乳がんプラザ|乳がんの手術は江戸川病院・東京


[管理番号:4038]
性別:女性
年齢:57歳

こんにちは。
初めてお便りします。

いつもお忙しいのに、皆さんの質問に丁寧にご回答される先生の姿勢に頭が下がります。

私は、57歳、病歴は特にありません。
術前に、非浸潤性乳管癌と診断され、手術を受けました。
今後の治療方針についてご相談したいと思います。

手術結果
平成28年10月(下旬)日
左乳房全摘出術+センチネルリンパ生検+エキスパンダー挿入 腋窩リンパ廓清なし

病理検査結果
浸潤1ミリ以下の浸潤がん。

脈管侵襲、リンパ管侵襲、血管侵襲、リンパ節転移、なし。
切除断端陰性。

ホルモン受容体あり。
ER 4/8 PgR 0/8
HER2タンパクの発現 陽性 3
Ki67発現 低い
サブタイプ ルミナルB(HER2あり)

上記の結果、主治医からは、9割は、このまま手術のみで終了でいいと思うが、
1割で、再発も考えられるので、術後補助治療として、化学療法(抗がん剤)2~3か月+分子標的治療(ハーセプチン)実施と、説明を受け、どちらを選択するかを問われています。
9割なら、治療は止めてもいいかと考えていますが、どうでしょうか。

先生のご意見をお願いします。

また、HER2には、ハーセプチンが有効ということなので、ハーセプチンのみの治療選択もありでしょうか。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

一言でいうと、「抗HER2療法の適応外」です。
「浸潤径>5mm」というのが、コンセンサスです。

◎質問者は微小浸潤(浸潤径≦1mm)です。 抗ガン剤(抗HER2療法も含め)の適応外です。

「1割で、再発も考えられるので、術後補助治療として、化学療法(抗がん剤)2~3か月+分子標的治療(ハーセプチン)実施」
⇒「1割で再発も考えられる」???

 全くの誤りです。
 「微小浸潤で乳房全摘」ならば、「当然、無治療」であり、再発は殆どありません。(1割など、とんでもない!!!)

「9割なら、治療は止めてもいいかと考えていますが、どうでしょうか。」
⇒9割というか、(ほぼ)10割です。

「また、HER2には、ハーセプチンが有効ということなので、ハーセプチンのみの治療選択もありでしょうか。」
⇒ハーセプチンは決して(抗癌剤を一度も使用せずに)「単剤での使用」はしてはいけません。(ハーセプチンを行う際には必ず抗ガン剤が前提なのです)

 そもそも、質問者には不要ですが…

 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日は、ご丁寧な回答をありがとうございました。

一抹の不安を払拭していただき、感謝いたします。
無治療とすることにしました。

ただ、また疑問に思うところがありましたので、お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。

主治医に、補助療法の提案について問うたところ、以下の説明を受けました。

① 以前、術後、広範囲の非浸潤性乳管癌(微小浸潤もなし)と診断し、無治療とした患者さんが、のちに再発したことがあること。

② 私の場合、微小浸潤部分も含め、非浸潤範囲が2センチ強であること(私の胸は小さいほうで、この場合病変部の割合は小さくないと思います)。

素人考えですが、非浸潤癌ならば、範囲が広くても非浸潤なのだから、
転移、再発はないのではないかと思うのですが、①の経過はどうしてでしょうか。
病理で見落としがあったということなのか、他に理由があるのでしょうか。

些細な疑問で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

私の見解は「1mm」も変わりません。
無治療です。

「非浸潤癌ならば、範囲が広くても非浸潤なのだから、転移、再発はないのではないかと思うのですが、①の経過はどうしてでしょうか。病理で見落としがあったということなのか、他に理由があるのでしょうか。」
⇒病理で非常に小さい浸潤を見逃されたということでしょう。

 ただ、冷静になって考えてください。
 病理医の見落としも含め、「人間のエラー」を疑い過ぎると「物事は収拾付かなくなる」わけです。

 ○センチネルリンパ節生検での病理診断でエラーがあるのでは?
 ○微小浸潤でも再発した人がいる。
 ○もしかして「私の検体に(他人と)取り違いがあったのでは?」

 疑えばきりがありません。
 上記もきっと「1000例に1例」くらいはあるでしょう。
 それが人間ではないですか?
 「1000例に1例」を疑って物事を決めていくと「乳がんの人は全員、抗ガン剤を受ける」ことになってしまいます。
 そしたら、「1例の人の利益のために999人の不利益があってもいい」と思いますか?

「① 以前、術後、広範囲の非浸潤性乳管癌(微小浸潤もなし)と診断し、無治療とした患者さんが、のちに再発したことがあること。」
⇒そんな(稀有な)担当医の経験で治療方針が決められるべきではありません。

「② 私の場合、微小浸潤部分も含め、非浸潤範囲が2センチ強であること(私の胸は小さいほうで、この場合病変部の割合は小さくないと思います)。」
⇒全く無意味





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