赦ください)

 それは「完全な勘違い」なのです。
 「乳房切除術後の放射線の適応」は、あくまでも「化学療法前の評価」で行います。
 ○化学療法が「どんなに効果的であったとしても」関係無く、『(画像上の)化学療法前のリンパ節転移数』によって適応が決まるのです。
 

★質問者の場合にあてはめると『例え、術前化学療法が奏功して、リンパ節転移が減少しても、(それとは全く無関係に)放射線治療は必要』なのです。
 もしも「術前化学療法でリンパ節転移が減少したから、放射線は不要です」という医師がいたら、それは明らかな間違いです。
 

「妊娠可という見解から、抗がん剤治療にホルモン治療を加えるという両極端なご意見に戸惑っています」
⇒私はluminal Bについては「患者さんの意思」を尊重して治療方針を決めています。

 質問者の場合にも「例外では無く」

  1. 最初の段階:質問者が「妊娠」を望んでいた⇒「luminal typeなのだから、妊娠出産後にホルモン療法を中心とした治療」を行うべき
  2. 術後の段階:質問者の気持ちが変化「生き抜かなくてはいけません。抗ガン剤頑張る気持ちです」⇒適応がある治療を「きっちり行う」という治療方針へ遷移

 おわかりでしょうか?
 治療には「絶対」はなく、「患者さんが何を優先しているのか?」を最優先にした上での(十分なコンセンサスを得た上での)治療方針なのです。

 私は、「質問者のケース」に限らず、
・「妊娠出産を望む」方には(相談した上で)その間は「無治療」として、出産後に治療開始します。
・「できるだけの治療をしたい」方には、エビデンスのしっかりした治療は全て提案します。

 
 

 

質問者様から 【質問26】

いつもお世話になります。早速の回答ありがとうございます。

頂いた回答の中に、化学療法前の評価とありますが、これについては、私は、はっきりしたものは1個で、1-2個と言われていました。なので、放射線治療についてはほぼ考えていませんでした。主治医からも、田澤先生のご意見も考慮し、妊娠の可能性を残そうということで手術先行にしました。

リンパ節転移1-3個に関して、放射線治療をやったほうが予後、再発率に効果があったという記事もありましたから、やったほうがいいのかもしれないのですが、他の外科医には、5個では再発率が高く、5年後再発していなかったら再建を考えるべきで、再建とはそもそも再発しないであろう人にするものだ、残念ですが、発見が遅かったと言われ、さらに落ち込んでいます。

さらには市からのがん検診の案内。ちょうど1年前は乳がん以外の検査はやりました。授乳中だったため、案内に書かれていた、「授乳中の正確な判断はできません。卒乳後の検査をおすすめします」という文言を見て受けませんでした。超音波だけでもできたのにと今ならわかりますが、その時はわかりませんでした。私のようにならないよう、文言を変える必要があると思います。1年前でしたら、リンパ節転移はここまで多くなかったのでしょうか?悔しくてしょうがありません。

 

田澤先生から 【回答26】

 こんにちは。田澤です。
 (化学療法をしてしまうと)「放射線照射の適応があいまい」となる面があります。

回答

「化学療法前の評価とありますが、これについては、私は、はっきりしたものは1個で、1-2個と言われていました」
⇒もし、化学療法を先行していた場合には「術前評価はリンパ節2個だから放射線照射はしない」という結果だったかもしれません。

 その意味では、「手術先行」とした事で、「術後照射の適応に誤らなかった」という結果です。
 逆に言えば、「術前化学療法をした際の、術後放射線照射の適応(判断)には誤りが起こる可能性がある」と言えます。
 

「5個では再発率が高く、5年後再発していなかったら再建を考えるべき」
⇒私の意見では、待つのは「1年位」でいいと思います。
 

「授乳中の正確な判断はできません。卒乳後の検査をおすすめします」
⇒確かにこの文章は「良くない」と思います。

 もしかすると、「昭和の時代」であれば、「授乳中=20歳代~30歳代前半=乳癌は殆ど無い」という図式で「あまり問題は無かった」かもしれませんが、
●出産年齢の高年齢化
●乳癌罹患の増加及び、若年へのシフト

 この2点から、「やや不適切」と言えます。
 

「1年前でしたら、リンパ節転移はここまで多くなかったのでしょうか?」
⇒確かに「リンパ節転移」にかんしては、「この1年間で増えた」可能性も高いと思います。

 
 

 

質問者様から 【質問27】

お世話になります。

《もし、化学療法を先行していた場合には「術前評価はリンパ節2個だから放射線照射はしない」という結果だったかもしれません。》

正直、このお答えはショックです。グレード3、ki-671も高かったことから、術前化学療法にすればとの思いが拭えません。放射線治療は本当に避けたかった。再建にリスクがでるのも悲しい。。。。。です。

けれども、再発された方の中で、このような曖昧な適応の判断によるものがあるという印象はありますか?

 

田澤先生から 【回答27】

 こんにちは。田澤です。
 どうも、「現実から目をそむけている」ように思えて、悲しい気がします。

回答

「グレード3、ki-671も高かったことから、術前化学療法にすればとの思いが拭えません。放射線治療は本当に避けたかった。再建にリスクがでるのも悲しい」
⇒『リンパ節転移が5個』というのは事実です。

 術前化学療法をしていたら、「リンパ節転移が2個と勘違い」して「放射線照射をしなくて済んだ」というのは「おかしな考え」です。

◎もし本当に「放射線照射をしたくない」ならば、「術前化学療法をしていたら2個と勘違いしたから」という理由ではなく『私は、再建したいから、(リンパ節転移が5個であろうと)放射線はかけません』と現実を見据えた理由とするべきです。(主治医も、ご本人が状況を理解した上での判断なら相談にのるでしょう)
 術前化学療法をしていれば「リンパ節転移が2個だと勘違いできたのに…」というのは理由としては不適切です。
 

「再発された方の中で、このような曖昧な適応の判断によるものがあるという印象はありますか?」
⇒ありません。

 「乳房切除後の放射線照射の適応」は「術前化学療法をした場合には、(術前画像上)リンパ節転移1個以上」としていますので、「曖昧な適応判断」とはなりません。





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