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術後の治療と予後

[管理番号:5915]
性別:女性
年齢:51歳

田澤先生はじめまして。
宜しくお願いします。

2017年11月末、左乳ガンで温存手術を行いました。
12月からタモキシフェンが開始、
今年から放射線が始まっています

手術後の病理検査では
大きさ2、5cmと術前の1、9cmより大きくなりなりました。
ホルモンが強陽性でher2は陰性です。
グレードは2でしたがkiは計っていません。
この場合抗がん剤は必要ないでしょうか。
私の予後はいかがでしょうか。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「大きさ2、5cmと術前の1、9cmより大きくなりなりました。」
⇒おそらく「勘違い」しています。
 「術前の大きさ」は画像診断での大きさを指しますが、「術後の大きさ」とは「顕微鏡的な大きさ」となります。
  ♯顕微鏡でしか解らない拡がりがあるのは寧ろ当たり前です。だからこそ「マージンをつけて大きめに切除」する必要があるのです。

「ホルモンが強陽性でher2は陰性」
⇒ルミナールタイプです。

「グレードは2でしたがkiは計っていません。」
「この場合抗がん剤は必要ないでしょうか。」

⇒判断ができません。
 ルミナールタイプで抗癌剤が必要なのは「ルミナールB」となります。
 「どうやってルミナールAとBを区別するのか?」
 その回答は『今週のコラム98~101』を見てください。
 「Ki67を測らないのであれば、OncotypeDXが必要」なのです。

今週のコラム 98回目 ♯このグレーゾーンを「AとBに分ける」ためにOncotypeDXがあるのです。
今週のコラム 99回目 ★グレードは「参考程度」ということでいいですね?
今週のコラム 100回目! 「若いから」抗ガン剤をしましょう。は過ちなのです。
今週のコラム 101回目 (Ki67が20代はluminal Aの可能性が圧倒的に高く)本当に「Aなのか、Bなのか迷うのは30代以降」と言えるのです。

「私の予後はいかがでしょうか。」
⇒リンパ節転移についての記載がありませんが…
 (記載がないということは)おそらく「転移無し」なのでしょう。
 早期乳癌だから、「やるべきことをやる(ルミナールAならホルモン療法単独、ルミナールBならばホルモン療法+抗癌剤)」ことで、予後良好なのは間違いありません。
  
 ★抗癌剤が本当に不要なのか?
   きちんと検討すべきです。

 
 


 

質問者様から 【結果2 ルミナールAとして治療中です】

性別:女性
年齢:52歳
病名:乳癌
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

田澤先生こんばんは
前回は質問に解答して頂きありがとうございました。
乳ガンと診断されてから今日まで
毎日乳ガンプラザを読んでいます。

私は術後、病理検査でKI67を測っていなかったので田澤先生の解答を見てオンコタイプを含め
主治医に相談しました。
主治医はリンパ節転移が無い事と、核グレードの核分裂が1点であるのでルミナールAで良いとの返答でした…

あと少しで術後1年です。タモキシフェン内服中で
抗ガン剤はしませんでした。

転移再発の不安は常にありますが
今の所異常なく元気に生活しています。

先生、ありがとうございました。
お忙しいと思いますがこれからも
乳ガンプラザを続けて下さい。

<Q&A結果>